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大物への第五歩

投稿日:2011年9月21日

(Asuka, Wakoku, Hokuto, Izumo, Mizuho, Mugenシャードローカル)

アモス(Amos the fisher)は大物を求めていた。

獲物の生息地を突き止め、下調べを終えたアモスは、今まさに大物との対峙に向けた準備を進めているところであった。釣りに必要な道具はもちろん、今回は特別な巻物を用意していた。

結局のところ、あれこれと挑戦してはみたが、戦うための技術を身に付けることができなかったアモスは、いつも移動用の巻物を用意してもらっている魔術師に、戦いに役立つ巻物を注文していたのだ。その巻物はとても高価であるため、あまり気は進まなかったが、これ以上アライナ(Alaina the fisher)に先を越されるわけにはいかないと、地道に貯めたへそくりを全額はたいて購入することにしたのだった。

「よし、あとはこれをこうして……」
「ふっふっふ、ずいぶんと準備に時間がかかっているわね」

そろそろ準備が整おうというときに、見覚えのある女性が突然アモスの目の前に現れた。

「またお前か……。いい加減、他人の家に勝手にあがりこむのはやめてくれ」
「だって、あなたが準備を終えるのを待っていたんだけど、なかなか終わらないから」
「なんで、わざわざ俺の準備が終わるのを待つんだ? さっさと行けばいいだろ」
「そうはいかないわ。あなたが、あの場所の封印を解かなかったら、私は進入することができなかった。つまり、借りができたってわけ」
「だから、俺の準備が終わるまでは、獲物に手は出さないってわけか」
「ふっふっふ、そういうこと」

実際のところ、あの場所に施されていた封印を解いたのは、アモスではなく冒険者たちであったのだが、封印が解かれるまで中へ入らなかったアライナは、アモスが解除したのだと勘違いをしていた。

「まあ、準備はもうすぐ終わると思うが、今日は行かねえぞ」
「あら、そうなの。それじゃ、こうしない? 次にあの場所へ行く日を今決めておくの」
「なんでだよ」
「私はその決められた日までは絶対にあの場所へは行かないわ。約束する」
「そんなの分かるかよ。それに、俺が約束やぶって、先に行っちまうかもしれないぜ?」
「まあ、それならそれで構わないわ。それでも私は負けないから」
「けっ! 相変わらず気に入らねえ女だぜ。俺がそんな小さいことするかよ! いいぜ、あの場所へ行く日を今決めてやるよ」

アモスは、次に目的地へ向かう日を決め、それをアライナに伝えた。すると彼女は、自信に満ちた笑みを見せ、そのままどこかへ行ってしまった。

「あの場所へ行く前に、ブリテインへ寄ってみんなにも知らせないとだな……」

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