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オクロー
ケリック(Kerick)へ
国中のすべての土地はトリンシックの友人と呼ばれるがこれは事実ではない。邪悪な人々は私達を愛することはなく、素晴らしいオクローの住人たちもまたまったく別の存在である。彼等はトリンシックという土地の名前を聞いたことはなく、きっと君も彼等の存在は知らないだろう。ところでケリック、オクローは「アゥクヨー」と発音しスペルも「Awk-yo」であると主張しているのを知っているかい?
オクローは、マジンシアのすぐ南に位置する島に文明を築いている。知られている限りでは故意に進歩を止めているわけではないのだが、車輪という概念はいまだに存在しない。しかし組織的であり読み書きも可能である。そして、街の作りは私のこれまで見てきたどの地域とも異なっている。
彼等の地には平地がなく、そのためうねった丘に農地が開拓されている。実際、その数世紀を平坦なと地づくりに費やし、巨大な階段のようにならして潅漑を完成させている。そして今でもより高度な方法を研究し続けている。彼等の使う魔法は我々のものとは異なるが非常に強力である。
彼等は非常に礼儀正しいカースト制社会を築いている・・・そのため私の職業は最も低い地位であることに驚いている。最も地位の高い貴族はカースト制の「Anpana」、その下に常に地位の改善をもくろむ種々の階級があり、その下に労働者がいる。彼れは魔法使いを「Cashual」と呼び、そして同等の司祭にも最大の敬意を払っている。司祭は奇妙な存在でもあり、その存在自体を神と見ることを要求され、人々も司祭が神の本質を追うことを非常に強く望んでいる。 オクローの人々は低い階級の労働者に親切で一般市民よりもその地位は高いかと思われるほどである。そしてその労働者の下にくるのが最低階級の戦士である。オクローには敵が存在せず、戦士は単に争い好きの人間として扱われている。彼等にとっては私は宿屋の厄介者でしかないのだ。もし私が女性であったならば少しはましであっただろう。女性は男性に比べてより高い地位を得られるようである。私は今回の旅全体を謙虚さの貴重な体験として大切にしようと考えている。
この地には、遙か昔に街の近くにある塩湖が爆発を起こし、そこからOclloの最初の住人達が現れたという伝説が残っている。そして山岳部を切り開き文明社会を築いた女性の神があがめられていることから女性市民の階級も高いのである。彼等は自分たちを「Huansuytin」と呼び、私の理解では「人々」「我々」を指すようである。人々は友好的で金属製品や彫刻にも長けているが、私はそれでも必要があって呼ばれるまではこの地を再び訪れることはないだろう。
君の親友
ギャレス(Garreth)より
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