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サーペンツホールド
ケリック(Kerick)へ
今日はの訓練も終わり疲労の残る中でこの手紙を書いている。私がトリンシックを旅立つとき、君は私の訓練を終えたことを祝福してくれるたが、本当の戦いに遭遇したときに本当の訓練が始まると私が答えたのを覚えているだろうか。それは半分その通りだったよ。戦闘からは不変の確信を学ぶことが出来るが、戦闘技術についてはそのほとんどをモンスターから習ったといっても良いだろう。そこで私はどんなことが学べるだろうと思いサーペンツホールドまで出向いたのだ。
武器のぶつかり合う音と訓練の叫び声が鳴り響く場所。ここは畑仕事や狩りを楽しめる場所ではなく、住人の多くは任務の合間に新しい技術を身に付けようと足を運んだ兵士達である。私はわずかな装備しか持ち込んでいなかったのだが、街にはほとんどすべての装備が手に入る店がある。
残念なことに私は初日から地元の人々に悪い印象を与えてしまった。私は常に鉄槌を使うことに不器用であったため、魔法の呪文と引き替えに鉄槌の基本的な使い方を教えてもらうことを提案したのだ。しかし、この地では魔法は戦士にとっては不正行為にも等しく、私は兵士の間で卑怯者であるという評判をもたらしてしまったようだ。そして、その評判を正すため三度も馬鹿な喧嘩に付き合う羽目にも陥ってしまった。馬鹿らしい話なのだが、それがこの土地では常識なのである。また、トリンシック、ジェローム、と並び、サーペンツホールドは酒場での喧嘩の絶えない街としても共通項を持つ。
彼等はしかし誇り高き集団でもある。私は過去に二度ほど銀色の大蛇が優れた勇気と示し、ロード・ブリティッシュの命を救った話を耳にしたことがある。戦士達はこの街で自身の騎士道と強い義務感を身に付け、そして国王と国、そして直属の指揮官に全てを捧げる決意を見事に固めるのである。
私の心の中で、サーペンツホールドがトリンシックと決定的に異なるのは誕生日に対する考え方である。それぞれの男達は誕生の記念日を友人達と一緒に祝うか、あるいは家族と休日のように過ごすのである。トリンシックに戻るときには私も自分の生まれた日を調べる努力をしてみよう。もし私に運があれば、その日に無料の鉄槌訓練を受けることが出来るかも知れない。
君の親友
ギャレス(Garreth)より
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