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Washington, D.C. or Bust!
By Wilki, Ultima Online Community Representative |
シアトルでの睡眠不足の経験を踏まえて、今回のワシントンD.C.への旅は時間にゆとりを持たせようということになった。僕は、解決するのに必要な時間にぴったり相当する量の厄介ごとに巻き込まれる才能があると分かって嬉しかったものだ。さぁ、Wilki は今回どんなことをやらかすかな ?
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ラッキーなことに今回は空港への道を塞ぐような消防車はいなかった。だけど販促品のバッグの中身をチェックしながら搭乗手続きをしているとき、UOML (邦題:ウルティマ オンライン 宝珠の守人、以下「宝珠の守人」) のプレゼンテーションに使うバックアップ用のノートPCをリビングの床の上に置き忘れたことに気がついたんだ。「嘘だぁ!」と叫んだ次の瞬間顔が真っ赤になり、ワシントンD.C.で繰り広げられるであろうLady Lu とBinky のじわじわと責めよる拷問の光景が頭の中を駆けめぐった。飛行機の座席に着くなり必死の思いで、次の朝にはホテルに届くよう手配の電話をかけまくった。
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無事に手配が済み、僕はシートに深く腰掛けてD.C.へのフライトを楽しもうとした。だが残念ながら身長6.4フィート (およそ195cm) の僕にとってD.C.へのフライトが「楽しむ」という言葉と結びつきようがない。最も基本的なレベルの快適さとは最後列の座席に乗客を押し込めることに値する、そのような酷い事をどこの専門家が考え出したのかは知らないが、僕は彼らに対して非常に言いたいことがある。いや、ここで繰り返すのはやめよう。僕らが機上でどんな会話を交わしていたのか想像してみてくれたまえ。
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ワシントンD.C.に着いたあと僕らはバッグをかき集めて、翌日タウンホールミーティングが開かれるホテルへと向かった。ホテルはとてもすばらしく、イベントに使うカンファレンスルームの周辺を時間をかけて歩き回ってみた。まず最初に注意を引かれたのは、不思議と見覚えのあるランプが部屋のいくつかの角に置かれていることだった。何故か分からないけど気になって仕方が無かった。とその時、突然きづいた。そうか、ラベルが空中に浮かんでいるからだ。
謎は解けた。リードデザイナーのMaria “Cerdith" Hamilton、ライブチームリードのPeter "Fertbert" Phillips、プロデューサーのJessica “Lady Lu" Lewis、プロダクトマネージャーのAaron “Darkscribe" Cohen、リードGMのMike "Hugo" Green、そしてJohn “Wilki" Wilkinson とChris “Binky" Launius のコミュニティチームは夕食に出かけ、それぞれの夜を過ごしに散開していった。僕はといえば、自分の部屋でしばらくくつろいでいたが、あっさり眠りに落ちてしまった。
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ホテルのフロントからの電話で自分宛に荷物が届いていることを知らされ、朝早くからパキッと目覚めた。そして、ようやく手元にノートPCが届きほっとした。ふうー。
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午後3時までの時間はあっという間に過ぎて、チームはその夜開かれる大規模な「宝珠の守人」のアナウンスイベントのセッティングを始めるために会場に集まった。この時すでにホテルのスタッフにより椅子は整列されていた。たくさんの空席の列の前に立った時、ここが人々で埋め尽くされたらと想像してひるんでしまったのは秘密だ。幸いなことに、今回のプレゼンテーションでは一言たりとも喋る必要がないのだ ! ちょうどその時にいったい何がBinky の頭を駆け巡っていたのか想像もつかないよ。
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会場にケーブルをひき、照明設備の操作方法を覚え、プレゼンテーションの練習を何度も行った。一通り準備も整ったところで、今晩のイベントに備えて何か口にしながら休憩をとることにした。UOラジオのArcus とLucid は部屋の一角でセッティングに忙ししていたが、実は二人は隠そうとしていたもののスクリーンに映し出されるプレゼンテーションが気になって仕方ない様子だった。いや、それは冗談で実のところ二人はあえて隠そうとはしていなかったんだ。だからって責める人は誰もいないよね。彼ら二人は、その夜のイベントで発表される数々の新しいゲームフィーチャーを誰よりも早く見れたんだから。
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ドアを開けて外に出るとすでに、ちょっとした集団ほどのウルティマ オンライン (以下、UO) プレイヤーたちがホテルのロビーをうろうろしていた。中にはコスプレしてる人もいたよ。この時点でイベント開始まで3時間ほどあったので、これはもう史上最大かつ最高のUOタウンホールミーティングになる予感がしたよ。
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気分は最高だ !
