年月を重ねた城壁の隙間に潜り込むと、シェリー(Sherry the Mouse)のひげは期待に震えた。彼女はずいぶんと長い間、王の間の奇妙な背の低い壁の背後に何かがあると思っていた。だが、通り抜けられるほど基礎の石が緩んでいる場所を見つけることができたのは、最近になってのことだ。崩れた石を取り除く作業は、尻尾へのいくらかの苦痛を伴なう経験だったが、しばらくすると城の使用人たちも手を貸してくるようになった。作業の結果は新しいねずみの穴として結実した。シェリーは埃まみれになってしまったが、毛皮に破片が絡まっていても、発見への期待感を妨げるものでは決してなかった。間もなく、彼女はどんなネズミも行ったことがない場所へ行けるのだから!