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閉ざされた扉の向こうに

投稿日:2006年8月18日

Clainin, the Royal Thaumaturgist of Britannia

Reg Volomに向かってから、はや数週間が過ぎた。
イヌ殿は無事だろうか? ……いや、無事であると信じたい。彼女はたしかに“変わり者”だが、しかし悪い人ではない。むしろ、子供のように無垢な心の持ち主だ。イヌ殿が何を伝えようとしているのか、なぜ連れ去られたのかを、友人として、また評議会の一員として確かめる責任が私にはある。
我が師ニスタルが収集した文献を調べたところ、例の小部屋にあった扉は、やはり魔法によって封印されているようだ。この世界がまだ混沌の渦の中にあった時代に悪魔族が使ったとされる、ある種の古代魔法らしい。封印を解くためのマントラをいくつか見つけることができたので、これを試してみよう。

「タウンクライヤーに伝えてくれないか。これからイヌ殿を探しにいく。腕に覚えがある冒険者は至急王座の間に集まってほしい、とね」


私が王座の間に入ると、そこにはすでに多くの冒険者たちが集まっていた。彼らもまたイヌ殿の消息が気になり、この日を待ち望んでいたに違いない。


「よく集まってくれたね。感謝するよ。長い間待たせてしまって、本当に申し訳なかったね」
「それよりクレイニン殿、あの扉を開ける方法がわかったんですか?」
「うん。文献を調べてみたところ、古い魔法の一種であるらしいということがわかったんだ」
「やはり魔法か。どうりで歯が立たねえわけだ……。それで、開けられそうですかい?」
「封印を解くためのマントラをいくつか見つけたよ。効くかどうかはわからないけど、でも、試してみる価値はありそうだ。あれからだいぶ経ってしまったから、イヌ殿を助けるのは難しいかもしれないけど……それでも、私と一緒に来てくれるかい?」
「もちろんです!」
「乗りかかった船だしな。こうなったらとことんお供しますぜ、宮廷魔術師殿!」
「ありがとう。助かるよ。さっそくゲートで向かおう。みんな城の外へ」

こうして私は再び、冒険者たちを引き連れて、封印された扉がある謎の小部屋へ向かうことになった。


イルシェナーの荒野を抜けて、Reg Volomに着いた。とくに変化は認められない。

「ここだ。みんな、移動するための呪文は覚えているかい?」
「あ〜、すまねえ。忘れちまった……」
znfgrebcragurargbbeだよ。これを唱えれば、例の小部屋に飛ばされるはずさ。よし、行こう!」

呪文を唱えて飛ばされた先の小部屋も以前のままだ。

「さて。封印を解くためのマントラを試してみよう。うまくいくといいんだけど……」
「頼みますよ、宮廷魔術師殿〜!」
An Ort Ex Ort Por!!

*カシンッ*
カギが外れる音が小部屋に響く。

「おっ!?」
「開いた?」
「みたいだね。なるほど、やはり魔法だったのか」
「さすがだねえ、宮廷魔術師殿! 見直したっ!」
「しかし、こんな古い魔法を使うなんて……ユリゴールという男は、いったい何者なんだろう?」
「ヘン! ただのいけすかない野郎ですよ、クレイニンさん」
「いやな予感がするな。みんな、油断しないでくれよ!」


閉ざされていた扉の向こうにあったのは、意外にも、豪奢な屋敷だった。ここがどこなのかはわからないが、トランメルやフェルッカの大地ではないことは間違いない。

「なんだ、ここは? 妙なところに家なんか建てやがって!」
「よくわからない場所だね。ますますいやな予感がしてきた。みんな、慎重に頼むよ」
「とにかく屋敷に入ってみましょう。当たって砕けろですぜ、宮廷魔術師殿!」

血の気の多い冒険者たちに引きずられるようにして屋敷の中に入ると、そこは高価な家具や装飾品が並ぶ見事な部屋だった。しかし、趣味の悪さも漂う。
そして広間の奥には、一人の男が悠然と椅子に腰掛けている。赤いマントを羽織った貴族風のいでたちだが、目がガラス玉のように虚ろで、どこを見ているのかわからない。


「ようこそいらっしゃいました、クレイニン殿」
「む? 貴方は一体?」
「おわかりでございましょう、私がユリゴールですよ」
「ならば話は早い。イヌ殿を解放していただきましょう」
「それはできませんな。まだまだ聞かなければいけないことがたくさんありますから。それにしても、彼女は口が堅い。何も話さないのですよ。ブリテインではあれほどおしゃべりだったのにも関わらず、ね」
「貴方、まさかイヌ殿を!?」
「心配には及びません。まだ生きておりますよ。私が知りたいことをすべて話すまでは……。ただ、少し弱っているかもしれませんな。毒が入っていると言って、ほとんど食事を召し上がらないのです」

こういうと、ユリゴールは虚ろな目つきのままで「ふう」とため息をついた。

「イヌ殿を解放していただきましょうか」
「ですから、申したでしょう? できない、と。それに、先ほど牢に錠を下ろしてしまいましたからね。ほら、これがその鍵ですよ。それはともかく、宮廷魔術師である貴方がイヌ殿を説得し、私に協力してくれると助かるのですが……いかがです?」
「なにをバカなことを。協力などできるわけがないでしょう!」
「そうですか。では、仕方ありませんな。やれやれ、これだから下等生物の相手はいやなんですよ。そこにいる冒険者とやら共々、ひねりつぶして差し上げましょう。この私の美しい本当の姿を、冥土の土産にするがいい!!」

こう言い放つとユリゴールはゆらりと椅子から立ち上がり、大きく息を吸い込んだ。そして、なんと、バルロンへ姿を変えたではないか!


