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ユー
ケリック(Kerick)へ
今日、私は有名な修道院 (Empath Abbey) の故郷、ユーを訪れた。ブリタニアの遙か北西地域にあるこの街は密集した森林と細い道により成り立ち、すぐに私は気に入ってしまった。ユーは市と呼ぶよりも村に近く、農場がある程度の距離を持って点在している。
この豊かな自然の中にドルイド僧達が住んでいる。彼等の修練する魔法はこれまで私が目にしてきたどれとも異なり、攻撃よりも薬草と錬金術における治癒効果の能力に焦点を合わせたものである。多くの人々は自然界の力を得るためにこの地に移り住み、ドルイドは好意を示すが、最も賞賛できるのはやはり万能薬としての薬類である。
自然の奥義に興味を持たない他の市民は農作業と放牧を精を出している。最も有名なのはぶどう園であり素晴らしいワインのためのぶどうが栽培されている。私は現地の人としばらくの間会話を楽しんだが、彼等にとってワインの生産は神秘主義のプロセスであることを発見した。この産地では他にも家畜と忙しそうな市場が存在するが、最も私が感銘を受けたのはオーク材の樽板の品質である。つまり、この地では精神修行を行う人々と実質的な生産に精を出す二種類の人々を見ることが出来る。
一見、ユーは穏やかな、そして平静な土地にしか見えないが、人々は森の中でモンスターに追いかけられることも多い。Ettin(エティン)やorc(オーク)などが獲物を求め徘徊し、森林地帯の生物や家畜を連れ去るのとまったく同じように人間をもその標的にしている。しかしながら、戦士である私を含め、この広大な土地を守るためならば、多くの森林愛好家達が集まってくることは言うまでもない。
その素朴な土地柄のせいだろうか、私にはユーが公正さと親切心に溢れているように思える。勿論私は木材を運ぶ以上のことを支援することもできるが、彼等の求めたのは農作業の手伝いであり、そのことこそが本当に望まれていたことなのだ。私生活を詮索されることなく手を差し伸べ、それを受け入れる寛大さも持ち合わせる土地、その友好的な暖かい共同体がユーなのだ。ケリック、是非一度この地を訪れてみて欲しい。
君の親友
ギャレス(Garreth)より
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