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イベントの一時間前、外に受付を設置し参加者を会場へ入れる準備をした。プレイヤーのみんなに写真公開了承の署名をもらい、マスターRSVPリストに加えるために名前を聞く。それから、みんなにボタンとイベントで開催するくじ引きのチケットを渡す、という手順になる。間もなく僕の横に溢れてくるほどの人の列ができ、目の前は会場のドアが開かれるのを待つプレイヤーの一群で埋め尽くされた。GM Hugo が受付を手伝ってくれたので手続きはとてもスムーズにいき、プレイヤーたちが待ちくたびれている様子はなかった。しだいに通路が混み始め、至るところで議論の花が咲いていた。僕の耳にはPvPについての話題や、今夜の発表内容の憶測とか彼らのギルドの最新情報などが聞こえてきていた。
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この時点でオリジンミュージアムの館長Joe Garrity はオリジンに関連するアーティファクト (ノベルティーグッズ) を見事に展示していた。いや、Doomから盗ってくるアーティファクトじゃなくて実物のね。その中には、「それは仕様です」と書かれたカードのついたGMの赤ローブとか、David "Iolo" Watson お手製のIolo's crossbow。秘薬の展示物や、新品のままのオリジナルのウルティマの箱など、その他にもたくさんの一級品が展示されていた。古くからウルティマとオリジンのファンである僕は、Joe に会えたばかりでなく、彼が持って来てくれた物を一つ一つ見せてもらうチャンスに恵まれて大感激だった。
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時間間際で駆け込む参加者の受付が済んだ頃、プレゼンテーションは幕を開ける。イベントのオープニングに備えてステージ裏のドアへと急いだ。部屋の奥にいくつか足元照明が小さく光っているほかは、ほとんど真っ暗でまだぼんやりとしか見えない。目の前の暗闇から興奮を増して湧き上がる声が聞こえてくる。モンデインの弟子がソーサリアの歴史に続く章 - 「宝珠の守人」について語っているところのようだ。
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この力強い声の魔法使いは誰だ ? もちろんスタッフは皆、フード付きローブの中はBinky であるのを知っていたけど、それでもBinky はモンデインの弟子の役をとてもうまくこなしていた。会場の雰囲気がほぐれたところで、UOワシントンD.C.タウンホールミーティングの熱心な観衆にLady Luは歓迎の言葉を送った。オープニングの挨拶に続き「宝珠の守人」の追加要素の要約を終えて、Lady Lu は話の流れをプレゼンテーションの進行役を勤めるCerdith に移した。
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Ferbert がデモンストレーションを操作し、Cerdith は火を噴く機関銃のように「宝珠の守人」の新しいフィーチャーについて説明を始めた。「宝珠の守人」で追加されるのは、新しいルニック・キット、新しいクエストエンジン、アーティファクト級の生産アイテム、クラフトレシピスクロール、フェルッカの市外に出没するチャンピオンスタイルのモンスター、プレイ可能なエルフ、アーマーセット、タリスマン、ハウスストレージの拡張、集団魔法、エルフの樹の街、どちらのファセットからも進入可能な9つのダンジョン及びアドベンチャーエリア、ボスとの比類なき戦闘、オウムやフェレット、すごいスペシャルムーブを備えたエルフ製の武器、おしゃれなエルフ製の服や防具、水槽、改良AIを備える頭のいいモンスター、お使いクエスト、自然をテーマとしたハウスカスタマイズ用パーツ、エルフ製の家具や装飾品、プレイヤーの支援で建設される動物園、エスコートクエスト、ユニークに誘惑するサチュロスとドリュアス、エルフ殺しと耳狩り、いままで通り悪者のミナックス(Minax)、アイテム集めのクエスト、美術館、エルフと人間それぞれの種族アビリティ、ミノタウロスとヒドラ、プレイヤーが関わることのできる図書館、討伐クエスト、コミュニティコレクションに対する報酬、矢筒、コンテナラベル、ヒール効果のある唾を吐くジャイアントドッグ、繰り返し受けることができるクエスト ! あぁ、時間が足りない。
わぉ、なんてすごいオープニングだ ! Cerdith は、いま挙げた一連の新しいフィーチャーを全て息継ぎなしで言えるように、密かに潜水トレーニングに通っているという噂を聞いたことがある。いくらなんでもそれは大げさだと思うけど、真相は本人のみぞ知る。
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Cerdith の説明によると、エルフはかなり長い間ハートウッドに幽閉されていたが、いま外界との連絡が再開されたらしい。つづいて彼女は、エルフのペーパードール画や服飾品、武器をお披露目しながらハートウッドを案内してまわり、新たに追加されたクエストがいくつあるのか説明していった。そして、Leurocian とNiobe とpseudoneoretro を集めて4人でチームを組み、新しい集団魔法の一つ、Arcane Circle の魔法を唱えた。
