陽光降り注ぐトリンシック マーケットプレイス。
そこには『The Oak Throne』の職人たちの姿がありました。
今は休憩時間。連日響く作業の音も今は束の間の休息を取っています。
時刻は正午を過ぎ、日差しが最も強い時間帯。

「コニー(Connie)、今の完成度、お前は何割くらいと見る？」
私が日陰で休んでいたところ、ゴーディ(Gordy)親方から訊ねられました。
「そうですね……全体の二割……といったところでしょうか」
作業の進み具合は工期設定とも概ね合致。ただ、遅れ気味ではありますが……。

「あいつに資材の発注をさせてみたが……まさかこれ程ミスしやがるとはな」
親方が渋い顔をなされました。
「そういや、あいつの姿が見えないな……。また酒場にいってやがるな」
親方は日陰を出て酒場の方に向かわれました。
「彼が叱られるのはこれで何度目でしょうか……」
ポツリと呟く私。






「よし！　そろそろ始めるぞ」

戻ってこられた親方の声が響きました。
いけないいけない。気持ちを切り替えねば。深呼吸。
エリックは親方に耳をつねられています。あの状態でここまで連れ戻されたのでしょうか。
そんな彼を見ると……憎みきれず、つい笑ってしまうのでした。