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覚醒 - 第五章

投稿日:2012年6月12日

「今だ! 左側面より突撃! 接続部を狙え! 魔法使いはライトニングとエナジーボルトだ。だが騎士のサポートは怠るな!」デュプレ(Lord Dupre)のプレートヘルムの中からこの命令が発せられた瞬間、彼の騎士団の中核はエクソダスダンジョンに巣くう巨大な異形の生命体に群がった。魔法使いたちの絶え間ない治療支援を受け、今のところ騎士たちは前方に立ちふさがる敵からたいした脅威を受けていなかった。ヴァーローレグの残骸内でデュプレは騒音を耳にし、視線を走らせていた。これは彼にとって厄介なことだった。デュプレは街を奪還するための戦術を立てようとしていた。しかし、あの生命体どもは相当な力で抵抗し、ライトニングはある程度有効であるものの、その他にはほぼ弱点がないかのように思えた。騎士たちを観察していたデュプレは背後からの物音に気付き、振り向きざまに抜いたロングソードを突き刺した。剣は浮遊する厄介者の接続部に深々と刺さったが、プレートグローブをはめた手で剣の柄を思いっきり叩きつけ、さらに奥まで剣を打ち込んだ。キーッという金属音と共に、この生物の内部機構が自身をめちゃくちゃに破壊した。デュプレは剣を引き抜くと背を向けた。機械生命体は爆発し、細かな破片がデュプレの鎧に降り注いだ。剣を振ってこびりついた機械油をダンジョンの床に払い落とすと、ちょうど彼の騎士たちがもっと大きな生命体を倒したところだった。彼らは再びこのダンジョンから撤退した。

近くのジャングルからの熱気を断ち切るように優しい海風がそよぐこの街を、デュプレはずっと愛してきた。あの数年間の後でさえ、トリンシックは我が家のように感じられる……。しかし、砂岩の壁はかつてのような心地よさを与えてはくれなかった。フェルッカの建物の幾つかには、ジュオナール(Juo'nar)と堕落した騎士による都市攻撃に彼が対抗した戦いの傷が未だに残っているが、ここトランメルではその戦いの証はなかった。デュプレは決してこのことに慣れることはできそうにない。こういった小規模の戦いをした後はいつもそうするように、彼は武器工房に向かった……。あの金属モンスターどもと戦うと、必ず剣が破損してしまうのだ。そこからすぐにThe Keg and Anchorという酒場に向かい、いつものテーブルにつこうとしたが、彼のお気に入りの席には既に先客がいた。小声でぶつくさ言いながらテーブルをぐるりと回ったデュプレは、その男の向かい側に座り彼のシワシワの服や左手で何かを握りしめている様子を観察したが、その物体からは薄汚く光る金属球がぶら下がっていた。

ウェイトレスは飲み物の注文を取りに来なかった。デュプレはフェルッカの地からトランメルへの困難な移転以来の馴染み客であり、店員たちはすぐに彼の好みを覚えてしまったのである。強い熟成ハニーウイスキーを持ってきたウェイトレスは、グラスになみなみと注ぐとボトルをそのままテーブルに置いて立ち去っていった。デュプレはグラスを手にとったが、眠りこけていた向かいの男が明らかに酒を欲して右手を突きだしてきたので、はっとグラスを置いた。一瞬顔をしかめてからデュプレは首を振った。「物乞いはお断りだ。だが、いいネタでもあるんなら、分けてやってもいいぜ」

この言葉に男はもぞもぞと動き始め、テーブルから顔をあげて騎士を見つめると、デュプレに向かってひきつった笑みを浮かべて見せた。
「友よ、それじゃ、話してやろうかね。全ての事の始まりを。んだが、こう舌が乾いていちゃぁ話せねぇや。あっしのグラスに注いでくれたら、あんたの知らない話をするよ」

男の手に空のグラスが出現したのを、まるで魔法でも見るかのようにデュプレは見下ろした。そして、グラスの半分までこの高価な酒を注いだ。

「それじゃ話してもらおうか。そのウイスキーの価値に見合う話で頼む」

この粗野な風貌の男は酒の半分を一気に飲むと、ぶるっと身震いして身体を起こしながらふぅっと息を吐いた。男が身を乗り出すように前にかがんだとたん、騎士と道化師の間にまるで火花が走ったようだった。気付いたのだ。デュプレが浮かべた驚きの表情を見て道化師は笑い転げ、笑い声と共に彼の臭い息の匂いも漂ってきた。

