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ローカルニュース

大物への第四歩

投稿日:2011年9月14日

(Asuka, Wakoku, Hokuto, Izumo, Mizuho, Mugenシャードローカル)

アモス(Amos the fisher)は大物を求めていた。

一度ならず二度までも、狙った獲物をアライナ(Alaina the fisher)に仕留められてしまった彼は、どうにかして新たな大物を彼女より先に仕留めようと考えていた。

「あの女にバレないように行動しないとな」

アライナに動きを悟られることが怖いのか、アモスはいつものような船を出しての探索をやめ、図書館へ足を運び、書物をあさり始めた。そして、アモスが思っていた以上に海や漁に関係する書物は多く、彼は時間を忘れ読書に集中したのだった。



アモスが図書館にこもり読書の虫と化してから数日が経過した。これほど沢山の書物を、これほど短期間に読むなどということは、これまでに経験したことはなかったし、恐らく自分にそういった機会が訪れることはないだろうと、アモス自身は考えていた。しかし、日に日に強まってゆく“大物を仕留めたい”という思いに背中を押されたのか、彼はなんなく大量の書物を読破したのだった。

そして、ついに目的である“大物”に関すると思しき情報を発見した。

姿形についての具体的な記録はないが、書物に残された目撃情報によれば、巨大であることは間違いないようであった。さらに、その“大物”は書物に記されたある場所でのみ確認されており、どこにでもいる生物というわけではないようだった。

しかし、その“大物”が目撃されたという場所からは、多くの人や獣の亡骸が発見されているという。また、怪しい魔術師や悪魔の姿を見たという記録もあり、足を運ぶだけでも危険を伴うことは明白であった。

アモスは、まず目的地を事前に調べることにした。そこがどんな場所であるのか、目的の獲物以外にどんな生物がいるのか、それらが分かれば危険を回避することができるかもしれないと考えたのだ。それに、今の状態では何が必要なのかも分からず、準備のしようがなかった。

本を閉じ、席を立とうとしたアモスは、隣に見覚えのある女性が座っていることに気が付いた。

「なるほど、それが次の獲物ってわけね? ふっふっふ」
「なああっ!? お、お前……いつからそこに!?」

*しぃー!*

「図書館で大声出したらダメじゃない。とにかく、ここから出ましょ」

職員たちの刺すような視線を一身に受けながら、アモスとアライナは図書館を後にすると、表で話を続けた。

「……それで、いつからあそこにいたんだよ」
「そうね、あなたが最後に手にした本を読み始めたあたりからかしら」
「ちっ、じゃあ、俺の次の狙いが何なのかバレちまったってわけか」
「ふっふっふ、そういうこと。まあ、私もあの獲物のことを調べていて、それでここへ来たんだけど、まさかあなたがいるとはね」
「ふんっ、俺がいるなんて知らずに来たってわけか。怪しいもんだな」
「まあまあ、細かいことは気にしない。それより、現地を調べに行くんでしょ? 私も一緒に行くわ」
「一緒に? 冗談じゃねえぞ」
「今回は、場所も獲物もなかなか骨がありそうよ。準備はしっかりしたいじゃない? だから、ここは協力して調査しておいたほうがいいと思うの」
「そんなこといって、俺をダシにして獲物を仕留める気なんだろ? だまされねえぞ!」
「あら、私はそんな小物みたいな真似しないわ。調べがおわったら、しっかり準備して、それから正々堂々勝負よ」
「まだ勝負とかいってるのか」
「それに、もうあなたの狙いは私にバレちゃってるわけだし、事前調査くらいは協力しても損はないはずよ。危険な場所みたいだし、私の魔法が役に立つんじゃないかしらねえ」
「くっ、本当に調べるだけなんだろうな? 抜けがけするんじゃねえぞ」
「しつこいわね、わかってるわよ。それじゃ……」

結局、アライナに押し切られてしまったアモスは、次の獲物がいるといわれる場所を二人で調べることにした。

いまだに、大物を仕留めるだけの力を身に付けられずにいる彼は、一瞬ブリテインへ寄ることも考えたが、今回はアライナが一緒であること、そして何よりこれ以上冒険者に頼るわけにはいかないという思いから、そのまま現地へ向かうことにしたのだった。

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