その日、降り止まぬ雨の中、大女将(Kiku the Grand Okami)の葬儀が執り行われた。
私が最近ひいきにしている宿みやびの大女将が遺体で発見されるという痛ましい事件から数日。
未だガード詰所から遺体は戻されないままな為、遺体不在の葬儀が執り行われることとなったのだ。
夜明け前から降り出した雨は一向に止む気配を見せない。
特に憔悴の色が濃いのが女将(Ruri the Okami)だった。
どうやら寝込んでいるらしく、宿の仕事に起き上がることもできないようだ。
その間宿を切り盛りしていたのは若女将(Aya the Young Okami)だ。
若女将もショックが大きいであろうに、気丈に振舞う姿が痛ましい。
大女将の遺体の第一発見者となった番頭のハチベイ(Hachibei the Manager)。
特に事情聴取が多いのか、それとも宿の仕事が忙しいのか、彼の姿をあまり見ることはできなかった。
個人的願望としては、身内の犯行というのはあってほしくは無いものだ。