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変化

投稿日:2002年1月15日


全シャード
その爆発は要塞を揺るがし、ダーシャ(Dasha)を床へ叩きつけた。彼女の周りのジュカ(Juka)兵士も槍と鎧とをぶつける音を立てながらふらついた。彼女は自分の置かれている状況を捉え直し、部屋全体を一目見た。石の壁はひび割れていた。床が揺れ動いた。要塞は今にも崩壊しようとしていた。

師アドラナス(Adranath)の儀式が始まったのだ。ダーシャとケイバー(Kabur)が素早く行動をしない限り、ジュカとミーア(Meer)の滅亡は目の前にやって来ていた。

彼女は膝立ちになり怒鳴った。『エクソダス(Exodus)!正体を現わせ、魔術師よ!』彼女の指先から、暗く奥まった小室を照らし出す呪文が放たれたが、ジュカの謎めいた支配者はそこにはいなかった。彼は、幾何学的な配列の明滅するジェムストーンと銀のはめ込みをちりばめた奇妙な祭壇か台座か見当のつかない物を残して立ち去っていた。彼女は呟いた。『危機を前にしたお前の尊敬する主人は何処だ、ケイバーよ。』

そのウォーロードは怒りを込めて言った。『ジュカは魔術師の後ろに隠れたりはせぬ。我々は自分自身の手で以って戦うのだ!』そして、彼は出入り口を通りぬけるべく突撃した。ダーシャは彼の後を追った。彼らは強固な要塞の前部にある高い壁の頂上にやって来た。その眺望を得て、彼らは今朝の戦いの地震で荒廃させられた目の前に広がるジュカの都市を見渡した。無秩序な乱戦は通り中に血を浴びせた。

ダーシャは懸命に落ち着きを維持しようとしていたが、彼女の鋭い目は何かを探しながら辺り一帯にダートのような視線を飛ばしていた。アドラナスよ、なりません!彼女のハンターとしての目は、遥か下方に他の永遠なる者の輪の北の地点で巧みに手を操っているその長老を捕らえた。地獄の閃光がメイジ達の輪から前方へと輝き始めた。そしてダーシャはその要塞がいつでも復讐心で出来たもう一つの一撃に見まわれるであろう事を知っていた。突然彼女の感覚はまるで氷の張った水に沈められたかの様に鈍った。彼女の眼前に広がる谷は凍りついたかの様に思われ、静寂の夜の静けさは混沌を飲み込んでいった。遥か下方のアドラナスはまるで彼がぼやけた絵の中へ取り込まれたかの様に見えた。混沌とした大火の初期の段階の小さな火の柱が、装飾品の様に彼の指先から垂れ下がっていた。ケイバーと彼の立っている構造物のみが彼女の視界にははっきりと現れた。彼女の体はまるで鉛に包み込まれるかの様に動き、そしてただ頭を横に揺り動かしている事で特別な意識の集中をしていた。鈍い紫の明りの流れが彼女の足下の床の表面に沿って羊皮紙の上に落ちた涙の様に、ゆっくりと線を描き始めた。それらは紫の明りの中に要塞全体を包み込む様にして、より速く、全ての表面に巡らされていった。その流れはその奇妙なエネルギーを除いて何も見えなくなるまで、ダーシャとケイバーを包み込みながら彼らの元へと集まって行った。そのミーア女性は意識を失った。彼女の視界は目が眩むような光で一杯になった。

***

長老達の輪の頂点で、アドラナスは魔法を止め、恐怖で固まっていた。激しい火の波が呪文を打ち消し次第に消えていくと、彼は視界からジュカの要塞が完全に消えていくのを目の当たりにした。瓦礫も、灰も、生命が存在した形跡も何一つとして残ってはいなかった。ただ単に、その要塞は行ってしまった。それだけだった。

エクソダスとジュカは逃げ失せたのだ。しわを刻んだ顔に涙を流しながら、アドラナスは跪いた。

煙と火の中心では、ごく少数の残存したジュカ戦士とミーアとの戦闘が、谷中に苦悩に満ちた耳を劈くばかりの叫びが木霊したので、しばらくの間中断された。

***

ご先祖様、私達を見捨てないでください!私達はこの様な終焉を迎えたくはありません!

偉大な母により、お前達は我々全てを殺したというのか!

…火を…

…厚い煙が…

これがジュカが永遠という物に向き合うやり方なのか?

これがミーアが永遠という物に向き合うやり方なのか?

