こんにちは。こちらはBNNステーション、キャスターのサラ・マクラッケンです。
本日は『ブリタニア☆ウォッチ』特別編として、まもなく行われるブリテイン市長選挙に立候補した3名の皆さんにお越しいただきました。各候補がどのようなお考えでいるのか、またどのような公約を掲げているのか、お話をうかがいます。


サラ：本日は選挙活動でお忙しい中、ご出席いただきましてありがとうございました。

フィニガン：エ〜〜クセレントォォォ！　ときにお嬢さん、マフィンはお好きですかな？

シルヴィア：はじめまして。お招きいただきまして光栄に存じます。　*微笑*

タロン：前置きなど無用だ。さっそく本題に入ってもらおう。


サラ：は、はい。そうですね、では順にお聞かせください。まず前市長のフィニガン候補、ご公約の「安定感のある市政」というのは具体的にはどういうことでしょう？

フィニガン：うむ。ひとことでいえば、いままでどお〜り、ということですな。そりゃまあ些細な不満はあるかもしれんが、どうです見てごらんなさい、ブリテインは結構いい街でしょう？　世の中には「変わらぬよさ」というものもあるんですよ。ほっほっほ！

サラ：なるほど。とはいっても、市民の多くは変化を求めているように見えますよね？

フィニガン：変化！　変化！　しかし、悪いほうに変わるということもあるでしょう。ときには、取り返しがつかない場合だってある。その点、私なら安心して市政をお任せいただけるはずですよ！

サラ：「経験こそがフィニガン候補の武器である」ということですね。わかりました。最期に、有権者の皆さんにひとことお願いします。

フィニガン：巷で囁かれている悪い噂は、すべて根も葉もない大嘘ですぞ。……ま、たしかに一部の業者に便宜を図ったことはあったし、予算の大部分を私のマフィン代に流用した。しかし、私ほどブリテインとマフィンを愛する者は他におりますまい。このフィニガンに、清き一票を！

サラ：噂は事実であるような気がしてきましたが、とにかく、ありがとうございました。


サラ：次に、シルヴィア候補にお話をうかがいます。候補はブリテイン旧家のご出身だそうで。

シルヴィア：はい。でもワタクシが貴族で富豪であることなど、取るに足らないことですわ。だって、貴族も平民も、みな同じ人間ですもの。ねえ？　オホホホホ。

サラ：はあ……。ところで、どうして立候補を決意なさったんです？　ご裕福なようですし、無理に働かなくてもいいんじゃないか、という気もするんですけど。

シルヴィア：自己実現？　かしら。ワタクシなりに社会に貢献したいと思ってますの。幼少の時分、父に連れられて歩いたブリテインは、いまよりもずっと活気ある街でした。しかし、いまはどうでしょう？　フィニガンさんが市長に就任なさってからというもの、なんでもかんでもマフィンが最優先。　*ため息*

フィニガン：なんですと！　いったい、マフィン優先のどこが悪いと！？

シルヴィア：興奮なさらずに。血圧によろしくありませんわよ。　*微笑*　故事に曰く、人はマフィンのみに生きるにあらず。マフィンを食べているうちはよろしくても、逆に食べられてしまったらそこでおしまい。違いまして？　と・に・か・く、ブリテインを王都にふさわしい街に戻したいと考え、立候補いたしました。

フィニガン：ぬう……。

サラ：まあまあ、抑えて。では、ご公約について簡潔に教えてください。

シルヴィア：ブリテインをもっと明るい街に。まず、市内各所に街灯を。目立つ場所に赤い絨毯を敷いて、高貴な街であることをアピールします。市長であるワタクシの銅像も必要ですわね。ええ、実はもう、黄金製のものを発注済ですの。代金は心配なさらないで。ワタクシのポケットマネーですから。あとは、そう……くつろげる場所や花壇も必要ですわね。

サラ：銅像はどうかと思いますが、とりあえず「いろいろ飾る」ということですね。ありがとうございました。


サラ：お待たせしました。最期に、タロン候補にうかがいます。候補は、どのようなご公約を？

タロン：ああ、まずはみんなが交流できる場所が必要だな。人が集まる第一銀行前に、公園と施設を整備したい。もっと気軽に集まって、ふれあえる場所にしなければいけないと思うんだ。……そうだな、鍛冶や採掘がしやすいように炉などを置いて、生産者と直接交流できるようにしたい。

サラ：候補は生産者組合からの立候補ということでしたが？

タロン：そうだ。仲間が立候補したらどうだと言ってきてな。俺は生まれも育ちもブリテインだから、街のみんなのためになるならと思って立候補したわけだ。これ以上、生産者にとって苦しい街にはしたくないからな。市民のことを考えもしないで赤い絨毯を敷くとか言ってる奴の気がしれん。

シルヴィア：まっ、それはワタクシのことですの！？　無礼な！　ブリテインは偉大なる王都ですのよ。道端に炉など置かれたら、街の威厳がなくなってしまいますわ。

タロン：ふん、街の雰囲気なんてものはな、市長ひとりの力でどうこうなるもんじゃないんだよ。市民すべてが交流しあって、そこから成長していくもんだ。お前さんも、ロングソードの1本でも売ってみたらどうだ？　いかにみんなで協力しあってやっていかなきゃいけないか、わかるだろうよ。

サラ：な、なるほど。候補は生産者にとって優しい街づくりをしたい、こういうことですね？

タロン：そうだな。生産者だけでなく、市民全体が一緒になれるような街にしたい。俺の考えだけでなく街の人たちの思いを取り入れた街づくりをしたいと思う。

サラ：市民の声に耳を傾ける、ということですね。ありがとうございました。


というわけで、本日はブリテイン市長選挙に立候補した3名の候補者にお話をお聞きしました。皆さん、どのようにお考えでしょうか？　投票はまもなく始まる予定です。
では、またお目にかかりましょう。ごきげんよう！