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ローカルニュース

星の中で

投稿日:2010年7月7日

その日、冒険者に応援を求めたあと、例によって腹ごなしを兼ねた休憩からアルタイル(Altail)が光の道に戻ってくると、膨大に存在していた料理の壁の向こう側へ続く道が出来ていた。

アルタイルは光の道を走り続け、扉を突破し、豚の丸焼きを目の前にして座って眠っているベルガの元へ駆けつける。

「ベルガ(Velga)!」
「うーん。甘くておいしそうな香りに誘われてここに来たのはいいんだけど、待ちくたびれてまた寝ちゃったみたい」
「キミが寝ているすきに本格的に塞いだってわけか……。流石義父さん」
「そうかもしれないわね。あの力はどこから出てくるのかいつも不思議よね」
「ああ。そうだね」
「じゃぁ、最後にこれをちゃんと食べてね。食べ物を残すことには父さんうるさいから」
「ええぇ。い、いや。ちゃんと食べるよ。おいしそうだなー」

二人は光の橋の上で語り続けた。

Altail and Velga

「そうだな。色合い、香り、味か。ひとつの食材でも色々できるんだな。安直に二つを組み合わせるのは浅はかだったかもしれない。それにしても、なんで義父さんの料理はいつも固形物なんだろう。これが“男の料理”なのかな?」
「さぁ? どうなのかしらね」

グレン(Glen)はそばの竹やぶに隠れつつ一部始終を見守っていた。

「ふむ。少しは賢くなったようだがまだまだだな……。戦う男に一番適した料理は、固形物と決まっておるのだ」


その後、何度目になるだろうか、グレンはアルタイルとベルガが付き合うのを認めることを伝えた。数年前は心なしかぎこちない感じだったのだが、経験を積んだせいか、表向きはとても自然な感じで振舞っていたのだった。

それから二人はどうなったか、って? もちろん、いまでも仲良くしています。

愛する人を護るため、『究極の小料理』実現のため、そして、強い意志を持つためにベルガの父親からさらにさらにしごかれる日々が続くことになりましたが……それはまた別のお話。

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