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決意

投稿日:2007年10月4日

-デルシア解放から幾日かが過ぎた。


「あら、ヴェク(Vek the Chief of Savage)殿!お散歩ですか?」
「やあ、これはエレイン(Elaine Bayfery the Royal Advisor)殿。 刈り込まれた芝の歩き心地は面白いですなぁ!こう、ちょっと弾力、といいますか……」

(良かった、だいぶお元気になられたようだわ)
と、エレインは心の中で安堵のため息をついた。

最初の頃ですら貴族達は、生まれて初めて目の当たりにするサベージ族からできるだけ他人が知らない話-夕食の会話には常に新鮮さが求められるのだそうだ-を聞き出そうと躍起になって部屋へと詰め掛けたものだったが、ヴェク殿の実直さによって表される大自然の美や雄大さは貴族達の求める"新鮮さ"とは程遠いものだったようで、数日もするとヴェク殿はフカフカのベッドと枕でも安眠を得られる様になっていた。

(そろそろ話を聞いてみてもいい頃かしらね)
ヴェクが話す、『刈り込まれた芝のエリアと伸び放題の草のエリアが人間の生活や成長に及ぼし得る影響と違い』というテーマに心引かれるものはあったが、エレインは丁重にお断りしヴェクを診ているヒーラーの下へと向かった。

「非常に高い回復力をお持ちですね。すっかりお元気と申し上げてもいいくらいだと思います。ですが……」
「何か問題でも?」
「お休みになっていらっしゃるときに、とても辛そうなご様子の時があるのです。今でもとても強い心労がおありなのではと……」
「ええ、わかります。ですが、あまり話をするのを遅らせたくは無いのです」
「……わかりました。今日はゆっくりお休みいただけますようにお薬を調合いたします」
「ありがとう、よろしく頼みましたよ」

(いよいよ、ね)
ぴっと背筋を伸ばし、エレインは再度中庭へと歩みを向けていった。



「今日はこれから、ヴェク殿をそそのかした者がヴェク殿と度々接触を取っていた場所の調査に行きたいと思っています」

目の前で耳を傾けてくれている冒険者達に、エレインはヴェクが話した内容をゆっくりと伝えていた。

ヴェク殿は何者かに騙され、デルシアへの攻撃を決定した際に死者を操る術をその者から教わったということ。
だが、実際にここで試してもらってもヴェク殿の呼びかけに応じて死者が現れることは一切無く、死者はその者もしくは別の者によって送り込まれてきただけの可能性が高そうであること、そして評議会およびエレインは今回のデルシア侵攻においてヴェク殿を罪には問わないということを決定したことだ。

エレインは冒険者達に話しかけながら、この話をしてくれたときにヴェクから伝わってきた同胞への深い悲しみと後悔、そしてヴェクが自分自身に抱いた強い怒りを思い出していた。

と、同時にエレインの胸に小さな不安が芽生えていた。
(私は冒険者のみんなを守れるの?みんなを正しい方向に導く事ができているの?)

玉座の間を後にするとき、思わずエレインは後ろを振り返った。
空っぽになった部屋の中に、玉座が鈍い光を反射していた。


入り組んでいる道に少し迷いはしたが、実はピクニックだったのではないかと思えるほどにパプア西のジャングルは平和そのものであり、目的の廃墟までの道のりは順調だった。

「あ、あそこになにかありますよ!エレイン様、あれじゃないですか?」
と、冒険者が指さすその先に、かつては建物だったとなんとか理解する事ができる程度に壁の残骸が転がっていた。
そして近づくごとに強くなっていくある匂いは、エレイン達に不快なものがそこにいると告げていた。

「くせぇな。死後何年目の匂いだこりゃ?」
「カタカタいう音もきこえるわね」
「ったく、俺達をお迎えにこようなんて100年はやいっつーの」
小さな廃墟は何体かのアンデッドの棲家となっていたが、程なくして彼らには2度目の永眠が授けられたのだった。

そして調査の指示をだそうとしたとき、廃墟の奥からある声が聞こえた。

「ようやく来たか。待ちくたびれて寝てしまうところだったぞ」
そこには黒い鎧に身を包み、赤黒いマントを羽織った男がいた。


「失礼ですが、私達を待っていたとおっしゃいました?」
「ブリタニアの執政殿は耳が遠いのかな?ヴェクとかいう蛮族から話を聞いたからこそここまで来たのだろう?」
「あなたは……一体?なぜヴェク殿のことを!まさか、あなたが!?ヴェク殿を、サベージを!? デルシアの人々を!!??」
「俺は話しをしただけだ。蛮族の行動など知った事ではない。だが、こうしてのこのこと執政がやってきたのを見るとそう無能では無いようだな*ハッハッハ!*」

「なぜ!なぜあのようなことを!?答えなさい!そして罪を償うのです!」
そう言った時、エレインは気付いた。

「あなた……臭うわ。腐臭がするわ。そう、まるでアンデッドみた……」
「うるさい!!黙れ!!お前の偉そうな口もこれまでだ、すぐにこいつらの仲間入りをさせてやる!!」



それはあまりに壮絶な戦いだった。
男の扱う豪剣と大盾は自らの意思をもっているかのように受けては切り、止めては払った。
エレイン達の振るう剣や槍、放つ矢は男の鎧に全く触れることができなかった。そして冒険者はおろか、エレインでさえも傷を負い始めていた。
(私は何をしているの?まさかこのまま負けるなん)

「エレイン様!危ない!」
目の前に誰かが飛び込み、そして切られて倒れた。
エレインの頭の中は真っ白になった。男が目の前で振るった剣を返し、エレインの頭上に振るうのが見えた。


そしてエレインは、自分がたくさんの光に包まれているのに気付いた。
白く柔らかい光、青く凛とした光、稲妻のようにするどい光、どの光も美しく、強さに溢れていた。


その瞬間、エレインの前から恐ろしい声が響いた。
「グワアアアアアアアア!!!!こしゃくなああああああ!!!!!」
目の前で黒い鎧を着た男がのた打ち回っていた。
男の皮膚は焦げ、鎧にはへこみができていた。

「お前達なぞに我らの邪魔をさせてなるものか!!許さん、許さんぞ!!!」
そう言って立ち上がった男の前にエレインが立った。

ふっ、とほんのわずかに笑みを浮かべ、強さと意志に満ちた目を男に向けると、エレインは叫んだ。
「魔法使い!全員、ありったけの魔力をぶつけるのよ!!戦士達!!私と一緒にこいつの足止めを!!行くわよ!!!!」



廃墟の調査は成功と言えるだろう。戦いの後、何故か男の死体が消えうせてしまったものの、持ち物であると思しき水晶と本が見つかったのだ。
どうやら先ほどの男の兄弟とやらの居場所が、水晶に映しこまれているとのことが本には書かれていた。
そして男とその兄弟には「あるじ」という者の存在も記されていた。
端的に言えば、この戦いはまだ続くというのは間違い無いことのようだ。

「いつでも声かけてくれよ!」
「準備して待ってまーす」
「っていうか、エレインさんも飲みにいこうぜ!」
「今度はちゃんとピクニックにいきましょうよ〜!」

(まったく、彼らの明るさには脱帽しちゃうわね)
冒険者達の底抜けに明るく優しい言葉を聞きながら、エレインはある結論に達した。
(私はみんなの前に立ってみんなを導くよりも、みんなを信じ、一緒に歩いていくことを選ぼう)

冒険者達との別れ際にエレインが目にした玉座は、鈍くそして美しく、光を反射していた。
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