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慟哭

投稿日:2007年12月28日

「いやああああああああああ!!!」
「ヴェク殿!!!ヴェク殿!!!!!」
「目を開けてください、ヴェク殿!!!!」


サベージの族長 ヴェク殿

お前がここまで卑怯者だとは思わなかった。
私が手助けしたにもかかわらず、ブリタニアの民を滅ぼすどころか我々に仇成すとはさすが野蛮人といったところか。
だがもうよい。
私の怒りをお前の一族に向ける事にしよう。
卑怯者の一族には卑怯な手を使うことを惜しまない。

しかし、お前一人が私の決闘を受けるというのならば、私の怒りをお前だけに向けてやろう。
いわば、お前の死をもって全てを償えという事だ。
万が一私に勝つことができたあかつきには、お前の好きにするがよい。

よいな。一人で来るのだ。 ブリタニアの執政に一言でも話したのならば、
お前の一族を根絶やしにしてくれる。

偉大なる皇帝ゴルモアの将軍、オズボーン

手紙を届けた衛兵が部屋から去った。

「……!」
ヴェク(Vek the Chief of Savage)は頭に血が上るのがわかった。酒のせいではない。

「ヴェク殿、どうなさいました?顔が真っ赤ですよ」
と、心配そうにエレイン(Elaine Bayfery the Royal Advisor)がヴェクの顔を覗き込む。

「いや、なんでもない。ちと飲みすぎたかな。ははは」
「そうですか。ではもうお休みになられますか?」
「うむ、そうさせていただけますかな。ちと評議会やらなんやらで疲れました」
「それもそうですね。どうぞゆっくりお休みください」

ヴェクが扉を閉めかけようとしていたとき、エレインが声をかけた。
「ヴェク殿!」
「ん、なんですかな?」

「いえ……その。お話の続きを楽しみにしておりますね。わ、私も興味があるのです!ヴェク殿のおっしゃる『裸足と靴を履 いて歩く事による成長と発達の違いについて』という事に」

「では続きをお話できる事を祈るとしましょう。おやすみなさい、エレイン殿」

そう言うとヴェクは静かにドアを閉め、その場を立ち去った。


(どうしたのかしら……、なぜ祈る必要が?)
エレインは、一瞬ためらった……がレンジャーギルドへのルーンを取り出し、リコールの呪文を唱えた。




「ヴェク殿、ヴェク殿!!!!」
「な……ならぬ、エレイン殿、手出しは……む、無用にねが……いますぞ……」

レンジャーの報告を受け、急遽エレイン達が向かった先ではヴェクとオズボーン(Osbourne the General)の戦いが繰り広げられていた。
そして今、ヴェクはオズボーンの発生させたエナジーフィールドによって動きを封じられた。

「随分と高潔なことですね。ですが残念です」
「サベージの族長ヴェク、お前の高潔さは私によって死と共に踏みにじられるのですから!」

*Kal Vas Flam*

次の瞬間、ヴェクの体が火柱に包まれた。
焼けただれていくヴェクの顔は笑みを浮かべ、エレインを見つめていた。

「あと……を……たの……」

炎が跡形もなく消えると、そこにはかつてヴェクだったものがぶすぶすと煙をだして横たわっていた。

「フン。他愛もない。所詮は蛮族か」
オズボーンはそういうと靴先でその焼け焦げた肉塊を蹴った。
ごろんと転がり、ヴェクのボーンハーベスターがカチャンと音を立てて床に転がった。

その音が聞こえた瞬間、エレインはもう、何も考えられなくなっていた。

「ゆ……ゆるしません……、オズボーン、オズボーーン!!」
「私と戦いなさい!!!お前だけは、お前だけは!許せません!!!!」

「おや、ブリテインの執政殿が熱くなって我を忘れていらっしゃるようだ」
「いいでしょう。ならば、死をもってその体ごと冷やして差し上げましょう。冒険者もろとも、ここで死ぬがいい!」


それから何をしていたか、どう戦っていたか、エレインは何も覚えていなかった。
気がついたら目の前にのオズボーンの死体が転がっていた。
魔法を受けたのだろう、肩がずきずきと痛む。

