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投稿日:2009年9月25日

ザー女王(Queen Zhah)はロイヤルガードが持ってきた巻物を手に取った。女王はほんのわずかガードと目を合わせ、かすかに頷き静かに感謝の意を表す。すると、ガードは目を伏せ、丁寧にそしてゆっくりとお辞儀をし、静かに部屋を出た。

女王はメッセージの書かれた美しい羊皮紙を留めている封印に指を走らせる。彼女はこのような封印を、かつて書庫で見たことがある……この世界のものではなかった。評議会の者たちは親書の中身に興味を示しながら、女王の挙動に注目している。だが、誰が心配していただろうか?

女王は封をはずし、親書の中身を読み始める。そして、読み終わると同時に音を立てて息を吐いた。呼吸するのも忘れていたのだった。女王はこの溜息から自身の安堵を周りに知られないよう祈った。羊皮紙から目を上げると、抑制された微笑をもって、魔法大臣サーネム(Surnem, Minister of Magic)に話しかける。

「彼女の名はドーン(Dawn)と言う」女王は穏やかに言った。そして部屋を見回し、商務大臣ホンナー(Hon-Aur, Minister of Commerce)と、軍部大臣ウスカデシュ(Uskadesh, Minister of War)の反応を見る。

「ドーン?」サーネムは物珍しそうに繰り返す。「そうです。彼女は我々の……客人のリーダー。女王なのです」ザー女王は答える。「彼女は敬意を表し、我々の世界のリーダーと親睦を深めるための会談をしたいと言っている」

「彼女はここに来たいと?」ホンナーが尋ねる。「いいえ。これはアビス(Abyss)を越えた先にある彼女の城への招待状」ザー女王は言う。ウスカデシュは神経質そうに翼を伸ばし、彼の人生の中で最も大きい声で言った。「これは罠である!」だが、彼は女王のしかりつけるような眼差しに身を凍らせ、目を伏せる。彼は心の中で呟いた「抑えろ、馬鹿が、己を御するのだ!」

サーネムは危うくこぼれそうになる軽蔑の笑みをなんとか抑え、罰せられた軍部大臣から彼女の主、女王へと目を向けた。「良いことですわ、わが女王。 エルフと人間は我らがレルムにと立ち入り、今や虚無(Void)の怪物どもとの戦いに勝利する可能性も高まっています。難民の数は半減していますもの!」ホンナーがサーネムに歩み寄り、彼女への賛意を示す。「経済もテルマー全土で活発化しています。このホーリーシティですら交易と売上の増加が報告されているのです。民は再び希望を持ち始めております」

希望……女王ザーは、ホンナーの純粋な言い分に水を差すつもりはなかった。訪問者とその女王の知らせは、彼女の民に希望を与えているのだ。彼女が全てを捧げ、あらゆる手段で護ろうとしている彼女の民に……。

女王ザーは宮殿のテラスに足を向けた。評議会の面々は静かに彼女の後ろについてくる。テラスの下、人間、エルフとガーゴイルが声も高々と取引に精を出している。シティに久しく見られなかった麗しき活気。彼女は言う。「護衛を用意せい。朝には立つ。サーネム、神秘の術もて門を開く手を調べよ」彼女は再び振り向くと、足元に広がるシティを見回した。解散だ、評議会は声も無く離れていった。


「希望……か」彼女は一人呟く。

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