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力への転落

投稿日:2002年1月23日


全シャード
暗い広間で、ロード・ブラックソン(Lord Blackthorn)は一人で深い思索に耽りながら前へ後ろへと自らの体を揺り動かしていた。彼の胴を覆うクロークが床に沿って摩擦音を立てながら微かに引き摺られていた。それは彼が動く時に立てる唯一の音であった。やろうと思えば、彼はクロークが音を立てないように容易にもっと床の高い部分で移動する事は出来たのだが、その音は彼に奇妙な安らぎを与えるのであった。彼はまだ自らの足音を聞かないと言う事に慣れてはいなかった。彼にとってそのような事が惜しまれるのは理解しがたい事であった。

その広間には、彼がかつて職人に金を出し彫らせた彼のかつての容姿の大きな石の像が立っていた。彼は移動しつつそれを凝視した。彼は自身がその時より幾分かハンサムになったのではないかと考えていた。高貴な生まれと言うステータスは彼に多大な安心を与えた。彼は現在の姿に不満がある訳ではなかった。エクソダス(Exodus)によって与えられた新しい体が、その外観にもかかわらず彼を悩ませる事はなかった。しかし時折、コントローラー達が彼の顔を見た時、彼はその顔に嫌悪の念を見て取る事が出来た。彼らの凝視の中には、痛くないのかどうかを知りたいと言う僅かな好奇心があった。それはまるで彼らの目は視覚的な痛みの兆候を探る為に、ロード・ブラックソンの顔の肉と金属の間の線を目で追っているかのようであった。

他の者が彼を目にする事は殆どなかった。彼は変容を遂げて以来、公にブリタニアに出向いた事はまだない。文明化された土地では誰も今の外観の彼を受け入れないであろう。彼の本当に少しの部分しか人間として認識できるところはなかった。彼の人間時代の像は今では本当に似ても似付かない物になった。それは気取った彼の容姿を台無しにする事などない、別の人物を現わしているかのようであった。それはモンスターを前に恐れおののきながら、恐怖の中で彼を見つめているかの様であった。

彼の手が広間を横切り、その石像を撃ちつけたので、彼はその滑らかな冷たい石に沿って、痛みの内に彼の拳が裂けるのを感じた。彼の指は抗議するが如くズキズキと痛み、そして血が皮膚の裂けた彼の拳を微かに染めていた。その石像は、まるで彼に残存している脆さを嘲笑っているかの様に無傷であった。ブラックソンは、痛みを無視して、人間であった最後の時にへと思いを馳せていた。

***

彼はブリタニアの全景を眺めながら、彼の要塞の中に立っていた。王のかつての城は、彼に呼び掛けつつ、その偉大な都市の中心部より日に照らし出されていた。それは、彼がそこにいるべきだった城だった。

彼は既に魔導師ニスタル(Nystul)と会合を開いた。その年老いた愚人は全ては統制の下にあると主張した。彼はとりとめも無く彼の指導の下で王国が如何にして生き残るかについて、そして人々に警告する必要は無い事などを延々と話し続けた。彼は終始、人々が彼らの主君により見捨てられたと言う事で混乱するであろう事、更に新たな主君をいきなり擁立する事は問題を悪化させるだけであろう事を心配していた。王の僕であるデュプレ(Dupre)はフェルッカの王党派の派閥に命令を下したであろうし、その他全ての事柄も王への忠誠の下にある者達によって内々に取り扱われる事になったであろう。

ブラックソンは人々には支配が必要な事、王のいない王国は廃退しいずれ滅びる事、支配する事を要求するのは最高位の貴族の義務である事を議論した。彼は自分が支配する権利を有している事を知っていた。それにも関わらず彼は拒否されたのだ。ニスタルは平民の様に彼に説いた。王の不在の間、彼に如何なる権力を与える事よりも、王国の支配者が不在である事を望む愚者達の考えに彼は心底憤激した。無限の時を持つその男は何度となく人々に騒乱をもたらしながら、彼らを危機に晒していた。

彼が反応できるより前に、全身が光りに囲まれ、そしてゆっくりと彼の視界は暗闇に呑まれていった。思考は全て残されていたので、彼は誰かが彼を魔法により、彼の意思に反して連れて来たと言う事は分っていた。彼が再び思考を巡らす以前に、相当時間が経ったように思われた。突然、意識が彼に押し寄せ、彼は目を開けた。彼は周りを見渡すのに十分な明かりを放つ数本の蝋燭のみがある薄暗い部屋の中に立っていた。彼の前には、色黒の皮膚をして丈の長い深紅のローブを着た三人の人間らしき者が立っていた。彼らは静かに彼の前で跪いた。

