*バタンッ*

メグ：「ただいま〜！」


モーリス：「う〜む……」
メグ：「モーリスさん、どうかしたんですか？」
モーリス：「あ、メグさん。その、例の暴動について調べてまわっているのですが、興味深いものを発見したのです」
メグ：「興味深いもの？」
モーリス：「ええ、騒ぎの起きている街で見つけました。営業日誌です。持ち主の方は避難してしまったのか、放置されていました。その中に今回の暴動に関連する記述がありまして」
メグ：「中身、勝手に見ちゃったんですか？」
モーリス：「はい……。持ち主の方を探すにしても、中身を見ませんと誰が書いたのか分かりませんし。あとは、その、好奇心に負けたといいますか。あまり褒められた行為ではないとは思うのですが……」
メグ：「なるほど。それで、暴動に関しては何かわかったんですか？」
モーリス：「核心に迫るようなものは何も。ただ、身近で暴動を目の当たりにしている様が、よく伝わってくる内容でした。他のものと合わせて読むと実に興味深い」
メグ：「“他のもの”というと、何冊かあるんですか？」
モーリス：「私が見つけたのは、ブリテインの銀行、ジェロームの鍛冶屋、トリンシックのパン屋、スカラブレイの青果店、そしてニューマジンシアの宿屋です」
メグ：「ずいぶんありますね。どれも、持ち主の方は見つかってないんですか？」
モーリス：「はい。事件のことと並行して、持ち主についても聞き込みをしているのですが、今のところ収穫はありません」
メグ：「心配ですね〜」

*バタンッ*


サラ：「モーリス、やっぱりあったわ！」
モーリス：「やはり、ありましたか」
メグ：「サラさん、おかえりなさい〜」
サラ：「ベスパーとユーに一冊ずつ、ミノックには二冊あったわ」
メグ：「サラさんも、勝手に中身を見ちゃったんですか？」
サラ：「だって、中身を見ないと誰のものかわからないじゃない。街の人に聞いても持ち主の行方がわからないんだから、事件に巻き込まれてる可能性だってあるのよ。メグは、持ち主の人が心配じゃないの！？」
メグ：「い、いえ！　私も心配ですけど……知らない人に日記を見られたら恥ずかしいなぁ、と思っただけです」
モーリス：「メグさんは、そんなに恥ずかしい内容の日記を書いているのですか？」
メグ：「そういう意味じゃないんですけど……」
サラ：「とにかく、事件を調べるのと並行して、持ち主探しもやるわよ。メグにも名前を教えるから手伝って」
メグ：「わかりましたっ」



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