Lord Britishは無表情のままトロフィーの並ぶ豪勢な部屋で3人の登場を待ち構えていた。ニスタルの興奮した表情、新たな破片、その中に息づいているであろう別の世界。あまりにも多くの思考を一度に浴びた時、人は無表情になるのだろうか。それとも、ふいに現れた3人の訪問者のもたらした珠玉の破片が、あまりにも唐突な出来事だったからかもしれない。
Lord Britishは両手を顔の前で組み、祈るような姿で3人の話に聞き入っていたが、ゆっくりと視線を上げるとOdinの手に載せられた小さな破片を覗き込んだ。確かにそこにはブリタニアと呼べる世界が存在していた。アメ色の光りに包まれたBritish城、銀行の周りを活発に動き回る市民、そして水面を走る船までも鮮明に見ることが出来る。そこにある現実は、今自分達のいるブリタニアもまた、破片の一部なのではないかと想像させるのに十分な存在感を持っていた。