女王は封をはずし、親書の中身を読み始める。そして、読み終わると同時に音を立てて息を吐いた。呼吸するのも忘れていたのだった。女王はこの溜息から自身の安堵を周りに知られないよう祈った。羊皮紙から目を上げると、抑制された微笑をもって、魔法大臣サーネム(Surnem, Minister of Magic)に話しかける。
「彼女の名はドーン(Dawn)と言う」女王は穏やかに言った。そして部屋を見回し、商務大臣ホンナー(Hon-Aur, Minister of Commerce)と、軍部大臣ウスカデシュ(Uskadesh, Minister of War)の反応を見る。