名前:マイケル・ムーア
コールサイン: Vex
オリジン社における職位:「ウルティマ オンライン」ライブ ディベロップメントチーム、デザイナー
Q.そのコールサインを選んだ理由を聞かせてください。何か特別な理由があるのですか?
A.すごく短くて、スクラブルでも高得点を稼ぐアルファベットだからです。
Q.仕事の内容について詳しく聞かせてください。
A.UOのデザイナーの役割は、パソコン・ゲーム業界のデザイナーの仕事と比べるととても特殊なものです。私たちはゲームシステムをデザインし、細部にわたるデザイン、世界観の構築、そして開発関連ドキュメントの作成まで行います。また、エンジニアとしての役割と同時に技術的なデザイン、技術ドキュメントの作成、ゲームデザインに基づくプログラミングでも重要な働きをしています。
Q.あなたのゲーム業界への「輝かしいデビュー」についてお話しいただけますか?
A.それに関してはカーリー・ステイリン氏とポール・セイジ氏にお礼を申し上げたいと思います。二年前、カーリー(と、普段私たちは呼んでいます)はUOのプロデューサーで、ポールはリード・デザイナーでした。UOのデザインチームに大きな人事異動があり、彼らは新しいチームをほとんどゼロから作り直さなければならなかったのです。彼らはUOのコミュニティーの中から、ゲーム業界での経験はなくとも素質があって、UOに造詣が深い人物を起用することを思いついたのです。彼らの考えにより、通常なら経由しなければならないテクニカル・サポートや品質管理といった厳しい見習いレベルの業務を飛び越して、デザインとエンジニアリングという素晴らしい職務に就くことができたのです。
Q.大人になったら何になりたいと思っていましたか?
A.初めて本物のコンピューター(ジョイスティックではなくキーボードのついたマシン)に触れた時から、コンピューターを扱う仕事をしたいと思っていました。小学校低学年の時、学校でアタリの8ビットのコンピューターを数台購入しました。確かアタリ400だったと思います。デュアル・カートリッジポート式でメンブレン・キーボードを備えたマシンでした。その驚くほど小さな機械についてちょっと教わっただけで、私はたちまちとりこになってしまいました。
Q.十年前は何をしていましたか?
A.大学に入ったばかりでした。まだ実家にいたのですが、独立したいという思いに強く駆られていました。私はメモリを640Kに増設したTandy 1000HXを持っていました。オーガスタ大学のコンピューター研究所でインターネットにつなぎMUD(Multi User Dungeon)を目にすることがなかったら、すぐにでも独立は実現していたでしょう。しばらく後に、私は家を出てオーガスタのブロード・ストリートで親友と同居を始めました。彼はギタリストであり、シンガーソングライターでした。私はベースギターを弾き、コーラスを務め、やがて3人目のルームメイトができました。これでドラマーも揃い、私たちはバンドを結成し、南東部を演奏して回りました。その一方で私は大学での勉強を続け、386ベースのラップトップマシンでデータ変換ユーティリティー・プログラムを書く仕事を少しずつこなすようになっていました。
Q.UOのどのような所が好きですか?
A.単なるゲームではないという所ですね。まさに一つの世界で、プレイヤーの行動がその世界に直接影響するんですから。自分のアバターの外見や家の装飾を通して自己主張することができたり、家を持つことができたりするというのは、実際にUOの世界の一部を自分だけの物にすることができる素晴らしい仕組みだと思います。こんな体験ができるゲームは他にはありません。
Q.UOの中で最も思い出に残ることは?
A.うーん、最初の家を手に入れたことかな、友達と一緒に。私たちは二人とも鍛冶屋で、スキル上げをしていました。まだバースト制が導入される前でした。黙々と船堀りをして鉱石を集め、精練し、鍛冶を続けました。そしてあふれるほどの武器やら防具やらを抱えてNPCに売りに行ったものです。ムーングロウの近くに小さな家を建てるのに25万ゴールドを費やしました。ルネッサンス導入以前のことです。小さな箱のような家を手に入れるため、途方もない努力を積み重ねました。その頃から比べると今の家は大きく、また手に入れやすくもなっていますが、どんな場合でも初めての経験というのは最良のものではないでしょうか?
Q.最も痛い思い出は?(ゲームの中でもそれ以外でも)
A.高校一年の時、左右違う靴をはいて学校に行ってしまったことがあるんです。誰かが指さすまで気づきませんでした。彼らはいつまでも私をからかうのをやめないんです。とても気分が悪くなり、うんざりして叫んでしまったんです。「わかってるさ!いいから放っておいてくれないか?」ってね。そうしたら私がどなりつけた相手の少女は明らかに傷ついた様子でした。どちらが悪かったのかはわかりません。
Q.それでは・・・学校の科目で一番苦手だったのは?
A.歴史と、いわゆる社会科ですね。科学と数学は得意で、英語(国語)や木工のような選択科目は良くできた方です。そのパターンは大学に入ってからも変わらず、「数学的論理学と集合論」はトップ(情報科学カリキュラムの中では数学A 300レベルで、全てのコースの98%を取得)でしたが世界史は興味がなくて落第でした。
Q.金曜の夜のお気に入りの過ごし方は?
A.アラモ・シネマ・ドラフトハウスですね。他の映画館もあんな風だったらいいのに。そこに入るとね、ゆったりしたシートと目の前にバーがあって、ウェイターにディナーとお酒を頼めるんです。そしてディナーを食べながら同時に映画を観られるというわけ。
Q.お気に入りの食べ物は?
A.今はドン・パブロスという店のテックスメックス料理ですね。今まで食べた中で最高の味です。
Q.リアルで何かペットを飼っていますか?
A.猫を二匹飼っています。小さい方のはオレンジ色と白のチビデブなんですが、変わっていて、私がシャワーを浴びた後の湿ったタオルに目がないんです。上に寝ころんで匂いをかいでます。よくわかりませんが・・・たぶん私の石けんかシャンプーの匂いが好きなんでしょう。
Q.理想の車について教えてください。
A.うーん、メンテナンスのいらない車かな。私にとって車とは、ある場所からある場所への移動手段でしかないんです。それよりも私の理想のコンピューターについて話してもいいですか。コンピューターを使用する理想の環境とは、家中に端末が配置されていて、どこからでも私のデスクトップマシンを呼び出せる状態です。膨大な量の音楽、映画、ゲームのデータをストックし、TVとラジオのインターフェイスも備えています。音声で自然に操作ができ、同時にワイヤレスのキーボードとマウスも完備。モぶっといモ ネット回線。部屋の一つにはコンピューターのディスプレイとしてもホームシアターとしても使える2m幅のプロジェクターを置きます。その部屋はスタートレックの宇宙船ボイジャー号のアストロメトリックスみたいになるでしょうね。
Q.好きな休暇は何ですか?その理由も。
A.クリスマス!プレゼントがあるからね。プレゼントはもらうのもあげるも大好きです。
Q.好きな色は?
A.グリーンブルーです。
Q.では、最後に大事な質問を。もしもこれから後の一生をブリタニアの砂漠をさまよって過ごさなければならないとしたら、誰を連れて行きますか?
A.何だって?僕の愛する人を道連れにして流浪の民になれと言うんですか?そんなの我慢できませんね。それに、Kal Ort Porの魔法(あるいは最後の手段でHelp/Stuckコマンドを使って)があれば、ブリタニアの砂漠で迷子になることなんかありませんよ。