Rourke, Town Cryer Guildmaster
全日本シャード
数日前、ブリタニアの王ロード・ブリティッシュ（Lord British）はロイヤルガード指揮官エレイン・ベイフェリー（Elaine Bayfery）を呼び、ある事を命じた。それは上級魔導士グラシナム（Grathinam the high wizard）と会い、彼がこれまで保管してきた集められし不滅の宝珠の欠片を預かってくることにであった。そしてそれが再び王の手に戻るまで守らなければならなかった。

不滅の宝珠のかけらのそれぞれには、我々の住むソーサリアのほとんど複製とも言える世界が内包されている。異世界からの冒険者が魔法使いモンデイン（Mondain）を倒して不滅の宝珠が砕けた時、それは数百、いや数千のかけらとなって飛び散った。ロード・ブリティッシュは今、彼だけが知るある崇高な目的のためにそれらを集めようとしているのである。

エレインは、指示されたとおりにロイヤルガードと市民から募った協力者をライキュームへと導いて行った。そこでは今日までに高潔なブリタニアの人々により集められた宝珠のかけらをグラシナムが厳重に保管していると聞いていた。エレインの開いたゲートを一行がくぐると、そこではグラシナムがライキューム周囲に結界を張り外部からの進入に備えて、ロイヤルガード達の到着を待っていた。手短な話し合いの後、魔道師はエレインに宝珠の欠片の入った袋を手渡した。

何事も無く欠片を受け取った一行はブリテインの王の所に戻る準備をしていたが、突然その場に現れた奇妙なゲートに妨害されてしまった。そしてミナックス（Minax）のオーラが、「ロード・ブリティッシュよ、おのれの計画の結末を見るがよい！」と声高に叫びながら進み出て来た。

そして、そのミナックスのオーラは突然得物を振り上げグラシナムに打ちつけると、哀れその魔道師はちぢに吹き飛んでしまった。しかしミナックスがエレインに攻撃を仕掛けようと振り向いたその瞬間更に二人の間に割って入るように青く光るムーンゲートが開いた。そこから姿を現したのは我らが王ロード・ブリティッシュその人であり、エレインを庇うようにミナックスの前に立ちはだかった。

そして、ロード・ブリティッシュはミナックスのオーラの手から真っ赤に焼けたアーティファクト「Doom Kiss」を器用に奪ってしまった。−後に王が説明したところによると、ミナックスは彼女自身の得たその欠片の埋められた武器を所持する事で、彼女のオーラをフェルッカから別ファセットへ飛ばす事が出来たのである−その欠片との繋がりから開放されたオーラは急激に弱まっていった。それでもなお暗黒の女王は邪悪なゲートから呼び寄せた二人の手下と共にロード・ブリティッシュに向かっていった。王とそのガード、そして冒険者達のミナックスとの壮絶な戦いの幕がここに切って落とされた。



戦いは熾烈を極めた。死より蘇りしミナックスの手下は周囲から生気を吸い取り、人も含めその場にいた生物はその恐怖に逃げ惑った。もう一方の手下は大地を震わしながら冒険者達に襲い掛かった。そしてミナックス自身弱まったとは言え、近づく冒険者をその強大な魔力により一撃のもとに葬り去っていった。
しかし多くの犠牲を伴なったがロード・ブリティッシュその人自身、エレイン指揮官、そしてブリタニアを愛する多くの人々は、ついにミナックスのオーラを打ち破ることに成功した。すると彼女の邪悪な軍団は彼女の後を追って倒れて行ったのである。

エレインはロード・ブリティッシュと共にロイヤルガードをキャッスル・ブリタニアへと向かわせた。王は、ミナックスの討伐に対して共に戦った冒険者達個人個人に感謝の意を表した。
しかしながら王の額にはまだ重い影が見られるようだったので、エレインは部下たちに、これから数日は不意の攻撃に備えて警戒を解かぬよう命じた。