|
ブリタニア生物図鑑
- Bridget Jaegerfrau (ブリジット・ジャーガーフロイ)
幼年期の私は魔法を扱う一般市民で、人々と群れるのが好きな性質の幼女であったようです。それが、生まれ育った土地で放牧をしていたある日、ふと自分を取り巻く動物たちに興味を持ち始め、それがきっかけで、私の羊たちと共に草をはむ小さな動物たちの仕草に、何とも言えぬ興味を覚えたのでした。そして少なからず人間の持っている悪意が、全ての動物たちにも共通していることを見いだしました。そう、強力な魔法使いたちによる貴族政治の巧妙な陰謀と虚飾の縮図を、自然界のスズメやネズミ、そしてキツネなどにも見られることに驚きを隠すことが出来なかったのです。そして、彼ら動物たちから自分を含め、人間がいかに虚栄と見栄に支えられているかを知ることとなりました。 そのほとんどを孤独に過ごしたと言える幼年期を過ぎ、私が若い女性となったある日、モンスターやどう猛な種族の退治で有名な戦士、スカラブレイのクラッドック氏にお目に掛かかりました。最初は彼のその凍り付くような名声に恐れを覚えましたが、時間が経つにつれ、彼が思慮深く同情心を持ち、虚栄の戦いではなく無垢な市民を守るためだけにその剣を抜くこと、そして自然の秩序を重んじていることを理解しました。そして、マジンシアへの用事をちょうど終えた彼のその暖かい心に触れた私は、彼の旅に「妻」として同行することに承諾しました。 その後、彼の任務が終わるまで、ある季節はこの街に暮らし、その次は別の街……と、私たちは世界の全ての街を訪れる旅に出ました。新しい街を訪れる度、私たちは出来る限り街から離れた田舎に住み、その地域の動物たちを観察し続けました。その多くは私の知識にすでにあるものでしたが、主人の見つけた動物の中には魔法によるものとしか思えないような神秘的なものも少なくありませんでした。これまでの私の経験から、人間の弱さを見せることなく、また危険を察知させるような真似をしない限り、動物はこちらにも危険及ぼすことはありません。ある意味動物たちは人間よりも賢く、争う必要のない相手には手を出さないのです。 私たちの人生も枯れ葉の舞う季節に入った今、旅を終えた私たちは平和な日々をこの静かなコーブの郊外で送っています。そしてブリタニアの動物やモンスターに関する研究結果とその考察を、子供たちの世代に教化として書き残すこととしました。一般的な動物に関しては私が、そしてクラッドックは戦いの中で対面してきた通常とは異なる生き物やこの土地に生息する異なる種族についてまとめています。
*
ブリタニア特有のモンスターたち
* イルシェナーのモンスターたち * マラスのモンスターたち * 徳之諸島のモンスターたち * 「宝珠の守人」で登場したモンスターたち * 壮絶な強さを誇るチャンピオンたち * ソーサリア各地に生息する動物たち |