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準備

投稿日:2002年5月11日


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ケイバー(Kabur)の重い足音が、エクソダス(Exodus)の部屋に通じる廊下に鈍く響きわたった。戦場から呼び戻されて、彼は機嫌が悪かった。特に今は、人間どもを存分にいたぶれる最高の時だったのだ。司令官という重責を担うのはよいが、会議ばかりで嫌になる時もあった。だが、彼の主人であり、彼らの種族を絶滅から救った存在の命令には、絶対に逆らうことはできない。

大広間のドアが音もなく左右に開くと、ケイバーは、いつも地位の高さを盾に偉ぶるあの忌々しい人間、ブラックソン(Blackthorn)の姿を探した。だが、そこには彼の気配は感じれらなかった。こちらの世界に来てから、彼がエクソダスに直々に呼び出されるのは、今回が初めてだった。ケイバーは、主人の声がする部屋の暗がりに向かって、深々と頭を下げた。ブラックソンがいないのは妙だと感じたが、あの横柄な原始人と口をきかなくて済むと思えば気が楽だ。

「我らが主なるエクソダス様、ケイバー、はせ参じまして御座いまする」

岩をも砕くかと思われるエクソダスが、部屋中を振るわせた。「おまえとジュカ(Juka)の者どもは、よく尽くしてくれている。作戦の首尾を報告せよ」

ケイバーは立ち上がり、暗がりを見上げた。「進軍の妨げとなる障害には、いまだ遭遇しておりません。滞りなく都市の破壊と人間どもの抹殺を遂行しております。竜騎兵隊も……それなりに貢献している模様であります」この偉大なる戦士にとって、人間と肩を並べて戦うことほど誇りを傷つけられることはなかった。それはジュカ族全体に対する屈辱だと、彼は感じていた

「ユーで戦ったお前から、その地の様子を聞きたい」

「ユーは全土にわたり、想像をはるかに超える変化を遂げております。森の樹木は根を土より引き上げ、人間に襲い掛かっております。動物は、私の見る限りにおいては肉体の形状を失っております。大地そのものも、湿気を増し、ぬかるみ始めております。かかる変化の中にありながらも、我がジュカ軍はまったく影響を受けておりません。植物は我々には攻撃しようとはせず、奇形化した動物たちも、ジュカを狙う事はありません」ケイバーはしばらく言葉を止め、次に伝えるべき情報を頭の中でまとめた。「斥候の情報によりますれば、ミーア(Meer)どもは病に冒され始めているとの事であります。もはや、我らの脅威ではありません」

エクソダスの声が響いてくる暗がりの中で、小さなライトがしばらく瞬き、やがて闇に飲まれていった。続いて、歯車が回転する音が大きくなったかと思うと、またすぐに静かになった。「腐敗の術を使うとは、ミーアも愚かな真似をしたものだ」

腐敗という言葉を聞いて、ケイバーは目を細めた。これまでミーアは、もう後がないという最後の最後、捨て身の切り札としてその術を使ってきた。腐敗の凄まじい嵐にもまれ、将校も兵士達も変わりなく土くれとなって消えてゆく光景を、ケイバーは一度目にしているのだ。

エクソダスの耳障りな声はさらに続いた。「ユーを救おうとした事で、ミーアはユーの未来を永遠に封印してしまった。ミーア自身の未来もだ。ケイバーよ、このまま街の人間どもを攻撃し続けるのだ。そうすれば、今にミーアは我らの意のままに動くようになる。もし、ミーアが己の身を守ろうと反撃に出るようなことがあれば、ジュカ軍と竜騎兵を引かせるのだ、ケイバー」

「退却せよと?」主人には特別な策があるとは承知していたが、ケイバーにとってそれは不本意な命令だった。「という事は、新しい任務をお与えくださるのですか、エクソダス様」

「しばらくお前とは連絡がとれなくなる。戦況が複雑化しても、私は指示を出せない。そうなれば、大切な兵をいたずらに失うことになるからな」

その言葉に、ケイバーは動揺した。エクソダスは、ジュカを支配下に入れてからこのかた、ありとあらゆる物事に口を出してきたからだ。エクソダス不在という状況など、考える事もできない。「どちらかへ、お出かけになられるのですか」

モーター音が大きくなり、また静かになる間、沈黙が続いた。「目的を達成するためには、私は別の場所に注意を向けなければならんのだ。そのためには、準備が必要となる」

「では、ブラックソンが……」ケイバーは、目の前にいる時以外、ブラックソンに敬称をつけて呼ぶ事はなかった。「あなたがお帰りになるまでの間、ヤツが全権を握るという事でしょうか」質問をするケイバーの声には、重苦しい険があった。

「ブラックソンは私の活動の事を何も知らない。ここでの話も、お前に対する私の命令も、ヤツの耳に入れてはならん。ケイバーよ、お前の口の固さを信じているぞ」

「承知いたしました」ケイバーはヘルメットの下でニヤリと笑った。「決して漏らしません」
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