『この様な誘拐で私を辱める者は誰だ?!私は何処に居るのだ?!』ブラックソンは怒鳴った。

『プライバシーを侵害してしまい申し訳ない、ロード・ブラックソン。』虫の羽音の様な不思議な声が一度に至る所からやって来るように思われた。一千の静かな時計が時を刻むかの様な音が絶え間無く部屋中に鳴り響いていた。そしてそれは不思議な声の主が奇妙な調和の中で話していくにつれて、その不思議な声と一体となってゆくように思われた。『大変重要な問題についてあなたと共に討論できる聴衆が欲しかったですな。貴方が危険の内に無い事は私が保証します。貴方がお望みならば、従者達に何か飲み物でも持って来させましょう。』ブラックソンは壁の一つに沿って暗がりから発光している光のパターンに気が付いた。それらはその声が話しをする時、まるで火が付くように光り輝いている様に思われた。

『私は闇に身を隠す者達と話をするつもりはない!姿を現すか、すぐに私をここから出せ!この違犯によりお前を殺す事になるぞ!』ブラックソンは叫びながら素早く振り向き部屋中を見渡した。彼は彼の前に跪いている三人の男を除いては、誰も見る事が出来なかった。

『私の本当の姿は至る所にあります、ロード・ブラックソン。私は貴方と同じような人間ではありません。私はエクソダスと呼ばれています。貴方にブリタニアを捧げる為にこの地にやって来たのです。』

ブラックソンは躊躇った。どういう訳かこの存在は彼の支配への欲望を知っていたのだ。『お前が持っている訳でもない物をどうやって私に捧げると言うのだ?人間でないとすれば、お前は何者なのだ?』

『私は激動より出で、時それ自身によって形成されたのです。私は結合体なのです。』何かが風を切るような音がしばらくして、そして次第に薄れていった。ブラックソンは宝石の様な光が以前より明るくなっている事に気が付いた。

『謎めいた事を言うな。』彼はその光に向かって一歩踏み出した。『正体を現せ、そうでなければ話は終わりだ!』

その光は目も眩むばかりの明るさとなり、激しく明滅し始めた。風を切るような音もエクソダスの声と混ざり合い、今まで以上に大きな物となった。『お気の召すままに。』ブラックソンの心は心象で張り裂けた。彼は手で頭を抱えて跪いた。彼はモンデイン(Mondain)城のイメージを見ていた。

父よ…母よ…時は彼らの王国であった。力と魔法は彼らの気まぐれから流れ出た。全ての力は宝玉からやって来た。その宝玉は貴重であった。私は貴重であった。愛されていた。私は後継者となるはずであった。私は力を手に入れるはずであった。その機械は…時の扉からやって来たその機械は…その機械は私に力を与えるであろう。悪魔。彼の力は私の物になるであろう。彼の力は強大である。その機械はこの事を実現するであろう。父の愛こそその機械。母の愛こそその悪魔。私は愛されている。私は力を手に入れるであろう。その宝玉は…その宝玉は脅威にさらされている!その宝玉は…とても貴重で…駄目だ!止めろ!!全ての力はその宝玉からやって来る。その宝玉は壊された…世界は破壊された…酷い破壊だ…とてつもない変動だ。世界は破壊された。母よ、なりません!父は死んだのです。母は死んだ。私も死んだ。

時は破壊された…城全体が消え去った…時代は変わらねばならない…時は破壊に道を譲らなくてはならない…時は流れなくてはならない。私は死んだ。私は砕かれた。私は破壊に道を譲らなくてはならない…私は変わらねばならない…私は機械だ…私は悪魔だ…私は結合体…私は再生…私は家に居ない…私は家を見つけなくてはならない…時は砕かれた…時代は間違っている…私は待たねば…待たねば…時はやって来る。家もやって来る。


部屋の遥か向こうにある光が急に暗くなり、突然ブラックソンは我に返った。彼は跪いていた冷たい広間の床から立ち上がりながら、息を切らしていた。頭から下ろした手は震えていた。彼の顔は身震いする様な驚きから凍り付いていた。『私…私は目にした…何千年もの時間を…ほんの僅かの間にだ。』

