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ミノック
ケリック(Kerick)へ
君はミノックについて何か知っているだろうか?私の場合、この職人と機械好きの小さな共同体について私が聞いていた事は全て時代遅れのものだった。ミノックを囲む山々には貴重な鉱石で埋め尽くされていることが発見されていたのだ。これにより小さな村落は採掘の街にまで発展した。古くから住む老人達はこの変化に不平を漏らしているが、それもブリタニア中から集まった群衆の中では探し出すことが難しいと言える。
機械マニアの同業組合である細工師ギルドは、ミノックにその本部を置いたことが幸いしたようである。本来は元から住んでいた多くの職人の実務的なギルドとして始まったはずだが、今では地中から鉱石を採掘、そして森林から用材を得るための様々な方法を考案するのに忙しい日々を送っている。
ミノックには他の街が夢見ることを現実化している。そう、人々よりも多くの富が眠っているのである。鉱夫は今でもまったく人手が足りず、その賃金は十分すぎるとも言える。ミノックで採掘された鉱石と用材のほとんどはブリテイン、ベスパー、そしてマジンシアへ供給されているが、得られた富はミノックの街中で使われるのみである。これによりこの小さな市は繁栄しているが、金銭の多くは酒場に集まり、当然のことながら豊富な財産を狙う泥棒達も集まってくるのは驚くことでもない。
今はそれでよいかも知れないが、鉱山がその資源を空にしたとき、この街は同様に空っぽになるのだと私は予測している。人々は不思議なほどに器用で自ら修理ができない者はほとんどいない。
人々は毎晩のように酒場で酔いしれ奔放に踊り明かす。その自由さをこよなく愛し、それを弁護するかのように一カ所に集まって互いに群れる。私にはそれが過度に行われているいるようにも見えるが、病気などと比べればたわいもない害なのであろう。
君の親友
ギャレス(Garreth)より
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