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魔法使いの群像

投稿日:2006年11月23日


地元の魔法使いたちの集会所となっているムーングロウの Encyclopedia Magika に、いつもと違う夜が訪れていた。かなりの人数が、おかしないでたちをした魔法使いと、彼の弟子を取り囲んでいた。実際、その魔法使いは他の魔法使いと比べて奇妙な身なりをしていた。ローブはおろか魔法使いの証である帽子すら被っておらず、代わりにズボンに半袖のシャツを着ていたのだ。
弟子は魔法使いたちの視線に対して、彼らの実験室の中ではこの格好のほうが適していると説明していた。ローブでは、すぐに火が燃え移ってしまうらしい。

「みんな! 静かにしてくれ!」

魔法使いのクロノス(Kronos)は、座る場所や見物にちょうどいい位置を示しながら群衆に言った。彼の弟子のデクスター(Dexter)は、これから群集と話し合うべき対象の“物”が置かれるテーブルを寄せ集めていた。
ここに到着するやいなや、師匠はすぐにその物体をくるんでしまったので、デクスターは肝心の“物”が何であるかをまだ知らなかった。もっとも彼の心配事といえば、師匠がその物体をくるむのに使ったのがギルドの絹製のタペストリーだった気がするということだけだったが……。

「ああ、お戻りになられたのですね!」

元気な声が、がやがやとうるさい中から聞こえた。デクスターは若く可愛らしい女性のほうを向くと、ローブを引きずりながらまっすぐテーブルへ進んだ。

「メリッサ(Melissa)! 来てくれないのかと……」
「おおっ! メリッサ!」

師匠がいきなり割り込んできた。自分の身なりのことなど、すっかり忘れてしまっているに違いない。

「あ、あの、何をしようとしてらっしゃ……」

クロノスの格好を見てためらいがちに言うメリッサの頬に、クロノスは口付けをした。

「ほら! 見てごらん、見てごらん! 私が持ってきたのは……っと、失礼!」

クロノスは思い出したかのように、群集に向かって声を上げ始めた。

「みんな、聞いてくれ!」
「まず、皆さんがこのすばらしい時に集まってくださったことに、お礼を申し上げたい。私がここで発表することは、皆さんをほんの少し驚かせることになるだろう」

群集はしんと静まり返り、デクスターは助手らしく師匠に近づいた。

「本題に移る前に、この物体がどこから来たのか、皆さんも興味がおると思う。陳腐な話かもしれないが、必ずや楽しんでいただけるはずだ。ぜひ耳を傾けていただきたい!」
「ある採掘師がロストランドの奥へ向かった。そうとも、オフィディアンの一件があったというのに、なんと無謀な冒険であることか。だが、誰がしがない労働者の考えなど理解できよう?」

デクスターは、魔法使いではない人たちに対して、ほんの少し顔をしかめた。

「ともあれ、どうやら彼は地中に隠された“何か”を発見したようなのだ。いや、あえて言うならば地中の鉱床において、大変貴重かつ地質学的にも興味深い標本を発見したというべきだろう。偶然この宝物が見つかったと言うことが、この話の全てとお思いかな? いやいや、その地域は非常に汚らわしい魔物どもが守っていたらしく、彼はそれがどれほど奇妙な物体であったか、識別することができなかったようだ! だがしかし、彼はその物体の一部を手に入れることに成功した!」

「そして何が起こったか! その採掘師が獣や怪物の群れに出くわすたびに、理由も無く襲い掛かってくるではないか! 採掘師はしばし応戦した後、パプアへとたどりつくことができた。彼は自分が掘りだしたものが呪われているに違いないと思い、宝石屋にそれを売り、早々に町を引き上げた。我が友たちよ! それが今日私がここに持ってきた、神秘に満ちた物体なのである!」

クロノスはデクスターを向き、冗談めかした声で言った。

「ご注意あれ、一見の価値ありですぞ!」

群集はクロノスの話に興味を持った様子だった。クロノスはテーブルに近寄ると、覆いの端をしっかりとつかんだ。

「親愛なる我が友よ、ご覧あれ!」

その声と共にひらりと絹の覆いを引くと、中に隠れていた“物”がその姿をあらわした。


「わぁ!」
「……。」
「なんと!」
「一体……?」
「それは……?」

群集から聞こえてきた息を飲む音とざわつきは、クロノスが想像していたほどではなかったようだ。テーブルの上に置かれていたのは、黒曜石よりももっと黒い石の塊だった。その黒さは光を吸い込むかのようで、まったくといっていいほど光を反射せず、ぽっかりと空間に黒い闇が口を開けたようでもあった。
デクスターも、うまく表現することができなかった。岩の縁がぼやけているように見える。

「先生、これは一体なんですか?」

デクスターは目を見開きながら聞いた。

「ブラックロックだ、デクスター。ブラックロックだよ。これまでに私が見た中で、一番大きなものだ」

若き弟子は、信じられないと言うようにクロノスを見上げた。

「先生、信じられません! でも、八徳に賭けて、こんな大きさだなんて!」
「そうだ! 私自身も信じ難いが、実際ここにある」

いまや人々はテーブルの周りに集まり、動揺の色を隠せないでいた。高位の魔法使いから錬金術師まで、その場にいる全員が岩の縁をもっとよく見ようと試みていた。何人かが岩を突っついてみたり、数人がこっそりまじないを唱えたりしていた。

デクスターはクロノスの腕をつかみ、石を指差して言った。その声は低かったが、感情的だった。

「気は確かですか? 先生、よくお聞きください! ブラックロックが何度となく実験で爆発したことをお忘れですか!?」

クロノスはぼんやりと答えた。

「ああ、毎回、実験のたびにな……ああ」

メリッサがテーブルの後ろに歩み寄ったので、クロノスは彼女の気を引こうとしたのだ。
デクスターはそのことに気がつかない様子で聞いた。

「実験で使用したブラックロックの大きさはどのくらいでした?」
「小石か、もう少し大きい程度だろうな」

クロノスは後についてくるデクスターに腕をつかまれながらも、メリッサの傍へ擦り寄っていった。
メリッサがクロノスに気がつき、彼に賛辞を述べようとする前に、デクスターが質問を挟み込んだ。

「先生、この岩……いまぼくは“岩”と言ったんですよ。もしこの岩が爆発したら、どれくらいの威力がありますか?」
「いま算盤を持っていないが、おそらく街の一画を丸ごとか、あるいは……」

その答を聞くや否や、突然水を打ったように部屋の中が静まり返った。クロノスは人々の脅えきった顔を覗き込みながら言った。

「何だね? 誰もそんな馬鹿な真似をしないさ。そうだろう?」

a large piece of blackrock

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