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ワールドニュース

魔法使いの弟子

投稿日:2007年1月13日

「ウェクストン!」

クロノスは大声を出したが、大きな部品箱に頭を突っ込んでいたせいで、その声は遮られてしまった。

「はい、先生?」

「ウェクストン!」

ウェクストンは、目をぱちぱちさせながら近くに寄って応えた。

「はい、先生。何かおっしゃいましたか?」

ぶつぶつとつぶやきながら、部品箱の中からクロノスが頭を出した。

「ああ、そこにいたのか。完成させるために、いくつかの部品が必要なんだ」

クロノスはローブのポケットをごそごそと探り、取り出したしわくちゃの羊皮紙に何かを書き込むと、それをウェクストンに手渡した。

「ここに書いてあるものを集めてくれ。頼めるね? 急いでくれよ。もう少しで終わりそうなんだ!」

ウェクストンは、クロノスから手渡されたリストに目を通して愕然とした。(うわあ。これを取るためには、あれを殺して……で、これはあそこでしか手に……)

「ちょっと待ってください! どうやってこんなものを手に入れろと? 私の仕事は調査することであって、魔法の鎧と輝く剣を身につけた冒険者じゃないん……」

ウェクストンの声は、消え入りそうなほど小さくなっていた。

「ふむ。冒険が必要っていうことは、誰か手伝ってくれる人が見つかるかもしれないな」

ウェクストンはエプロンについた埃を払い落とし、ヒゲに手をやり胸を張った。ウェクストンが扉の外に出ようとしたとき、またしてもクロノスが頭を出した。

「ウェクストン! どこにいくんだ? まだ食事の時間じゃないぞ」

ウェクストンは混乱して振り返り、羊皮紙を頭の上にかざして言った。

「部品を手に入れに行くんですよ、先生! 覚えてらっしゃらないんですか?」

クロノスは顔をしかめてウェクストンを見ると、もやを払うように頭を振って言った。

「あ、ああ。その通りだ。急いでくれ」

今度はウェクストンが顔をしかめる番だった。ブラックロックは周囲に奇妙な影響を及ぼすらしい。自分の師が純粋科学にだけ興味を持っているように見えるのは、よいことだ。ウェクストンは外に出て、明るく輝く太陽をちらりと見た。そして冒険者を探すためにライキュームへと向かった。

Wexton


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