こんにちはー！　メグ・ハマー（Meg Hummer）です！

今年ブリタニアはひどい寒波に見舞われましたが、ふと気がつけば朝晩の寒さもだいぶ和らいできましたね。ブリテインの街角に積もっていた雪も、少しずつ融けはじめたみたいです。
ところで皆さんは、桃霞節って知ってます？　ええっ、知らない？　毎年この時期に行われる、徳之諸島の伝統行事ですよ。 それじゃ、手元にある本を読んでみましょう。実はさっき図書館から借りてきました。ええと……

桃霞節【とうかせつ】
徳之諸島に伝わる伝統行事のひとつ。毎年雪解けと共に行われ、長い歴史がある。徳之諸島を救った英雄「トクノモトヒコ」と、その妻「モモハナヒメ」の伝説が起源であるという。
その昔、巨大な海龍が徳之諸島周辺の海を荒らし回り、津波が島を襲った。島民すべてが生きる希望を失う中、トクノモトヒコは海龍を退治するためにただ一人小舟に乗って川を下る。そのとき、川岸から色艶やかな桃色の着物の袖を振って見送ったのがモモハナヒメだった。モモハナヒメは桃色の着物と桃の実をトクノモトヒコに手渡し、海龍との戦いの前に必ずこの着物を纏い、実を食すように話す。
言われたとおりにすると、着物は不思議な力でトクノモトヒコを守り、桃の実は力の源となった。厳しい戦いの末に海龍を倒したトクノモトヒコは、重傷を負いながらも島へ戻り、モモハナヒメは七日七晩眠らずに看病した。奇跡的に回復したトクノモトヒコはモモハナヒメと結ばれ、救国の英雄としていまも語り継がれている。
以来、徳之諸島の人々は寒さが緩むこの時期になると桃色の着物を纏い、互いに袖を振って島の安泰を祈るようになった。またトクノモトヒコとモモハナヒメを模った人形と白・桃色・緑色の燭台を壇に飾り、供物を添えて永遠の愛を願うという。
なお桃霞節の間、徳之諸島の奥地に「桃の泉」が沸くとする文献もあるが、その真偽は定かではない。
→【関連】トクノモトヒコ、モモハナヒメ、桃の泉、段飾り
『徳之諸島〜知られざる伝統と文化〜』(G.K.Maxwell著/ブリタニア書房刊)

ということだそうですが、なんともロマンチックな話じゃないですか。
みんなでピンク色の着物を着るっていうのも素敵ですけど、壇飾りも気になりますよね。この本には写真が載っていないので詳しいことはわかりませんが、聞くところによると、男女の人形を並べるそうですよ。私も手元にある人形を使って、段飾りを作ってみました！


どうです、なかなかいい出来でしょう！　3色の燭台もあります。……ただ、どんな人形なのかよくわからなかったので適当に置いちゃいましたけど、これじゃおかしいですか？
そうだ、せっかくですし、皆さんが作った段飾りの写真も大募集〜！　メグのブリタニア☆ウォッチでどんどん公開しちゃいますよ。たくさんの投稿、お待ちしています！


なお徳之諸島の都、禅都では、桃霞節の開催に合わせて着物の染め替えサービスを始めたとのこと。染料が入った桶に浸けるだけで、どんな服でも綺麗なピンク色に染めることができるんだとか。しかも無料！　皆さんもピンク色の着物を着て禅都の街を散策してみませんか？　興味がある方は、禅都中央にある広場までどうぞ。私も禅都に出かけて、オシャレに着流してみるつもりです！

以上、BNNステーションからレポーターのメグ・ハマーがお届けしましたっ！