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クレイニンは目覚める

投稿日:2009年3月18日
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マロン(Maron)は座って指でマグの水をかき回していた。水。ぬれる。世界はその法則を変えたわけでもなく、隣のベッドで生にしがみつくそれが姿を変えたわけでもない。

先月は同じ本を四遍も読み直した。どうしても避けられない身体的欲求か、30時間の寝ずの番から開放されるまで、この硬くいやったらしい樫のスツールから離れることは許されなかったのだ。“見張り人”は30時間の番の後、8時間の睡眠が認められていた。マロンにとって、これほど退屈な30時間、そして安らかに眠れる8時間はかつて無かった。

「何が起ころうとも」、とカスカ(Casca)が命じたのだった。不機嫌を顔に纏い、彼は命じた。「何者にも警戒せよ。心構えをしておけ。シーツの交換は欠かすな」

マロンは不満たらたらにカスカの命を思い出す。昏睡状態の偉大なる魔法使いの看病以外に、いったい何を心配するというのだ。

さて、ジェッサ・ルイス(Jessa Leis)はとても優れたヒーラーである。彼女は三週前より看護団の一員となり、患者の心と体を癒す力を発揮してきた。彼女がピクニックバスケットのようなもの持って扉の前に現れた。彼女の厳しくもやさしいエルフの様相は、さもなければ平凡なその場に、すぐに調和をもたらした。マロンは彼女に会えて嬉しかった。

「早いね」彼は彼女の細身の体を部屋に招き入れて言った。いつもはその肩にかかる栗色の彼女の髪は優雅に編まれていた。髪の中には美しい黄金のひもが編みこまれ、カールされて額の後ろでまとめられていた。

「綺麗な髪だ」 彼は、これよりもいいほめ言葉が思いつかなかったので顔をしかめた。

彼女の唇から笑みがこぼれ、その端まで広がると彼女は「あらマロン、今日はもう二言しゃべったわ。うれしいことでもありました?」だが彼女は、部屋に入りつつも、注意深く眠れる魔法使いを観察している。「何かありまして?」

「いや、シーツの染み一つ無い」

「あら良かった。感謝しないと。あの、お昼によければ、と持ってきたんですけど……」

そしてその時、クレイニン(Clainin)が身じろぎしたので、二人はまるで暴れるモンバットを前にしたかのごとく大いに恐れおののいた。「徳の名にかけて」とジェッサはつぶやいた。

ジェッサは振り返り、バスケットを落とし、マロンの肩をしっかりつかんだ。彼女の笑みが膨らみ、マロンは「行きなさい……」という彼女の意思を……その目から感じた。その後彼女に揺さぶられながら、実際の命令が飛んできた。「早くヒザーウィクス様(Father Heatherwix)に患者が起きたって伝えなきゃ!」

全力で駆け出して廊下に飛び出したところでふと我に返ったマロンは、カスカの命を思い起こす。

「何者にも警戒せよ」

若いヒーラーが年長のヒーラーの任務を解くことはない。彼は一呼吸置くと、喉が締め付けられる感じがした。彼の目が再び部屋の薄暗い光に慣れていくにつれて、彼は待ち受けている場面の重大性を認識した。

ジェッサは片ひざをついていた。黄金のひもが魔法使いの喉にかかる。魔法使いの青白い肌に青紫色の静脈が浮かびあがり、死が迫っていく様が彼の目に映る。

ジェッサが背中を反らせ、繊細な指に絡めたひもに力をかける。

怒りと恐れに満ちたマロンの叫びが、普段は墳墓のように静かなホール一帯に響き渡る。

「ガード!……ガードっ!

混乱の中、考えるまもなくマロンはスツールの足を握りしめ、ジェッサのこめかみを力いっぱいに殴った。彼女は心の底から満足したような「もう遅い!」の一声をあげようとしたが実際には言葉にならず、うめき声と共にクレイニンの上に倒れた。

エルフを床にひきずると、マロンはすぐに患者の救護に取り掛かる。

ありがたいことに、がらがらと嫌な音を立てて、クレイニンは息を吹き返した。彼はクレイニンの喉から異物を取り除きながら、他に外傷が無いか更に調べる。

目は片時も離さない。だがブーツの音が近づいてくるのが分かる。剣を引き抜く音も聞こえた。

彼の言葉は静かで痛烈、剣呑だった。「連れて行け」ジェッサを示すと、「収容しろ。カスカにも伝えよ。喜ぶだろう。彼が正しかったと知ればな」


伝令の鷹がその報せをもたらす。伝令はカスカの小部屋の窓辺にある止まり木にたたずみ、眼下の庭園を見回している。

カスカの口は厳しく引き締まり、報せを手に握り締める。彼の部下達は彼の顔が見る見る渋面に変わるのを見る。「クレイニンが目覚めた。急ぎ、彼をまもれ。ブリタニアの未来に危機が訪れた」

カスカの難儀は増すばかりだ。そして今や、レースが始まったのだった。
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