マーク：「あれ〜？」




メグ：「どうしたんですか？」
マーク：「それが、このロッカーに入れていた慈悲のセージ（Compassion sage）が、一つなくなっているのです。まさか盗人が！？　このBNNステーションに盗みに入るとは……盗人許すまじ！！」 *わなわな*
メグ：「あっ、それならメソナさんが食べ物の材料として使いました」
マーク：「なんですって！！！」
メグ：「あれ……？　ダメ……でした？　自分らしさを表現するために必要だといっていたので、その……同じ物作りに情熱を傾ける人間として、つい」
マーク：「慈悲のセージを材料に……。その食べ物はまだあるのですか！！？」
メグ：「はい、まだ残ってると思いますけど？」
マーク：「そうですか。では、こうしてはいられません！　それで、どこにあるのですか！？」
メグ：「すぐそこの池のほとりに。あの……慈悲のセージのことは……」
マーク：「そんなことはどうでもいいのです！　ささ、メグさんも一緒に参りましょう」
メグ：「え？　あ、はい」 （慈悲のセージを勝手に使ったことは気にしてないみたいですね）




メグ：「これがメソナさんの用意した食べ物ですよ」
マーク：「なかなか奇抜な色をしてますな。いや〜、メグさんも人がわるい！　こんな魅力的な食べ物があるなら教えてくださればよかったのに」
メグ：「そういえば、いってなかったですね。でも、この見た目を魅力的と捉えるとは、さすがですね……まあ、たしかにおいしいんですけど」
マーク：「そうでしょう、そうでしょう。ワタクシの目に狂いはありませんから。それになんといっても、慈悲のセージを使った食べ物など初めてですから、ワタクシは胸の高鳴りを抑えきれません！」
メグ：「食べたあと、なんとなく慈悲の徳を得た気分になるんですよ。不思議と」
マーク： *パクッ* 「なんという新食感！　それにこの食べたあとの不思議な感覚はいったい」
メグ：「やっぱり慈悲のセージを使ってるからですかね〜」
マーク： 「う〜む、恐らくはそうでしょう。ところで、慈悲のセージを使うことが、メソナさんにとって自分らしさの表現になるというのは、どういうことなのでしょうか」
メグ：「思いやりのある方ですから、そういうことなんじゃないですかね。イベント振興協会に入られてから、冒険者の皆さんのために色々なさっていましたから」
マーク： 「なるほど。そういう自分自身を食べ物で表現したかったわけですね！」
メグ：「ちなみに、この飾り付けは私がやったんですよっ。なかなかの出来だと思うんですが、どうですか？」
マーク： *もぐもぐ* 「え？　なんですか？」
メグ：「いや、だから私がこの飾り付けをですね」
マーク： *もぐもぐもぐっ* 「うまい！　まさかここまでとは」
メグ：「あの、飾り付け……」
マーク：「あれ？　メグさんは食べないのですか？」
メグ：「……いりません」 *しょんぼり*



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