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バッカニアーズデン
ケリック(Kerick)へ
最近、私は海賊 (Buccaneer) の住処として知られる島に立ち寄るチャンスに恵まれた。私の目的はスカラブレイで誘拐された哀れな市民を救出し、連れ戻ることであった。少女を誘拐した盗賊どもは即座に隠れ家へ逃げ去ったが、それが私の最初の訪問場所となる。ケリックよ、この冒険は二週間目の半ばで終えたのだが、これほどまで航海に時間が掛かることを知っていたならば、船を買い、乗用馬を借りるべきだった。
海賊の住処は惨めなバラックのあばら屋、そして不潔さを故意に集めたかのような有様である。海賊という仕事柄、出入りの激しいその土地で永住者と呼べるのは、わずかに意地の悪い鍛冶屋くらいのものである。土地を耕すことなど思いも付かないのだろうか……島の大部分は手つかずの自然が残り、本当ならば島の隅々までゆっくりと観光でもしたいと願った。嘘と退廃、そして非道の限りを尽くす男達に自然が襲いかからないことが不思議にも思えた。
きっと君もこの地が煌びやかなニュジェルムと関連性があることに今更驚きはしないだろう。どんな考えの市民であっても卑劣なものと考える方法で、ニュジェルムの指導者は海賊達の盗んだ金品を収入の元としているのは明らかだ。私の唯一の願いは、その悪臭を放つ領域を洗浄するために同盟を組み攻め入る日が来ることだ。
そして私が現地に到着したとき、極めて臆病な海賊達はこそこそと逃げ出した。私は型通りの戦闘を与える余裕もなく襲いかかったが、彼等は少女を残したまま、隠し扉の向こうに姿を消し、果てしない地下のトンネルに逃げ込んでしまった。少女を家族の元に送り届けた後、私はロード・ブリティッシュ(Lord British)に手紙を書き、略奪者達を捕らえ街を焼き払う提案をした。しかし、悪の種は太陽の恵みのない岩だらけの土地であってもその蔓を成長させるものなのかも知れない。
君の親友
ギャレス(Garreth)より
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