シェリー(Sherry the Mouse)は大理石の棺が安置されたテーブルにゆっくりとよじ登った。その棺にはシェリーの最愛の友であるドーン(Dawn)の亡骸(なきがら)が納められている。両側に飾られた花々の中に埋もれるようにしてうずくまると、あふれてきた涙がゆるやかにほおヒゲにつたっていった。ドーンが死んでしまっただなんて、とても信じられなかった。バーチューベイン(Virtuebane)を倒せるかもしれない剣の計画について、こっそりとシェリーに打ち明けてくれたばかりだというのに。
長い夜のあいだずっと、シェリーはドーンの亡骸の傍らで付き添った。彼女を信じてくれた人から離れるなんて、悲しくてとてもできなかったのだ。これからの日々何が起こるのか、彼女には判らない。友であり女王である勇ましきドーン(Dawn the Valiant)の棺のそばで丸くなり、泣き疲れたシェリーは、やがて眠りについた。