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トリンシック
ケリック(Kerick)へ
私は自分の冒険についてとりとめもなく君に手紙を送り続けているが、しばしばそれが迷惑なのではないかと心配になることがあるんだ。君のトリンシックでの生活はうまくいっているのだろうか?
私が思うに君は富を築いてはいないが共に過ごしたその街で楽しい人生を送っていると信じている。ときおり海からの東の風が冬の噛み傷に牙を入れることもあるが、他の街と比べて地域的に南に位置することからも穏やかな気候に恵まれた街。正直なところ、自分が住んでいた頃は、海の幸に恵まれていることがどれほど幸運なのかを考えることもなかった。肥沃な土地も十分な食物を供給するが、最も思い出されるのが濁った水とシーフードである。
私が旅立つとき、君は運命が君を何処へ導くのかをまだ見つけていなかった。私は戦士の生活が君を魅了するであろうと思っていたのだが、今となっては実際のところそれが君の召命であると信じてはいない。トリンシックでは綺麗な馬を持ち磨かれた鎧に身をまとうの戦士を目にすることができるだろう。だがケリック、君はまだ一度も戦いによる血はまだ一度も君を染めたことがないのだ。君にはもう一度、戦士の人生を真剣に考え直してもらいたい。トリンシックは技術組合(Guild of Engineers)の街。そして君の心は研ぎ澄まされた刃のごとく鋭敏だ。君の住んでいる街はブリタニアで最も進んだ技術を持ち、戦争やより実践的な領域での支援を目的とした装置の開発で尊敬を集めている。学校も多く数十人の教師の揃う環境は、どのような戦士の努力に対しても優位な差を付けることが出来るだろう。たとえどの街にいたとしても、知識により築かれた壁は戦士の剣の腕をも凌げることを約束しよう。技術者は街の利益を守ろうとする戦士により尊敬されるのだ。どうかじっくりと考えて欲しい。たとえ君がどのような決断をしたとしても、もちろん私は君を支援する準備があることも知っておいて欲しい。
ところで、トリンシックの圧制者についてどのような進展があったかを知らせて欲しいのだ。TrollやOgreは常に必要以上に攻撃的であり、海賊達も是非この手で根絶させたいと思っている。もちろんブリタニアのどこを見回してもトリンシックほどの守りを持つ街はない。その城壁と石の塔により訓練中の戦士達は守られ、堀沿いの道と技術者の他の多くの防御は完璧とまで言えるだろう。それにもかかわらず、もし街に脅威が訪れる恐れがあるならば、私に一報を投じてくれればすぐにでも駆けつけることができるだろう。
私の旅の中で、トリンシックについて悪い批判をさほど聞いたことはない。それは私達がブリタニアのすべてを守りたいの願っているからであり、私達を友人と呼ばない者はわずがでしかない。
君の親友
ギャレス(Garreth)より
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