- ロード・ブリティッシュ
この世界には異なる理想を持った多くの人々が住んでいて、それは良いことである。しかし、この国の人々にとって正義と悪、尊敬と軽蔑を選り分けるものは何だろうか。それは徳である、と私は言おう。そして徳は契約社会で共に生きようとする人々の論理的帰結なのである。
人が他人との関わり合いの中で守る行動規範としての徳が無ければ、その社会組織は弱体化するだろう。社会が皆にとって成長し繁栄するためには、お互いが思考の共通基盤を相手に認めなければならない。
私はこの基盤を徳と呼ぼう。一人がこの規範を破って個人的利益を得ることもあろうが、それは結果として社会全体の損害となるだろう。
人々への教科を導く三つの原理徳が存在する。それらは: 真実、愛、勇気である。貪欲や慈悲、嫉妬や同情といった、行動を起こす無限の理由の全てから、三つの原理徳が浮かび上がってくる。
実際、他の全ての徳や悪はこれらの原理と、その正反対の堕落である偽り、憎悪、卑劣から成り立つことが示せる。これらの三つの原理は八つの方法で組み合わせることができ、私はそれを八徳と呼ぶ。我々が築く社会の基盤となるべき八つの徳は次の通りである。
真実はそのまま誠実の徳となる。人々の間に誠実さがなければ、どうやって成功を最大化するのに必要な信頼を築くことができるだろうか。
愛はそのまま慈悲の徳となる。なぜなら折にふれ我々全ては他人の慈悲を必要とし、そして慈悲は往々にしてそれを与えた者に与えられるからである。
勇気はそのままで武勇の徳を生む。武勇がなければ我々は未知の領域にも危険にも踏み込むことはなく、達成することもないだろう。
愛で和らげられた真実は正義の徳をもたらす。なぜなら愛をもって真実を探求することだけが、冷たく無感覚にならずに正義を施すことができるからである。
愛と勇気は献身の徳をもたらす。互いに愛し合う人々は、助けを求める人を進んで献身的に助けようとし、やがて助けられた人はかわりに助ける人になるだろうから。
勇気と真実は名誉の徳をもたらす。偉大な騎士は、騎士道の名誉がこの行動規範を厳守することで手に入ることをよく知っている。
真実と愛と勇気を組み合わせることで霊性の徳が生まれる。霊性の徳は自己反省を促し、この世界の中での自分の立場や、自分の行動が世界に対して贈り物になるか災厄になるかを考えさせる。
最後の徳はより複雑である。八番目の組み合わせは、ひどくうぬぼれた状態でのみ存在する真実も愛も勇気も欠けたもので、もちろん徳などではありえない。おそらくこの運命のいたずらは、真の徳が謙譲であることを人が理解できるかどうかのテストなのだろう。マジンシアの人々は、彼らの未来に何か良くない運命が待ち受けているとしても驚くにあたらないほど、このことを誤解しているように思える。
このように、真実、愛、勇気の三つの原理を生み出した無限の可能性から誠実、慈悲、武勇、正義、献身、名誉、霊性、そして謙譲の八つの徳が導かれる。
※ 英語の原文はゲーム内書籍 - 「Virtue」でご覧いただけます。