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調教師になった男
- [ローカルニュース] 投稿日:11.17
あれからどれくらいの時が過ぎただろう……。モーガン(Morgan)は人里離れたある森の奥深くで、いまだ修業の日々を送っていた。
「くそっ……! こんなんじゃいつまで経っても強い男になんてなれやしねえ!」
どうやら、修業はうまくいっていないようであった。
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徳の影 - 暗黒の王
- [ワールドニュース] 投稿日:11.14
黒いゲートから真紅のローブを着た人影が現れ、部屋を探った。赤い石窓の外で溶岩の海が渦巻く怒号以外の音は聞こえない。雲をつくような巨大なデーモンが部屋の中で立ち見張りをしている。簡潔な承認のうなり声が沈黙を破った。人影は頷いた。
人影は部屋を通り暗い広間へ移動した。そこは、窓はなく、暖まった黒曜石の壁があるだけで、ナイトサイトですら効果がないほど暗かった。溶岩の音は消えて行き、謎の人影は、己の任務に携わるデーモンの双蹄の石をこするドスンという音だけを耳にするようになった。
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魔法使いの一日
- [ローカルニュース] 投稿日:11.06
「Kal Vas Xen Ylem!」
…
……
「う〜ん、やっぱりうまくいかないわ〜」
アザイリア(Azilea the witch)は修業中の魔法使い。素質はあるのだが一部の召喚魔法だけが苦手で未だに習得できないでいる。「Earthquake」や「Resurrection」はすぐに習得し、今ではほぼ完全に使いこなせているというのにだ。そこで、彼女はひとつの決心をした。
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絵描きと料理人 〜みどりのおまつり〜
- [ローカルニュース] 投稿日:10.26
「いやあ、最初はとても無理かと思ってたけど、まあなんとかなるもんだなあ!」
「ふうっ、一時はどうなるかと思ってたけど、実際に動いてみたらなんとかなるものねえ!」
ロベルト(Roberto)は緑の顔料を、セリナ(Celina)は香味野菜のソースを期待し眠りに落ちる。一方その頃……。
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絵描きと料理人 〜ふたつのみどり〜
- [ローカルニュース] 投稿日:10.19
「違う、やっぱり違う。この色じゃあないんだよなあ……」
「ううーん、これも違う! 果実の酸味が前に出すぎちゃってるなあ」
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スカリスの出現(Rise of the Scalis) - 2
- [ワールドニュース] 投稿日:10.15
「……マストだ」
その一言が心に届き、ぎくりとしたアブラム(Abram)は眠りから飛び起きた。老いた片目の船乗りは、その目に手をかざしつつ若い船乗りを見つめ、彼が今なんと言っていたのか思い出そうとした。
「マストだと?」アブラムの全身の血管をアドレナリンが駆け巡りだした。海上の屑拾いを生業とするこの二人がニュジェルム(Nujel'm)の港を出港したのは、およそ一週間も前のことだった。不釣り合いなボロ船の船上でブリタニアの海を漂流していても、この仕事をやめる気などちっとも起きることはなかった。唯一の生存者が数日前に死んだ漂流船、サイレイン号が最後に確認された座標。二人はそれを首尾よく入手していたのだ。ブリタニア海事法の下では、こういった漂流船を最初に発見し、権利請求を行えば、船倉の品々も一緒に手にすることができるのだ。
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スカリスの出現(Rise of the Scalis) - 1
- [ワールドニュース] 投稿日:10.13
ライキューム(Lycaeum archive)にて発見された、アカラベス(Akalabeth)の王に宛てた筆者不明の手紙より
推定年代: ブリタニア建国の30年前
恐れながら、我が偉大なる君主様へお知らせ申し上げます、
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冷雨
- [ワールドニュース] 投稿日:10.09
小雨の中、ドーン(Dawn)は、オルス(Ors)を探していた。
滞在している場所は知っていたのだが、農業に携わる者である彼が一日中そこにいることはないだろう。そう考えたドーンは、手紙の内容の記憶をたどり、気になる場所に立ち寄ってから滞在場所へ向かおうとしていた。
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暗雲
- [ワールドニュース] 投稿日:10.07
「あ、シェリー(Sherry the mouse)様。女王陛下はどこにいらっしゃるかご存知ではありませんか?」
「あら、知らないの? ちょっと前に城から飛び出していったわよ。例の帰省じゃないかしら?」
「ふむ……。それは困りました」
「なんなの? 教えてちょうだい」
「ユー裁判所から牢獄にかけての周辺で、例の選民(Chosen)とやらを目撃したという報告がここのところ増えているのです。何かが起こったというわけではないのですが、こう、嫌な予感がしますので、女王陛下にお伝えしておこうと」
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享楽と雨
- [ワールドニュース] 投稿日:10.02
アーチェリーの的がある中庭を、涼しい風が吹き抜けていた。女王とブリタニア王室家政長官は、たった今届いたばかりの愛慕の情がこめられた羊皮紙を広げるところだ。端の部分が破れないように気をつけながら、農具をかたどった封蝋をドーン(Dawn)は砕いた。
たれこめる雲に遮られ、太陽はぼんやりと輝いていた。手紙の内容と雨、双方への期待で彼女の心は高鳴った。
時間をかけて丁寧に書かれた夫の手書き文字を、ドーンは微笑みながら読み進めた。いつものように、彼の手紙は元気をくれる。ドーンは小さな荷物をまとめながら、共有農場への、日数こそ短いが喜ばしい帰省に思いを巡らせていた。
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