「なんてこった、奴はバルロンだったのか!」
「どうりでおかしな魔法を使うわけだよ……って、オイオイ、逃げ場がねえぞ!」
「ダメだ、やられちまうよ、クレイニンさんっ!」
「みんな落ち着いてくれ、ここは力を合わせて戦おう!」

屋敷は凄惨な戦いの場と化した。本来の姿に戻ったユリゴールは次々と魔法を繰り出しなから、その鋭い爪で冒険者たちを引き裂いた。大理石の床は赤く染まり、酸っぱい臭いが辺りに立ち込める。軍馬の嘶きと、スワンプドラゴンの咆哮。私はかつて、これほどまでに凄惨な戦いを見たことがない。

どれほどの時が過ぎただろう。冒険者たちの絶え間ない攻撃に晒されて、ユリゴール……いやバルロンの体力が徐々に減り始めた。

「よし、いけるぞ! ヘヘ、悪魔野郎も不死身じゃないってわけだ!」
「攻撃の手を緩めるな! このまま一気に削れ!」

冒険者ひとりひとりの力は、悪魔族であるバルロンには遠く及ばない。ユリゴールが言うように、たしかに、我々はちっぽけな存在だ。しかしその意思が共通の目標に向いたとき、人は大きな力を発揮する。ユリゴールは、たぶん、それがわかっていなかったのだろう。冒険者たちから思わぬ反撃を受けて、ついにバルロンは「どう」と音を立てて倒れた。


「ふぅ〜、死ぬかと思った」
「なにか隠しているとは思ってたけど、まさかバルロンだったとはね。そうだ、鍵を探さないと……」
*ゴソゴソ*
「あった、これだ!」

バルロンの死体から鍵を手に入れた私は、イヌ殿が幽閉されている牢の扉を開けた。はたして、イヌ殿はご無事だろうか。それとも……。

「遅いんだよ! まったく、どれだけ待たせれば気が済むんだい!」
「え?」
「こんなところへ何週間も閉じ込められる身にもなってごらん! どこで油を売ってたんだい?」
「あ、ええと、扉が、その……開かなくて……」
「ゴタクなんて聞きたくもないよ。フン、とっととここから出るためのゲートをお出しっ!」

イヌ殿はご無事なようだ。というか、以前よりもずっと元気に見える。もちろん喜ぶべきことなのだが、なんだか拍子抜けした気分だ。私の心配はいったい……。

「さしもの宮廷魔術師殿も、イヌ婆さんにあっちゃカタなしだねえ」
「悪魔だって、てこずるわけだぜ!」

冒険者たちの間に笑いが広がる。そう、イヌ殿が無事ならそれでいい。考えてみれば、私自身が望んでいたもっともよい結末じゃないか。

「よし、こんなところに長居は無用だ。ブリテインまでのゲートを開くよ」
「いいから、さっさとおし! 私はお腹がすいてるんだよ!」
「はいはい」

こうして私と冒険者たち、そしてイヌ殿はブリテインへと戻った。


城内の王座の間に戻った私は、イヌ殿にいくつか話を聞くことにした。立場上事態を把握する責任があるし、第一、イヌ殿はとても元気に見える。

「お疲れのところ恐縮ですが、少しお話を。ユリゴールはなぜイヌ殿を連れ去ったんですか?」
「シッ! 静かにおし! 見えないじゃないか!」
「見えない? まさかイヌ殿、目が?」
「予言さ。ああ、見える! 王国って文字が見えるよ。あんたたちの言葉ではKingdomだね……。そして、ああ、聞こえる! 甦りの声が聞こえる! Rebornと叫んでいるよ!」
kingdomreborn?」
「意味なんて、あたしにはわからないね。そうだ、もうひとつ関係のありそうな予言を聞かせてやるよ」

イヌ殿は瞼を閉じると、静かな声で祈るようにこう続けた。

この欠片が永遠であると思うことなかれ
うたかたの夢は、やがて次なる世界へ続く
しかし、心して聞くがいい
きまぐれな予言に惑わされるな
サーペンツホールドの沖に、ブリテインの先に、
イルシェナーの果てに、マラスの星の向こうに、
トクノに住む我もまだ見ぬ世界がある

「これがこのお婆からの予言じゃ。……あたしゃ疲れたよ。そろそろ禅都に帰ろうかね」
*ふら*
「そんな足取りではとてもムリですぞ。どうぞこちらへ。ゆっくりお休みください! それからでも禅都に帰ることはできますぞ!」


気丈に見えても、やはり相当お疲れだっだようだ。ベッドに倒れたまま、イヌ殿はぐっすりと休んでおられる。それにしても、わからない。イヌ殿の予言は、たしかこうだった。

の欠片が永遠であると思うことなかれ
たかたの夢は、やがて次なる世界へ続く
かし、心して聞くがいい
まぐれな予言に惑わされるな
ーペンツホールドの沖に、ブリテインの先に、
ルシェナーの果てに、マラスの星の向こうに、
クノに住む我もまだ見ぬ世界がある

そして、kingdomrebornという謎の言葉。この中に、ブリタニアの将来を指し示す重大なヒントが隠されているに違いないのだが……それが何なのか見当もつかない。
今日は疲れた。そろそろ休まないと。頭を横にすれば、また違うものが見えてくるかもしれない。


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