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戦火に残された希望 - II

投稿日:2001年2月10日

JP Reporter
全シャード

強い風が吹き上げると、ニスタルがゲートから姿を現した。砂埃が収まり、フェルッカの傷つき変わり果てた大地を目にした老人の胸は空しさに包まれていた。 彼はバッグの中をまさぐると一冊のルーンブックを取り出した。

ルーンにマークした地点からライキュームまではさほど遠くない。捜し求める知識の記された本はフェルッカから持ち出されることなく保管されているはずだ。 本の保管場所については魔道士評議会(Council of Mages)でも意見が分かれ、論争が繰り広げられた経緯があったのだが、 最終的には街の統治のために戦う派閥魔道士たちの意見を尊重して、フェルッカの地に保管されることとなった。

『Kal Ort...』ニスタルの集中力が途切れた。何者かの気配をその場所に感じとったのだ。

『久しぶりですな、ニスタル殿』背後から声が掛けられた。

ニスタルがゆっくりと振り向くと不思議な格好の人物が目に入った。 その人物は珍しい灰色の鹿製のマスクをかぶり、奇妙な杖を手に携えていた。そして、ぼんやりと黒っぽいオーラに包みこまれた人影にニスタルは寒気を覚えた。 朝の光はまだ暗く、ニスタルが鹿マスクの下にある顔を確認するには多少の時間が必要だった。

『きさま!』彼の感情は一気に高まり、声は罵りに変わった。

『ほぅ、覚えていてくれましたか』その男は答えた。

『魔道士との唯一の和平への道を閉ざした貴様を忘れるわけはなかろう』ニスタルは唸った。

『それは違いますな。あなた方の間に起きた亀裂を誤魔化すための嘘、あるいは見栄だったのではないですか?
私はただ真実を述べたに過ぎない。そう、あなたの嫌いな真実をね。どうです、ニスタル殿?』

『すべてを語るべきではない状況もある…』ニスタルは息を吐いた。
『アノンやその仲間達は確かにすべての真実を解き明かすための議論をして止まないが、世の中の知識にはその危険さから白日の下にさらす必要のないものもあるのじゃ』

『ほほう、あなただけはその真実を求めるに相応しいとでも?』その声は忍び笑いを含んでいた。

『相応しいかじゃと?』ニスタルは続けた。
『わしには判断はつかん。しかし、知識を手に入れる運命にわしがいた。分かるのはそのことだけじゃ。さぁ、立ち去ってくれ!わしには急がねばならない用事があるのじゃ』

男は笑い出した。『もし嫌だと言ったら?どうしますか、ニスタル殿』

『レブロ(Revlo)、わしはおまえを傷付けなくはない』ニスタルは歯軋りしながら答えた。『それとも近頃は別の名前を使っているのか?プロフェット(Prophet)あたりはどうじゃ?』

レブロは再び笑い出し語った。『私は選ばれし者、あなたが理解することもできないような強力なパワーに選ばれた者だ』

『おまえの魔力などわしが怖がると思うか?』ニスタルは応戦の構えでいた。

レブロは笑顔と共に姿を消した。次の瞬間には、ニスタルの背後から低い声が響いて肩に両手が乗せられた。

ニスタルは即座に振り向いたが、またもレブロに背後を取られてしまった。

ニスタルは立ちすくしていた。『これは一体…』

レブロは複数のコーラスのように響く声で語った。『我々はおまえ達の想像を絶する存在…。おまえ達の夢の背後に忍び寄る黒い影、そして最上級の恐怖。我らは畏怖そのものである』

ニスタルの肩に掛けられたレブロの手の冷たさが移動し始めた。指の一本一本から冷たさがニスタルの心臓へ向かって進むと、凍りつくように身体が震え出すのを感じた。 かつて老人はこれほどの恐怖を味わったことはなかった。

『ニスタル、これで我々の恐ろしさが分かっただろう』声がこだました。

身体全体に冷気が回るとニスタルは膝から崩れて落ちていった。そして、朝焼けの風景がしだいに老人の視界から薄れていった…。





ニスタルは自分の寝室で目を覚ました。起き上がると全身が硬直しているかのようだった。

『友よ、休んでいてください』デュプレが微笑んだ。

『何が起きたのじゃ…どうやってわしはここへ?』ニスタルはめまいと格闘しながら訊ねた。

『私達が見つけました。ちょうどよいタイミングだったようで』ジョフリーは暖かいエールを差し出した。

『その通り、あなたが恐ろしい痛みに苦しんでいる悪夢を見たんです。その後すぐに様子を見に伺ったのですが、すでにあなたは旅立たれていた。 急いで森へ駆け込んでみると、ちょうどあなたの出した面移動のゲートが消えるところでした。ジョフリーはムーンストーンを調達するために街へ戻り、私達はすぐに追いかけたのです。 フェルッカに到着すると、あなたは膝立ちのまま苦痛に顔をゆがめていて、その上にWraithが覆い被さっていた。 ジョフリーがとっさに攻撃を開始して決着したと言うわけです』デュプレがいきさつを説明した。

『魔法なんかには頼る必要はなかった。単純にやつを地面に叩きつけると、デュプレが押さえつけてくれたしな。 どういうわけだか、妙に嫌な気分がしたんだけど、二度とあの断末魔は聞きたくはないよ。』ジョフリーが言った。

デュプレは思案げな顔つきになり次のように語った。『そうなんです。自分でもよくわからなかったんですが、どうもあのWraithに大きな嫌悪感を覚えました』

ジョフリーは笑い出した。『きっとおまえさんの口臭だったんじゃないか?』

デュプレは苦笑いするとニスタルに視線を向けた。

『ニスタル、何を考えているんですか?』デュプレが訊ねた。

『何かではなく、誰かを考えていたところじゃ』ニスタルはそう言うとエールを口に含んだ。

『あれが誰か人物だったと言うのですか?』ジョフリーは混乱した面持ちで聞いた。

『ああ、あれはレブロじゃ。毎日のように勢力を拡大しつつあるシャドーロード(Shadowlords)のカルト集団を創設した者じゃ。』ニスタルはため息をついた。
『やつらの存在は虚空の幻影に過ぎないと思っていたんじゃが、それも今では信じられなくなってしまった。 やつはわしが瞬きをするよりも早く風のように移動することができる。やつの声は増幅して、指先でふれるだけでわしの身体を麻痺させることもできた。 恐らく、その力は我々が見たこともない悪魔的な存在に直結しているのかも知れん』

『ところで、なぜ1人で旅に出たのですか?』ジョフリーが訊ねた。

『ライキュームに眠る2冊の本を単に持ち帰る…、ほんの遠足程度の気持ちでいたのじゃが…』ニスタルはゆっくりと椅子に深々ともたれかかった。

『それならば本の題名を教えてくだされば私達が持ち帰ってきましょう。いずれにしても、あなたには休息が必要です』デュプレが優しく語った。

『ああ、そうさせてもらうよ』ニスタルは巻物に何かを書き込んだ。『この2冊の本をわしに届けてくれ。きっと新しい鐘を造るための手がかりを見つけることができるはずじゃ』

ニスタルは眠りに落ちてしまった。




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