「ヴェク殿!」
はっ、と周囲を見回すとエレインはヴェクの死体に駆け寄った。

「いやああああああああああ!!!」
「ヴェク殿!!!ヴェク殿!!!!!」
「目を開けてください、ヴェク殿!!!!」

(どうして……どうしてこんなことに……)
(私のせいだわ、あの時無理にでも引き止めていれば……話を聞いておけば……)

『いやなに、そろそろ集落が恋しくなったものでな』
『これ以後は不可侵。お会いする事もありますまい。エレイン殿の息災を遠くから祈っておりますぞ』

エレインは全てを悔やんでいた。
もう、何もかもわからなくなっていた。
(なぜ私にこんな……、みんなまで危険な目にあわせて……)

「隊長、大丈夫か?」
「エレイン様、お怪我は?」
声をかける冒険者はそれぞれに傷を負い、血を流している者もいた。

『これはサベージ族の命運がかかった決闘ですぞ、手出しは無用に願う!』
『こやつは私が必ずしとめて見せよう!』

(私はヴェク殿を見殺しにしたんだわ……そうよ、見殺しだったわ……)


「わた……私は……もう……これ以上……」
「こんな悲しい事が……起こるのなら……」
エレインは、声にならない声で、誰に話しかけるともなく話し始めた。

「隊長?なにを言い始めてんだよ」
「エレイン様、本当にご無事なのですか?」

「私はもう、自信がないのです!!ヴェク殿を見殺しにし、みんなを危険に晒して……」
「陛下は……私にこんな事をお望みなのかさえ、もう、もう、わからないのです!!!」
エレインは、涙を止められなかった。

叫びにも似た声をあげて涙を流すエレインに近寄ってきたのは、冒険者達だった。

「……おいおい、隊長がそんなことでどうすんだ」
「エレイン様、彼もそれは覚悟の上だったと思います」
「まだ敵討ちは終わってない、そうではないのですか?」
「あきらめるのは武勇の徳に反するんじゃないのか?」

「でも……私は……わたしは……」

「俺達はあんたを信じてここにいるんだぜ 」
「戦で人が死にゃ誰だって悲しいに決まってる。だが、戦わずに締めりゃ、もっと人が死ぬかもしれねえ」
「大体、ヤツら、話し合いでカタがつくようなタマじゃねぇだろう」
「ヴェクはあきらめる事を望んでいない 」

「ヴェク殿……」

「そうですよ。ヴェク殿の最期の言葉覚えてます?」
「彼は我々にあとを頼む、と言ったのではありませんでしたか?」
「まぁ、エレインさんが降りても俺らは降りんよ」

「み……みんな……」

「彼の為にも終わらせねばなりますまい」
「止めるのと、終らせるのとは違うよ。こんなこと、終らせなきゃいけないんだよ」
「頼まれたからには、負けられないよな?」

「私は……みんなと一緒に歩いていけるの……?」

「歩いてるじゃない、今!」
「俺達ついていくぜ!」
「エレインさんはひとりじゃないよ!」
「王様だって、民の協力を得て乗り越えてたはず」
「あんたがエレイン・ベイフェリーとしての誇りを捨てないならな 」

「誇り……そう、そうなのね」

立ち上がったエレインの顔には、涙は流れていなかった。

「みんな、ありがとう……私、やります!この、諸悪の根源を必ず倒すと……誓います!!」

「よく言った!それでこそエレイン殿!」
「隊長、かっこいいぞ!」
「全部片付けようぜ。綺麗さっぱり! 」


エレインはヴェクの遺体を担ぎ上げると、冒険者の声を背中に受けてサベージの集落へと向かっていった。
(ヴェク殿、見ていてください。貴方のようにまっすぐで、強い気持ちを持つことが出来るよう)
(そして、いつか本当の平和が訪れる日を)


『エレイン殿、あの者たちがいればこの国は未来永劫、安泰ですなぁ』
『あの者たち?』
『冒険者の方々ですよ。彼らの強さと心意気は我々サベージ族に勝るとも劣りませんぞ!』


−エレインの眼差しは再び輝き始めていた。
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