ジュカは歴史にその存在を刻んだのだ。

智慧は変化の必然性を重んじる。


***

漆黒の中から、彼女を混乱させつつ光りのしわがダーシャの視界に入り込んで来た。彼女の手足はまるで数日間走り続けたかの様に弱っている様に感じられた、そして頭も何かに打たれるかの様に痛んだ。不思議な風が彼女の周りに吹いた。彼女の鋭い感覚がかつて経験したことのない香りが部屋中に強く放たれていた。彼女は上方からの日光に瞬きしながら、何とかゆっくりと目を開けた。焦点が合ってくるにつれて、彼女は自分が同じ要塞の中にいるという事が分かった。しかし、その場所は何かが違っていた。

ダーシャがゆっくりと振り返ると、地面の上に微かに浮きながら、暗いクロークに身を纏いながら彼女の近くに立っている人の姿を見た。彼女が反応する事が出来る前に、そのクロークを身に纏った姿のひだの下から巨大な爪を持った手が飛び出して来て、地獄の爆風を放った。彼女は要塞の端を越えて後方へ吹き飛ばされ、落ちていった。

ケイバーは唸り声をあげ始め、立ち上がろうとした。彼が膝を曲げた姿勢になったとき、その白髪混じりの戦士は既に彼の武器に手が届いていた。『私をそれ程簡単に倒せるとは思って欲しくはないな…』彼はしばらくの間、懸命に直立の姿勢を保とうとした。『安心しろ、ケイバーよ。お前は救われたのだ。』ある声が彼の頭の中で単調に響いた。

『ロード・エクソダス?』ケイバーは震えながら立ち尽くし、彼の下に広がる谷中を見渡した。まるで要塞全体が別世界へ移動しているかのようであった。その構造物自身を除いては、何一つとして同じ物はなかった。

『ここは…ここは何処なのですか?』彼は再びそのクロークを身に纏った影を見極めようと振り返りながら尋ねた。

『お前はお前が良く知っている要塞の中に立っているのだ、ケイバーよ。ここはイルシェナーだ。』エクソダスの声が昆虫の羽音の様にケイバーの心の中に聞こえてきた。

『ここは私が見た事の無い場所です…私は炎や死を目撃し…ダーシャと私だけが生き残ったのです。今起こっているこれらの事は夢のように思われますが…そうではないのでしょうな。』ケイバーは眼前に広がる新しい光景を凝視する事しか出来なかった。

『ケイバーよ、運命はまだ未完成なのだ。時が次第に戻っていくのを感じたであろう。お前達の運命はここで、私の尽力により再び新たに始まるのだ。』

『貴方が…貴方が死からジュカを蘇らせたのですか?』ケイバーは武器を下ろした。

『私はお前の死を白紙に戻したのだ。私はお前達を過去から連れ戻す魔法の力を集める為に何世紀も費やしたのだぞ、ケイバーよ。ロード・ブラックソン(Lord Blackthorn)の助力を得て、私はミーアの狂気からお前達を救う為に私が必要な力の最後の部分を得る事が出来たのだ。お前は今新しいイルシェナーを見下ろしている。ジュカが挑むべき新たな敵もいるぞ。私は今までしていたように、お前を導いてやろう。』

『ロード・ブラックソン?』ケイバーはその見知らぬ者を凝視した。そのクロークを身に纏った影は、一部分は肉であり、ある一部分は鎧になっている顔を見せながらフードに手を回した。光り輝く宝石の様な目は、金属の継ぎ接ぎのグロテスクな容姿を目立たせながら微かに明滅していた。

『要塞の周辺の地を探索する事から始めよ。』ブラックソンは命令した。『武器を集め、出会うもの全てを抹殺せよ。』

ケイバーは突然彼に命令を与えたその存在が何者であるかいぶかしみながら静かに立っていた。彼の主人の声が再び彼の頭の中で木霊した。『彼に従うのだ、ケイバーよ。』

ゆっくりと彼はブラックソンから目を離し、塔の深部へと歩いて行った。彼はその場を離れる時、不思議な何者かの視線を受けていると感じた。彼はブラックソンの顔に浮かぶ冷笑を見る為に振り返りはしなかった。一人ずつ彼は兵士を集め、武器を分配し、要塞とその周辺の土地を調べる為の部隊を編成しにかかった。彼は武器の山に思いを巡らして立っていた。塔の頂上から彼は遠方に生命の存在を見つけていた。彼が人間だと推測した者達は湿地の近くで潜伏しているように思われ、他の方向にはガーゴイルと思われる者の存在を確信した。彼はその様な獲物を狩る為に彼がよく用いていた二本の弓と十分な量の矢を手に取った。

彼は兵士の一団と共に要塞の扉から外へと歩み出た。彼らはこの新しい世界に慣れようとしながら、しばらくの間その景観を眺めていた。ケイバーは彼らに振り返り、そして吠え立てた。『前進!武器を構えよ!』

彼が兵士達の部隊の先頭で大股で歩み出した時、彼は撃破の心構えを以って前方を見遣った。一つの思いが彼の心にあった。

ダーシャは生き延びた。
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