<プロフィール>テレンス・リー エグゼクティブコーディネーター。
傭兵を引退後プロボディーガードに転身。実戦経験から導き出された、独自の理論に基づく危機管理マニュアルを確立し、各方面で講演を行っている。
⇒プロフィール詳細は
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自分で殺害したプレイヤーに「こんな無防備で歩くな!!」と説教をするPKもいる。
ウルティマ オンライン(以下UO)にある世界の一つ、フェルッカというところでは、ロールプレイの発展形として、プレイヤーキャラクター同士での戦闘、またその結果としてゲーム内での殺人も許可されている(もちろん相応のペナルティやハンデが課される)。
フェルッカに踏み込む時点で覚悟しているとはいえ、そういった被害を受ける可能性のあるプレイヤーにとっては、やはり避けたいものではある。ではプレイヤー同士での戦闘を楽しみ、不用意な “殺人” 被害を受けないためには、どのような点に注意すればいいのだろう。
戦闘のプロ、テレンス・リー氏にUOでの実際の戦闘を見てもらい、自己防衛、危機管理論について語ってもらった。
UOでの戦いを見てご感想は?
こういうの、
現実にコロンビアで経験しましたよ
。PK(殺人者)
※注1
もPKK(賞金稼ぎ)
※注2
も両方いましたから。
この戦いは諜報戦に近いな。つまり心理戦の世界ですね。現実の戦いの8割は、実戦より心理戦が占める割合が大きい。素人でも戦術を身に付けたかったら、このゲームで学べますね。かけひきを覚えるのにいい。実社会でも書物から学ぶことがあるのと同じで、ゲームから学べる。
注1●PK/プレイヤーキラーのこと。他のプレイヤーを殺し、戦利品を略奪する。一般的には「悪」だが、中には英雄視されるPKも存在する。
注2●PKK/PKを倒すプレイヤーのこと。賞金稼ぎ。PKに対する復讐心からPKKとなるプレイヤーもいる。
かけひきを覚えるコツは?
今の若い人たちって、そういうかけひきをあまり知らずにきちゃってるでしょう。例えばゲームの世界で、裏切られてごっそり武器をもってかれちゃったってあったけど、これに似たようなことは現実でもよくある。
実際にビジネスの世界でも、仕事で自分はヒーヒー苦労したのに、評価だけは横取りされちゃったってケースもあるでしょ。
嫌なヤツを演じてみるって大事
なことじゃないですか。いい人ならよけいに必要。いい人こそ、エゲツない方法を覚えておいて損はない。それで本当に嫌なヤツになっちゃったら、それは人生考え直せばいいことで(笑)。
どうして騙されるのでしょう?
日本人は世界でも類例をみないほど性善説ですよ。
例えば
オレオレ詐欺なんて、アメリカでは考えられない
。同じ東アジアでも、中国や朝鮮半島の人はひっかからない。日本でいまだに被害者が何万人も出ているのは、性善説だからですよ。
アメリカには自動販売機なんてないからね。あってもバーの中。表にあんなものがあったら、現金自動引出機だと思われますよ。
今だって日本で犯罪がたくさん起きているのに、カバンを置いてトイレに行く人がいる。誰かが持っていこうとしたら、他の誰かが注意してくれるだろうと思ってるわけ。
騙されないためには?
オレは性悪説。全部疑ってかかる。あんまり疑っていると心がささくれ立って嫌なんですけど、疑うしかない――そういう時代になってきている。日本人のDNAの中にある考え方をチェンジしなきゃいけない。
ゲームの中で騙されない慎重な人は、実生活でも慎重でしょ。性格はそうそう変わらないと思う。
現実に騙されるヤツは、ゲームの中でもやっぱり騙される
。
このゲームで、騙されない方法を身に付けないと。
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Real
[現実では死んだら終わってしまいますがUOのPvPは死ぬことから多くを学びとります。...]
R2d2 [学ぶためにいちいち死ぬことはできませんからね〜...]
はじ王 [前知識がないので仕方ないのかもしれないが、共感しがたい自分の経験に...]
てれすけ [そうは言ってもねぇ・・・。今のUOじゃ、こういった「危険に対する...]
Nox [このページに書いてあるような、ある意味「紳士的」なPKは稀。大半...]
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はじうお[Niop Yes]
サンデージャポンでひっじょーーーーに危険です!!!!とか言っている、テレンス...
投稿:2006年3月9日
RPGで自己防衛術を学ぶ[ノキヒコ]
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投稿:2006年2月4日