アトランコ：「ほんと暑いわ〜、まったくどうなってんのかしら」

*ガチャリッ*　*バタンッ*

メグ：「なるほどっ、それは涼めそうですね！　もちろん、私もお供しますよ。見てるだけですけど」
モーリス：「では、今から向かいましょう。道具はもう用意してありますので」
メグ：「さすが、モーリスさんっ」
アトランコ：「ちょっとちょっと、あんたたち、アタシを置いてどこへ行こうっていうのかしら。こっちは暑さで倒れそうだってのに、まったく」
メグ：「あ、アトランコ先生。これからモーリスさんと、一緒に釣りへ出掛けようと思ってるんです。先生も一緒に行きます？」
アトランコ：「釣り〜？　この暑い中、外でじ〜っとしてるってわけ？　あんたたち頭おかしいんじゃないの？　アタシはまだ死にたくないわ」
モーリス：「いえ、行き先は誠実の神殿周辺なので、涼しいですよ」
メグ：「そうですよっ。アトランコ先生も、力尽きる前に一緒に行きましょうよっ」
アトランコ：「なによ、涼しい場所なら、早くそういいなさいよね。もちろん、アタシも行くわ！」
メグ：「それじゃ、出発！」



アトランコ：「ちょっと、モーリス。さっき、あんたなんていったのよ」
モーリス：「なんの話ですか？」
アトランコ：「あんた、“涼しい”っていってたじゃない。ここ、凄く寒いんだけど」
モーリス：「あ、ああ……たしかにちゃんと着込んで来ないと寒いかもしれませんね……」
メグ：「私は、中にいっぱい着込んでます！！」
アトランコ：「そういうことは、先にいいなさいよ。ま、暑いよりは全然マシだからいいわ。それより、モーリス。あんた、さっきから凄い勢いで釣ってるわね」


モーリス：「ええ、こうみえても釣りはそこそこ自信があるんです」
メグ：「その釣竿って、いいやつなんですか？」
モーリス：「いえ、どこにでも売っているごく普通の釣竿ですよ」
アトランコ：「へ〜、それでこれだけ釣れるなんて、大したもんねぇ」
モーリス：「やはり、釣りは道具ではなく、腕が大事ですから」
メグ：「なるほど〜。私も、なにかを作るときは“腕で勝負！”って思ってるから、その気持ちはよく分かりますっ」
アトランコ：「ところで、この釣った魚はどうするのかしら？」
モーリス：「それは、メグさんにここで調理していただいて、みんなで食べようかと」
アトランコ：「あら、それはナイスアイディアじゃな〜い。メグちゃん、頼んだわよ！」
メグ：「ええ？！　今、小さなナイフくらいしか持ってないから無理ですって〜」
アトランコ：「あ〜ら、道具に頼らず“腕で勝負！”なんていってたのは、どこの誰かしら〜？」
メグ：「うっ……」



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