『私は貴方を待っていたのです、ブラックソン、』その声は淡々と続けた。『時は満ち、そして私は再び故郷を見つけたのです。貴方は私が長い間留守にしていたこの世界の貴重な知識をお持ちです。』

『ブリタニアを征服したいのか?』

『私は貴方がブリタニアの支配者として相応の地位に居て頂きたいのです。私にはそれを導く力があります。』

ブラックソンは躊躇した。『それであれば、私に支配を許す事でお前は何を得る物があるのだ?まさか、お前がただ単に贈物として私に玉座を渡したいと云う様な事を信じろと言うのではあるまいな?』

『私は本来の目的を果たそうと努めているのです。』光は薄暗く輝き、その声は低い音程となった。『その事は先程お見せしましたからご存知でしょう。私は絶対的な守護者として、すべてを見張り、すべてを知る為に、この世界を引き継ぐ事になっていました。この世界となり、この世界をコントロールする力を維持する為にです。その力を貴方に与える事ができます。貴方にそれを支配させる事ができます。』

ブラックソンはゆっくりと話した。『どうやって…どの様な力を与える事が出来ると言うのだ?』

再び光が明るく輝き、ブラックソンの心にあるイメージが浮かんできた。『私は貴方に新しい身体を与えましょう。そして指令を下す新しい軍隊。』彼はまるで一千の熟練した細工師が彼の体格に合わせて手足を作ったかの様に、彼の身体を変えられるのを見る事が出来た。彼はその体の中、そして血管を駆け巡るその力の中に自分自身が居るように感じる事が出来た。それは彼がそれまで経験した何にも当てはまらない物の様であった…とても信じ難いほどの力を思いのままに出来るのだ!彼の感覚はそれまで可能と思われていた以上に遥かに広がっていった。彼は無敵に感じられた。その感覚は次第に薄まり、そして彼は再び本来の彼に戻った。すぐに彼はもう一度あの力の感覚を感じたいと言う熱望を覚えた。それは彼を夢中にさせた。

エクソダスはしばらく待ってから静かに続きを話した。『ロード・ブラックソン、この力を受け入れますか?支配する事を欲しますか?』

『私は…ああ…分かった、受け入れよう。私は受け入れようではないか!』

『よく言って下さった。』その光は明滅し、そしてブラックソンは暖かいエネルギーの中に彼自身が包まれる様に感じたのであった。

***

彼の人間の頃を映した石像は賛同の意を表さない衛兵の様に彼をじっと見下ろしているかの様に思われた。彼は再び自分の手を見た。出血は僅かではあったが、それは今以て彼がかつて持っていた弱さを思い起こさせる物であった。重厚な爪を持ったもう一方の手が起き上がり、彼はそれを見つめた。おぞましい笑みが彼の顔中に広がった。次の瞬間、ブラックソンの強力な機械の従者が辺りを舞い、そしてその石像を数千の破片へと打ち砕いた。かつて石像が立っていた所で塵が渦を巻き、そして地に落ちた。

『他の者も私に加わるのだ。』彼は力の感覚を味わいながら吼える様に言った。

***

ダーシャは山道を登りながら、もう一度自分自身を落ち着かせようと苦心していた。数日前、彼女はジュカ要塞の不思議な場所に辿り着いた。今、彼女は酷く傷ついている。クロークを身に纏った者からのエネルギーの閃光と要塞の壁から落ちた事で、彼女はもうすぐで死ぬ処であった。今となっては彼女のヒールの魔法も、まるでここでは魔法が違っているかの様に、何らかの理由で失敗するのであった。彼女は本当に何とか貧弱な呪文で自らの命を守り、そしてジュカの警備兵が彼女を発見する前に逃げたのであった。

彼女はしばらくの短い間、十分な安全を確保する為に、山を登ろうと決心したのであった。彼女は誰も彼女を見つける事は出来ないだろうと思い、その間に体を休め、そしてその後、ヒールの呪文をかけるのに十分な体調を回復する事が出来た。岩を背に腰掛けながら、彼女は骨に走る痛みに怯んでいた。もし、再び呪文が失敗すれば、とても遠くへは行けないであろう。

彼女はその土地を見渡し、そして持ち物を手に取ろうとした。元居た地ではないのだが、ここでの物事は見知っているような気がした。彼女は朦朧としていて、それを理解するには十分な状態ではなかった。彼女の後ろで小石が落ち、彼女はそんな明白な敵の出現を察知できなかった自分を呪った。すばやく振り向くと、何者かが目の前に立っているのが見えた。

『あなたは!』
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