おしらせ ビギナーズガイド ゲーム紹介 UOエンタメ UO広場 MyUO UOストア サポート
お知らせ
キャンペーン情報
アップデート
チームコメント
メンテナンス情報
シャードを選ぶ
キャラクターを作る
基本操作と画面の見方
スタートの町
戦闘
武器・防具・保険
ペット
未知なる冒険の世界へ
ダンジョン
評判と称号
ショッピング
さまざまなUOライフ
ヤングプレイヤー
トライアルアカウント
トライアルが終わったら
世界観
基本操作
キャラクター
スキル紹介
戦闘
生産
クエスト
取引
ペットと雇用NPC
家
地図
各種ゲームガイド
シリーズ博物館
エッセイ
動画コンテンツ
受賞・アワード暦
イベント情報
BNN
コミュニティイベント
ファンサイトリンク
ファン活動のガイドライン
アカウントサポート
テクニカルサポート
ゲームマスター
イベント関連
Q&A
お問い合せ
UO広場
TOP  > UO広場
ワールドニュース

前触れ - 2

投稿日:2011年2月26日

ウスカデシュ(Uskadesh)は船側上で、自分がいつ吹き飛ばされてもおかしくないと感じていた。いずれにせよ、異国の船上で使命を果たさなくてすんだことは喜ばしいことだった。

海風が叩きつけるように翼に吹き付けてきたので、ウスカデシュは肩を少し動かして姿勢を保った。この軍務大臣は一旦翼を開いた後、翼をたたんで甲板上でバランスを取った。

危険で強力なあらゆるものを、ガーゴイルは畏敬の念を持って受け入れる。だから彼も海を受け入れていた。塩からい水しぶき、霧、遠方の嵐を告げるするどい風が鼻腔を刺す。敏腕の乗組員は必要なかったので、ボイド境界警備にあたる新兵たちを呼び集め、この危険な旅に志願する機会を与えてやった。任務さえ終われば始末するつもりだったのだ。

多くの点で、これは帰路のない旅になると思われた。

彼らの船は既に数隻の商船を追いぬいている。この点において言えば、この旅の大部分はありきたりのものだった。乗組員がガーゴイルだと知ると、たいていのヒューマンの船は彼らの船との距離を大きく広げていく。ウスカデシュはツノをふるわせて笑い声をあげ、舵手に対して大声でこう言うのだった「海賊の旗を掲げていれば、もっとマシな扱いをしてもらえたかな?」

この自虐的発言に皆は笑い声をあげ、船は波の上をつきすすんでいった。アビスが開き、ソーサリアとテルマーが同盟を組んでから一年以上が経つが、たとえおだやかな海であろうとも、洋上ではいまだに気分が落ち着かない。

「舵手よ! どこでひと休みする?」自分がヒューマンの表現を使ったことに、ウスカデシュは内心驚いていた。

「アイサー、寄港は……、いや到着は……」と新兵が応じたので笑い声が続いた。新兵はもごもごと言いなおした「海図が正しければもうすぐのはずです」

舵手の言葉どおり、彼らはすぐに目的地へたどり着いた。
ウスカデシュは喉がからからだった。腰につけた革水筒を外し、ごくごくと水を飲んだ。こぼれた水が顔から首の後ろまで一筋につたっていき、任務に向けた心を洗い流してリフレッシュさせてくれた。とにかく、同盟が結ばれたことによって新鮮な水にありつけるようになったのだ。長きにわたり、テルマーには配給、そして枯渇しかなかった。ウスカデシュは冷笑を浮かべながら、心の中でこう思った。まったく本当にありがとうよ、ソーサリア。

そして彼は見たのだった。

その船は慎重に近づいてきた。旗は掲げていない。乗組員の姿も見えなかった。まぶしい夕日が水平線に消え、ようやく2つの影がみえてきた。その一人が、あの見知った囚われの盗賊であることに気付き、ウスカデシュはかすかな驚きで眼を細めた。

ウスカデシュの頭の中でパズルのピースが正しくはまった。リカルド(Ricardo)。二か所に同時に存在する男。ザー(Zhah)よ。あなたとあの勇ましき女王はかなり忙しかったな。

シワのある荒々しく厳しい顔つきをしたブリタニア船の舵手が大声で叫んだ。「ここで何をしている?」

大臣は即座に答えた。「アベリー(Avery)殿にお伝えしたいことがある」

再び操舵手が口を開いた。その男は短く呻くと、また面倒事か、というように頭を抱えた。「だったら俺だ。なんの知らせだ? 言ったら帰ってくれるか。俺の引退生活を邪魔しないでくれ」

帆船は船の中心線を合わせていった。双方が速度を落とすなか、互いの舳先はほとんどぶつかりそうなほど近づいてすれ違った。下ろされた錨が船をしっかりと留める。帆が引かれたので、鎖と木材は急に吹き付けてきた風に抗うように揺れた。

リカルドは確かな足取りで歩いてきた。足音は軽く、いつでも剣を振りまわしたり、何マイルでも泳げそうなほど引き締まった体をしている。彼の首に太い革ひもがかかっていることにウスカデシュは気付いた。あのシーフの赤いチュニックに隠された胸元には、重くて大きな物があるのは間違いなかった。

ウスカデシュは言葉をつづけた。「重大な事なのです。悲報をお伝えに参りました。輝かしきザー女王の使者として申し上げます、誠に残念ではございますが……、貴君の女王陛下は亡くなられました。数日後に葬礼が行われます。どうか祖国にお戻りください」

風がやんだ。どちらの船も動かず、日が完全に沈みゆくなかで海は黒くおだやかだった。

アベリーは青ざめ、船のへりを掴むリカルドの方を向いた。彼は眼を閉じて長い息を吐き、どすぐろい怒りが湧き上がるのを感じた。彼の舌と唇は、塩辛い海水と苦悩でからからに乾ききっていた。

船体に打ち寄せる波の音ばかりが両船の乗組員の耳に届く。もう口を開く者はいなかった。


ページのトップへ
©2012 Electronic Arts Inc., Electronic Arts, EA, Ultima, Ultima Online, and the UO logo are trademarks or registered trademarks of Electronic Arts Inc. in the US, and /or other countries. All rights reserved. Get macromedia FLASH PLAYER
お客様の個人情報の取扱いに関して
EAサービス規約
会社情報
このサイトに関して