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友好的で気のいいエルフというのはほとんどがハートウッドにいるのに対し、あまり友好的でないエルフたちが身を潜めるサンクチュアリへとCerdith は話を移した。遥か遠い昔、先祖を死に至らしめた人間の業を恨み、今もなおそこにいるエルフたちは人間に対して嫌悪の念を抱いているのだそうだ。ここには人間の耳と引き換えに褒美をくれるエルフがいるという噂もある。
新しいダンジョンをいくつか巡るなかで、Cu'Sidhe が乗り物として慣らされているTwisted Weald があった。Cu'Sidhe は、樽のような胴とすらりと長く優雅な鼻すじと知的な瞳を持った大きな犬で、エルフだけが騎乗できる生物だ。その次はヒドラボスのAbscess が棲むBlighted Grove を巡り、それからヘアースタイルがバッチリきまった日でさえ不気味なParoxysumus のもとへとやってきた。なんとも気味悪いことにその生物の膿がはじけてドロドロしている。
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そして、話はLabyrinth にかわる。僕らはCu'Sidhe の頭を撫で巨大な骨を投げてやり、Reptalon という新しい乗り物を用意した。Reptalon は肩までの高さが5フィート (およそ152cm) ほどあり、全長はその倍ほどで体重は2〜3t である。Reptalon はライオンの胴とドラゴンの翼を持ち、首と尾にうろこを纏い山羊の角が生えたライオンの頭を持つ。戦闘のシチュエーションではCu'Sidhe とReptalon は強烈なタッグを組む。短いダンジョンツアーが終わり、少しくつろいで休憩するためにハウジングへと行った。
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「クワァ !」 ほぉ ? いったい何なんだ。どうやらハウジングにはオウムが待っているらしい。オーナーの留守中も家中をうろつきまわり、オーナーが戻ると嬉しいような嬉しくないような挨拶で迎えてくれるというわけだ。魚や貝やたくさんの装飾が施された水槽が部屋の隅にあるから、もう何枚も布を重ね合わせなくてもいいんだね ! (今までのUOには水槽のアイテムが存在せず、内装として欲しい場合には青い布を重ねて水槽に似せていた。)
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Cerdith とFerbert によるデモンストレーションは拍手喝采のなかで終了し、Lady Lu がUOの状況説明に話を移した。エレクトロニック・アーツ社は本タイトルに確信をもって臨んでいることを繰り返し述べ、UO開発チームを後にした仲間の今後の活躍を願うとともに彼ら自身の意思に尊敬の意を表した。また、開発チームへ新しく人員補給していることも述べた。その説明が済むとQ&Aセッションとなった。最初は「宝珠の守人」への質問に焦点が当てられていたが、やがて様々な話題に広がっていった。
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エルフになる方法からBegging (物乞い) スキルのタイマーを短くして欲しいといったものまで、様々な議題が繰り広げられた。Binky と2人で2本あったワイヤレスマイクを渡してまわるのに大忙しだったよ。大勢のプレイヤーが質問してくれた訳だけれど、その大半の興味の的はUOチームに関することだった。Darkscribe はそのイベントでいちばん重要なことに答えるためステージにあがった。そして、UOにとって最も大切なアピールポイントはプレイヤーの皆であるということを話した。プレイヤーがいるからこそUOは世界規模なんだということを。UOにとってプレイヤーの皆はかけがえのないものだから、できるだけ多くのプレイヤーに会いたいということを。
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イベントも終盤に差しかかり、いよいよくじ引きの時間だ。UOデザインTシャツから錫製のドラゴン、UOイヤリングやUOネックレスなど特製グッズの数々がプレイヤーの手に渡った。参加者全員分のTシャツをスーツケースに詰めて持ってくることはできなかったけれど、「宝珠の守人」のポスターはもれなく全員に配られた。イベントが終わると会場の内外で交流のひとときが流れた。UOチームと歓談したり、プレイヤー同士の雑談、βテストへ登録したりポスターにサインしてもらったりしていたよ。
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ひとまとめにワシントンD.C.のタウンホールミーティングは大成功だったよ。参加してくれたUOプレイヤー一人一人に心から感謝の気持ちを伝えたい。それから、UORadio.com で生中継を聴いてくれた多くの皆にもね。このゲームをこんなに盛り上げているのは君たちなんだ。これからのUO
タウンホールミーティングでも、もっと多くのプレイヤーに会いたくてたまらないよ。
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このタウンホールミーティングで分かったことは、ビールが入って大声になるのはBinky だけじゃないってことだ。
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UORadio.com :
タウンホールミーティング中継
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* リンク先は英語サイトです。
中継を聞く
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