マーク：「やはりワタクシは、あの大きな船で大海原を駆け巡りたいです！！」
モーリス：「それもいいのですが、私としてはのんびり釣りがしたいですね」
マーク：「たしかに釣りも捨てがたい！　う〜む……」

*ガチャ*　*バタンッ*

メグ：「ただいま〜」
モーリス：「おかえりなさい」
マーク：「……では、こういたしましょう。船で大海原を駆け巡りつつ、釣りをする！　あ、メグさん、おかえりなさい」
モーリス：「なるほど、それはいいかもしれませんね」
マーク：「そうでしょう、そうでしょう」 *うんうん*
メグ：「なんの話ですか？」


モーリス：「メグさん、海上マーケットにはもう行きましたか？」
メグ：「いえ、まだなんです。行かなきゃな〜とは思ってるんですけど」
マーク：「でしたら丁度いい！　ワタクシとモーリスさんとで、今から海上マーケットへ行くところなのです。メグさんも一緒に行こうではありませんか！」
メグ：「おお、タイミングばっちりですねっ。じゃあ、三人でさっそく海上マーケットに行きましょう！　私の小型船がありますから、それでいいですよね」
モーリス：「助かります」



マーク：「うおおおおおお！　でかい！　これぞ男の船！　男のロマン！」
メグ：「ほんと立派ですね〜」
モーリス：「あれがガーゴイル船で、こっちは徳之船ですね」


マーク：「ささ、なにをしているんですか二人とも。早く船に乗り込みましょう！」
メグ：「うんうん、私も早く乗りたいですっ」
モーリス：「待ってください。あれは私たちの船ではありませんよ。勝手に乗ることはできません」
マーク：「おっと、たしかにそうですね。では、ワタクシが証書を買ってまいります！」

*ダダダダダッ！*

モーリス：「あっ、マーク君……」
メグ：「どうしたんですか？」
モーリス：「いくらくらい持っているのか聞こうと思ったのですが……。ガーゴイル船や徳之船は非常に高価なんですよ」
メグ：「なるほど」

*ダダダダダッ！*

マーク：「お金が足りなくて、証書が買えませんでした！　メグさん、少し貸していただいてもよろしいですか！？」
メグ：「……いいですけど、いくら足りないんですか？」
マーク：「14万ゴールドほど足りません！」
メグ：「ええ！？　さすがにそんなには持ってないんですけど……」
モーリス：「仕方ありませんね。ここは私が払いましょう。証書を買ってきますので、少し待っててください」
メグ：「え？　い、いいんですか……？」
モーリス：「はい、いずれ買うつもりでしたから、気にしないでください」
マーク：「さすがモーリスさん！」
モーリス：「では、出発しましょう」
マーク：「バーニング ジャスティス モーリス号、発進！！」
メグ：「いや、勝手に名前つけないでくださいよ……」


メグ：「う〜ん、やっぱり海っていいですね〜。風が気持ちいいな〜」
マーク：「バーニング ジャスティス モーリス号、全速前進！！　風を切り裂けッッ！！！」
メグ：「人がいい気持ちでひたっているのに、この人は……。マークさん！　もう少し静かにしてくださいよ！」
マーク：「メグさん……“マークさん”ではなく、“マーク提督”と呼びなさい！！」
メグ：「ええ！？　なんかキャラが……」
モーリス：「お、あそこに船が見えますね。旅の方でしょうか」
マーク：「むっ、三時の方向に敵船を確認！　これより掃討作戦を開始する。バーニング ジャスティス モーリス号、面舵いっぱい！」
メグ：「ちょ、ちょっと、マークさん。あれは冒険者の方の船だって、モーリスさんが……」

*ドーーーン！*

メグ：「ひぃ！　なんか大砲を撃ってきましたよ！　どうなってるんですか！？」
モーリス：「う〜む、どうやら海賊船のようですね」
メグ：「海賊！？　ちょっと、どどど、どうするんですか！」
モーリス：「ここは逃げた方が」
マーク：「うろたえるな！　モーリス軍曹、それにメグ伍長。こちらも大砲で迎え撃つ！」
メグ：「メグ伍長って誰ですか……」
モーリス：「マーク君、この船にはまだ大砲は積まれていませんよ」
マーク：「くっ……仕方ないな。では、このまま船体ごとぶつけて敵船を撃破するぞ！！」
モーリス：「マーク君、それは無茶ですよ」
マーク：「貴様、上官に指図する気か！　ええい、構わん！　バーニング ジャスティス モーリス号、全速前進！　そのまま敵船に突っ込めえ！！」

*ドーーーン！*



メグ：「船動かなくなっちゃったじゃないですか！」
マーク：「くっ……モーリス軍曹、船の応急修理だ！」
モーリス：「修理するための資材がありません」
メグ：「どうするんですか！？　マークさんがあんな無茶するからですよっ」 *ぷんぷんっ*
マーク：「……」
モーリス：「メグさん落ち着いてください。こんなときのために、『手こぎ船』を用意してあります。修理用の資材はあとで持ってくるとして、ひとまずこれで陸地に戻りましょう」
メグ：「さっすがモーリスさん！　じゃあ、さっそく行きましょうっ。あ、マークさんは私たちが資材を持って戻ってくるまで、ここで待っててくださいね！」
マーク：「……」
メグ：「それじゃ、留守番よろしくお願いしますね〜」
マーク：「……」



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