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覚醒 - 第一章

投稿日:2012年1月21日

スカラブレイのフェリー乗り場から内陸へと続く道の上空高くには、ハゲタカが弧を描いて飛んでいる。ハゲタカたちは地上のあらゆる死体を見つけては、その上空でゆったりと円を描くのだ。かれこれ一時間もかけて鹿を追跡しているアルテミア(Artemia)は、森の中を進みながら、ハゲタカの存在を心に留めた。彼女が追っている老牡鹿はずる賢い奴で、今まで一度も矢を受けたことがない。だが、この先には道があり、その手前に切り開かれた空き地があることをアルテミアは知っていた。うまく仕留めれば、彼女にとって好機となるだろう。アルテミアの動きは素早く、それでいて正確でもあった。今の彼女はこの狩りを全身で謳歌していた。そしてついにその時が来たのだ。森の中から空き地へと身を躍らせ、老牡鹿と対峙するアルテミア。しかし次の瞬間、狩りを楽しむ歓びの表情は一転して歪んでしまった。ハゲタカたちの注意をひいていたものは、ここにあったのだ。アルテミアは死体に近づいて調べ始め、牡鹿はたちまち藪の中に姿を消してしまった。

幾つもの傷に耐えたであろう荷馬たちは、明らかに息絶えていた。撃ち込まれたクロスボウボルトの羽根のついた柄が、これが待ち伏せであったらしいことを物語っている。予想どおり荷馬の荷は空になっていたが、持ち主の痕跡は見当たらなかった……、踏みつぶされた草地の向こうに残されたわずかな血痕に気づくまでは。音を立てずに矢をつがえ、辺りを警戒しながら、アルテミアは踏みつぶされた草の跡を終点まで辿っていった。枯れ葉をつけた枝が一本、男の体を覆うように落ちている。アルテミアはこの男に狙いを定めたまま少し様子を見たが、動く気配がないのでサッシュに取り付けた矢筒に矢を戻した。枝の周りをぐるりと歩き、アルテミアは男の顔のあたりを少し眺めて、首を振った。彼女は弓を肩にかけ、連れ帰りたくなるほどの知人なのか確認しようと枝をどけた。男の傷を調べてみると、片方の足の横から何本か矢軸が出ており、片腕も失われているようだった。アルテミアはひざまづいて目を閉じたが、すぐにその目は見開かれた。あまりにも小さくてそれまで気づかなかったが、音が聞こえたのだ。間違いではないかと思い、男の胸に耳をあてる。確かに聞こえる。わずかながら、この男の体にはまだ生命が宿っているのだ。はじかれたようにアルテミアは動き始めた。脇に置いていたポーチから黄色い液体の入った瓶を取り出して男の喉に少し注ぎ入れ、次に白く濁った液体の瓶も使った。男の呼吸がややしっかりしてくると、アルテミアは片手を男の頭の下に差し入れて抱えあげ、苦労しながらもスカラブレイへと戻っていった。

治療院での診察で、ようやくこの交易商人の怪我の程度が明らかになってきた。アルテミアはヒーラーたちに部屋の外へ追い出されてしまったが、それまでの間に、様々な武器で男が受けた半ダースもの傷を見てとることはできた。切り傷やアザ、ちぎれた耳、折られた手、7本ものクロスボウボルト、脱臼した肩、骨折した脚、恐らく内臓にも損傷があることだろう。これだけの傷を受けていながら男が生きていたとは驚きだった。助かる見込みがあるとは思えなかった。しばらくして彼女は落ち着かなくなり、もう一度だけ部屋の中を覗き込んでからレンジャーギルド(Rangers' Guild)に向かった。助かるにしろそうでないにしろ、あの交易商人の命はもうヒーラーたちに委ねられたのだ。

街を歩きながら、アルテミアは幾つかの通りを避けて、散らばるゴミを無視した。今まで彼女は街の悪臭に関して何も思っていなかったが、散らかっている腐ったゴミは気持ちのいいものではなかった。あるメインストリートを横断したとき、アルテミアは体が緊張するのを感じながら足をとめ、そして隣の建物の角まで忍び寄って通りの様子をうかがった。

市民の小集団が、一軒の商店の外でなにやら大声で叫んでいた。彼らの大声が入り混じり、何を言っているのかは聞きとれなかったが、彼らが何をしているのかは明らかだった。最近よく起きている暴動の一つなのだ。さらに慎重にこの集団を観察し、中央にいる重そうな袋を持った人物に気づいた時のことだった。この男は袋を開いて中から即席の爆薬のようなものを取り出し、それに点火しようとしたのだ。アルテミアは肩にかけていた弓を出来る限り静かに外して構え、矢をつがえて男めがけて放った。風切り音を立てながら飛んだ矢はその暴徒の腕を貫き、男はビンを取り落として他の者は四方八方に逃げだしていった。アルテミアはもう一本矢をつがえながら近づき、この放火未遂犯の顔にしっかりと狙いを定めた。

「次は眼だ。それとも、何か正当な理由でもあったのかな?」

自分の腕に矢が刺さっていることに動揺してはいたが、男はつかえながら、なんとか答えた。「だ、だれも、……き、きずつけるつもりなんか、な、なかったんだ。た……、ただ、そ、その、い、意見表明ってやつを、した……したかっただけで……」

アルテミアは険悪な顔つきではあったが弓の構えを解き、脇に下げていたショートソードを引き抜いて、バッグから一巻きのロープを取り出した。「ほぅ、そうか。だが、街のガードたちはお前になんと言うかな?さぁ、おとなしくしろ。でなければ後悔することになるぞ。その手の傷がかすり傷に思えるほどにな」男は抵抗することなくアルテミアに縛り上げられた。アルテミアは男を引きずり上げて立たせた。男を街中で連行する最中、彼女には周囲から様々な声が投げかけられたが、アルテミアはその全てを無視し、勤務中のガードに男を引き渡した。彼女はため息をつき、また何かに邪魔されないよう、さっさと埠頭を目指して歩いていった。

フェリー乗船前に振り返って街に最後の一瞥を与え、船員に数枚のコインを放り投げると、フェリーは速度をあげて湾を横切り大陸側に向かった。ギルドマスターの張り上げた大声が聞こえ、中に入らずともレンジャーギルドに誰かよそ者が来ていることは見当がついた。激しい熱弁がふるわれている中、彼女はドアを開いて中に入り、自分の背後でドアをそっと閉じた。そしてギルドマスターがその女性と激論を交わしている間、辛抱強くずっとそこに立っていた。

「……そんな相手が見つかるとでも思ってんのか! あんたの言うその条件じゃ、話し合いを始める気にもならんよ! 一緒に死んでくれる相手を探してるってんなら、どうぞお好きに。だが、俺や俺の部下どもはまっぴらごめんだね!」

アルテミアは立ち去る訪問者のために、一歩横に移動して道をあけた。その女性が通り過ぎるときにこぼれ見えた明るいブロンドの髪に気づき、ちらりとギルドマスターの方を見た。この年老いた男はため息をついて片手で頭をかき、引き出しに手を伸ばした。彼がその引き出しにフラスコをしまっていることをアルテミアは知っている。それを見たアルテミアは頭を振り、入ってきたドアを通って外へ戻った。例の牡鹿狩りに役立つ手掛かりを求め、アルテミアは周辺を探り始めた……そんなものは彼女を取り巻く現実からの、ほんのひとときの休息にしかならないと判っていたけれども。

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