まもなく投票が行われるブリテインの市長選挙に、3名の候補者が届出を済ませた。候補者は届け出順に、前市長のフィニガン候補、シルヴィア候補、タロン候補。

前市長のフィニガン候補は市議会への不信任案の提出がきっかけとなって退任する事態となったものの、依然として小麦関連業界や菓子職人ギルドから高い支持率を保っており、今回の選挙でも本命と目されている候補だ。
しかし、意欲に欠けた市政と長期政権による停滞を嫌う市民も少なくなく、「私は好きだけど、そろそろ交代してもいいよね」「市長を退いて、一市民としてマフィン道を究めてみてはどうか」といった声も聞こえる。マフィン愛好者らの組織票をどれだけ固めることができるかが、勝敗のカギとなりそうだ。

シルヴィア候補は市議会議員を務めた父を持つ、ブリテイン旧家の出身。貴族階級からの支持が高く、いわゆる“反フィニガン派”の旗印となっている人物だ。若さと美貌を武器に、じりじりと支援者の数を増やしている。
その一方で、貴族にありがちな勘違いとズレた経済感覚を不安に感じている人も多く、どれだけ現実味のあるビジョンを示せるかが当選の決め手となるだろう。「市の予算が足りない？　でしたら、私のお小遣いを寄付しますわ」「銀行前に赤い絨毯を敷き詰めます」といった大胆な発言も波紋を呼んでいる。ちなみにシルヴィア候補の月々の小遣いは、相当な額だという。

タロン候補は、鍛冶・採掘・細工・伐採などで生計を立ててきた職人中の職人。祖父の代から3代続く生粋の“ブリテインっ子”で、4人の息子を持つ肝っ玉父さんだ。いかつい顔つきだが情に厚く、涙もろいことでも知られている。好物は、直火で豪快に焼き上げた豚の丸焼き。これまで政治とは無縁の生活を送ってきたが、今回生産者組合から押される形で立候補を決意した。
氏の責任感の強さは誰もが認めるところで、「市政を任せるに足る、信頼できる親方」「貴族や商人が忘れた熱いハートを持つ男」と市民からの評判も上々。ただし頑固で融通がきかない一面もあり、「いい人だけど、政治家には向かないかも……」という指摘もある。

3名の候補はそれぞれ選挙活動の準備中で、近く街頭演説や公開討論なども予定されている。


■フィニガン候補（Finnigan The Former Mayor）
　「エーーーーークセレントォォォォ！」

　年齢/性別：未公開/男性
　公約：継続して安定感のある市政を
　好きな食べ物：マフィン
　趣味：新種マフィンの考案


■シルヴィア候補（Lady Silvia The Noble）
　「ブリテインに王都の輝きを再び！」

　年齢/性別：ヒミツ/女性
　公約：市内各所に街灯、彫像、赤絨毯、花壇を設置
　好きな食べ物：フランスパンとフィッシュステーキ
　趣味：乗馬とケーキ作り


■タロン候補（Talon The Craftworker）
　「人情あふれるあったかいまちブリテインに」

　年齢/性別：49歳/男性
　公約：皆が交流できるように公園、設備を整備
　好きな食べ物：豚の丸焼き
　趣味：Oreを精製すること、釣り