*ガチャ*　*バタンッ*




メソナ：「失礼いたします」
メグ：「あれ？　メソナさんじゃないですか。こんにちは〜、どうしたんですか？」
メソナ：「こんにちは。今日はとても月が綺麗なんですよ」
メグ：「ほんとですかっ。あ、ということは、イベント振興協会で例のものを用意するわけですね！」
メソナ：「ふふ、そうなんです。それで、今回は私が担当になりまして、これから準備に向かうところなんですよ」
メグ：「ふむふむ。それでBNNステーションへは、どのようなご用件で？」
メソナ：「その、メグさんはこれまでに色々と飾り付けなどをされているというお話を聞きましたので、よろしければご一緒いただいて、是非お手伝いいただけたらと思いまして」
メグ：「わぁ、いいんですかいいんですか！？　私は全然構いませんよ。むしろ、大歓迎です！」
メソナ：「ありがとうございます！　では、ブリテイン第二銀行近くの池で特に綺麗な月が見られますので、さっそくそこへ向かいましょう」
メグ：「は〜い！」




メグ：「ほんとだ〜、綺麗な月ですね〜」
メソナ：「この辺りに飾り付けと食べ物を用意しようと思っているんです」
メグ：「今回もマフィンを？」
メソナ：「いえ、毎回マフィンでは飽きてしまうだろうというお話がありましたので、今回は私が別のものをご用意しようと思っています」
メグ：「別のものですか？　よくフィニガン理事が納得しましたね……」
メソナ：「そこはアルフレッドさんが頑張ってくれたんです。ところでメグさん、慈悲のセージ（Compassion sage）をご存知ですか？」
メグ：「はい。タウンクライヤー協会でも報じてますし、一応は。そういえば、マークさんがいくつか手に入れたと言ってましたね」
メソナ：「本当ですか！　その、図々しいお願いなんですが、少しだけ分けていただけないでしょうか……？」
メグ：「いいですよ。マークさんには私から言っておきますね。でも、なにに使うんですか？」
メソナ：「徳之諸島では、この時季に月を眺めながら食べる物があるようで、私はそれを作ろうと考えています。ただ、普通に作るのではなく、私らしさを出したいなと考えたとき、慈悲のセージを思い付いたんです」
メグ：「なるほど。作品に自分らしさを出すというのはとても重要ですからね」 *うんうん*
メソナ：「メグさんなら、きっと分かっていただけると思っていました。いつも個性的な飾り付けをされるというお話でしたから」
メグ：「いや〜、それほどでもないんですけどね。じゃあ、私はここで飾り付けをしますから、メソナさんはBNNステーションで食べ物の準備をお願いします。慈悲のセージは一階のロッカーに入ってますから」
メソナ：「はい。ではメグさん、飾り付けのほうはお願いしますね」
メグ：「任せてください！　あ、メソナさんは好きな色ってありますか？」
メソナ：「う〜ん、そうですねえ。白とピンク、あとは……」
メグ：「ふむふむ。じゃあ、せっかくなのでメソナさんの好きな色を意識しつつ、徳之式の飾り付けにしてみますね！」
メソナ：「とっても楽しみです！　じゃあ、私はBNNステーションで準備をしてきますね」
メグ：「いってらっしゃ〜い」




メグ：「……ここにこれを置いてっと。よし、これで完成！」
メソナ：「メグさ〜ん、出来ましたよ〜」
メグ：「あ、メソナさん。私の方もちょうど今出来あがりました」
メソナ：「まあ！　とても素敵ですね！」
メグ：「よかったです〜。結構思い切った色使いにしてみたので、ちょっとだけ不安だったんですよ。だから、そう言ってもらえて嬉しいですっ」
メソナ：「それに、全体的に徳之諸島の飾り付けになっていますけど、ワンポイントでテルマーの置物があったりして独特の雰囲気が出てますね」
メグ：「あ、わかります？　そうなんですよ〜。あと、今回は月とメソナさんの作る食べ物が主役ですから、飾り付けについてはあまり主張しすぎないように意識してみました」
メソナ：「なるほど。そこまで考えてくれたんですね。今までに見たことのない、とても斬新で可愛らしい飾り付けだと思いますよ」
メグ： *えへへ* 「あ、食べ物はそこに置いてくださいね」
メソナ：「わかりました。それじゃあ……」
メグ：「え！？　これが？」
メソナ：「はい、おいしそうでしょう？　味の方もなかなかですよ。どうぞ召し上がってみてください」
メグ：「え、ええ……なんか毒々しい色ですけど、だ、大丈夫なんですか？」
メソナ：「それは慈悲のセージを加えたからで、毒ではないですから安心してください」 *smile*
メグ：「そ、そういうことなら。で、では……いただきます」 *パクッ*
メソナ：「いかがです？」
メグ：「あ、おいしい」
メソナ：「よかった〜。それじゃあ、冒険者の皆さまに食べていただくよう、もっとたくさん作ってきますね。メグさん、とっても素敵な飾り付けをありがとうございました」
メグ：「こちらこそ、ごちそうさまでしたっ。また手伝えることがあったら言ってくださいね！」
メソナ：「はい！　それでは食べ物の準備をしますので、これで失礼します」
メグ：「いってらっしゃ〜い」


メグ：「それにしても見た目とは裏腹に……っていうと失礼ですが、おいしかったな〜。もう一つ、いただいちゃおうかな……」 *もぐもぐ*


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