ニスタルは燭台の置かれている部屋の反対側に視線を向けた。
クリスタルで作られたランタンのような「愛のロウソク(Candle of Love)」は、FoA(Followers of Armageddon)による問題が起きるまでエンパス修道院(Empath Abbey)に密かに安置されていたが、
今では何事も起きる気配もなく黄色がかった柔らかな輝きを落とし続けている。
この2つの物はソーサリア三大原理のうちの2つを具現化したもの、そして3つ目こそが彼の友人達がサーペンツホールドから持ち帰るはずの「勇気の鐘(Bell of Courage)」だ。
その旅には両卿が必要だった。唯一、鐘の正確な場所を知るデュプレ卿、そしてジョフリー卿だけが台座から取り外すことができる。ニスタルは先に彼らと相談した計画を再び回想していた。