「私が判らないんじゃないかと思ってましたよ、古ぼけたブリキ缶くん。でも、味覚に関してはあなたを批判できませんね。こんな風来坊から一番いい情報を引き出すには、どんなうまい話で釣ればよいのかよくご存じだ」そう言うと、彼はグラスをデュプレに向けて掲げてから残りを一気に飲み干した。「もちろん、あなたは私がおそらく死んでしまったと思っていたのでしょうね。それとも老いぼれ道化師のことなんて考えもしなかったかな? さて、それでは話してあげましょう。あなたも我々の街で起きたことを見てきたでしょうが……、テルマーはもっとひどい状況です。ヴァーローレグ(Ver Lor Reg)から逃れた難民は何かに感染しているようですね。難民たち自身は影響を受けていませんが、テルマーのガーゴイルは違う。彼らは隠そうとしてはいますが……、ザー(Zhah)は感染者を捨てられた漁村に隔離しています……。そしてあのヴァーローレグのガーゴイルたちは……、彼らの行方を知る者がいるはずです。私は知りませんがね。ともかくあの漁村は……、死と死にゆく者のものです」

この衝撃的で意外な事実の前にあんぐりと開いていた口を、デュプレは閉じた。道化師は空になったグラスを突き出してきて、デュプレがもう一杯注いでやるまでにやにやと意地の悪い笑みを浮かべていた。

「ご老体、あなたはいつでも立派なお方だ。さて、全ての事の始まりを話すと約束しましたっけね。何年も前、まだ我が主が我らと共にいた頃のことです。あの方は何かがイルシェナーで起きていることを探り出しました。それはエクソダス(Exodus)周辺に集中していました。あの方はこの敵に対して取れる手段をかき集めていましたが、当時は不穏な時であり、安易に誰でも味方に引き入れるのは得策ではないとお考えだったようです。私自身はあまり深くは知ることができませんでしたが、あの方はエクソダスに力を供給する機械を破壊しようとしていたのではないかと思います。その機械のことは、今ならあなたもよくご存じのはず」

デュプレはたちまち理解し、うなり声をあげた。「皆が収集と建造に走っているあのネクサス(The nexus)とかいう機械か」
道化師の笑いには楽しさも軽快さもなかった。「まったくとんだ冗談みたいじゃありませんか? 我々に運命をもたらしたのは、他ならぬ我々自身の手だなんてね」彼は話を中断すると、もう一杯飲み、肩をすくめて再び続けた。「あの方はなにか極めて重要だという巻物類の入手には成功しておられたが、何が書かれているのかは私は知りません。私はあの方が持っていた二枚の地図しか見ていないのです。一つはヴァーローレグを通じてエクソダスダンジョンに入る道が描かれていました……。この地図は暴動の夜に盗まれ、盗品売買屋によってかなり多くの複製が作られました。もう一つは……」

道化師は中断し、ゆっくりと酒をあおり、頭をおろして突っ伏した。最終的にデュプレがこの沈黙を破った。

「それで、もう一つは?」

老いた道化師は、かすんだ目で見上げた。

「もう一枚は、人として最後に赴いた地へと彼を導きました……。だが、あなたにはこれを言っておきましょう。我が主はいつも日誌をつけておられた。そこには誰も知らないことが記され、いつも携えておられた。その日誌を見つけることがあれば……、何が本当に起きているのかが判るかもしれません。そしてあなたほど聡明な騎士であれば、それがどこにあるかもお判りのはず」

デュプレの顔は決意でこわばった。

「エクソダスダンジョンか」

「おや、良かった。その両耳の間に入っているモノの使い方をまだ覚えていたんですね、ブリキ缶くん」

デュプレはため息をつきながら二つのグラスを再び満たした。「ヘクルス(Heckles)、この敵との戦いに必要な最初の物を教えてくれたようだな……。それに乾杯だ」

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