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平和祈願碑建設計画
- [ローカルニュース] 投稿日:10.10
「皆さん、ここまではよろしいでしょうか」
ベスパーのカウンセラーホールにはいつになく重苦しい空気が立ちこめていた。男は立ち上がり、テーブルを囲む他の列席者を見た。
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直撃!カーミラ女史インタヴュー
- [ローカルニュース] 投稿日:10.07
新しい冒険者が降り立つ街、ヘイブンに謎の建築物があるのを賢明なる読者諸君は既にご存知だろう。わたし、BNNレポーター、シェリル・ブラウン(Cheryl Brown)が取材したところ、「コンパニオン」と呼ばれる団体が提案、これをヘイブン在住のカーミラ(Carmela)女史がこの計画に援助する形で建設された建物であることが判明した。
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労働者
- [ワールドニュース] 投稿日:10.06
地面のずっと下、土と石の穴の中で、2人の労働者が1日中、忙しく動き回っていた。彼らは、このじめじめした暗い穴倉で働くことを無常の喜びと感じていた。早足で戦士の一団が駆け抜けたり、岩のトンネルの奥から剣や鎧がぶつかり合う音が響いくるといった騒ぎは、2時間前に収まっていた。もっとも、その程度のことで気が散るような2人ではない。彼らは女帝直々の命を受けて仕事をしているのだ。しかも、彼らは仕事をしながら新しい遊びを発明して、結構、楽しくやっていた。
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科学討論会
- [ワールドニュース] 投稿日:09.30
太陽が沈み、ブリタニア城の雑然とした研究室の床の上を、粘液が流れるように、音もなく夕闇が覆っていった。オレンジ色の夕日の中では、まだ未練がましく細かい塵が弱々しくきらめいている。魔道師クレイニン(Clainin)が部屋を一周しロウソクを灯してゆくと、大きな円卓を囲んで座わっている人々の顔が次第に浮かび上がってきた。
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オークと爆弾
- [ワールドニュース] 投稿日:09.21
オークの基準から見ても、フッド(Fud)とグリンデック(Grindek)は頭のいいほうではなかった。高い木の枝にしがみついている、こんな危機的状況に至っても、その事実が覆ることはなかった。一般にオークは、頭が悪いと言われることを好まなかった。その手のメッセージは頭をガツンとやられるような衝撃的な形で送られてくるのが常なので、とくに嫌がった。しかし、自分で自分は頭が悪いと認めることは、それよりずっと嫌なことだった。
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クレージー・ミギー
- [ワールドニュース] 投稿日:09.18
トリンシックのケグ&アンカー(The Keg and Anchor)は、旅人が気軽に立ち寄り、冷たいエールと健康的な食事で英気を養う、そんな落ち着いた店だった。従業員たちは、のんびり落ち着いた店の雰囲気を大切にしていた。彼らはよく、気の利いたジョークを飛ばし、面白い話を聞かせては客を楽しませてくれたものだ。この店は、激しく過酷な戦いの日常を忘れ、パブの暖かい雰囲気の中でチェスや人気のダイスゲームに興じることができる、格好の夜の隠れ家として、旅なれた一流の冒険家たちの間でも評判だった。
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我掘る、故に我あり
- [ワールドニュース] 投稿日:09.10
思考は、そよ風に乗って窓から舞い込んだ羽毛のように、ゆっくりと、とりとめのない形で訪れた。やがて意識が芽生えた。だがそれは、よちよち歩きをはじめた幼子のごとく、バランスを崩してぎこちなく走り出し、すぐさま激しく転倒した。ようやく欲求不満を感じられるまでに成長した心に、それが湧き起こった。
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思惑ふたつ
- [ローカルニュース] 投稿日:09.09
またか、と彼は舌打ちした。前を歩いていた市長が立ち止まり、あごに左手をあてるのを見たからだ。市長がくだらない事を言い出す時の決まった仕草だ
「マルコス君、あの妙な囲いはなにかな?」
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ファイアスティード
- [ワールドニュース] 投稿日:07.18
ロード・オークス(Lord Oaks)は、私がヘイブンの無垢な若者達との生活へ入っていく為に、イルシェナーの森を離れてから、私を訪れる事が何度かあった。しかし、今回の彼の用向きは、かつて無い程の興味を掻き立てるものであった。彼はユニコーンをさらい、この世界の奥深い場所へと連れ去るデーモンの噂を聞いたというのだ。そこでは、それらのデーモンがユニコーンの角を切断し、熱と炎に曝し、そしてそれらを無感情にし、その血に火を注ぎ込んでいると言うのだ。そこで作り出されるのは、世界がかつて目にした事の無い生物であった。ファイアスティードである。
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エピローグ
- [ワールドニュース] 投稿日:06.03
夜明け光がユーの闇を洗い流す。古びた小屋が陽光に温められ、小さな軋み音を立てている。その向こう側には、かつてはがっちりと家を守っていた木の柵が、巨大生物の背骨の化石のように、列を乱し、一部分だけを見せて泥に埋まっていた。小屋自体は真っ直ぐに泥の中に沈みこんでいる。その形は、小さな生物が住む御殿のようだ。壁に貼りついたつる草は、この家をさらに深く泥の中に引きずり込もうとする骨ばった亡者の手に見えた。
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