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それぞれの野望 - II

投稿日:2000年8月23日

Garda Dalhar
全シャード

木々が折れ、いきおいよく葉が揺れる音が彼らの周りにこだますると、とてつもなく大きな姿の赤いドラゴンが姿を現した。木々をなぎ倒した巨大な生き物の前で3人の男は姿を隠したまま立ち尽くしていると、ドラゴンの後ろにオークたちのグループが連なり、木々の中へと再び姿を消していった。

ゲルトン(Gelton)は自分の手があるべき場所に目をやって立ち上がった。空間がちかちかと光り、彼は姿を現した。『魔法使いさんよ、俺に魔法を掛けるならそう言ってくれよ。お陰で剣だけは思いっきり見えちまっているぜ。』

『ゲルトン、おまえさんはいつもドラゴンを追っかけまわしていたよな。』謎の男は姿を現してそう告げた。『地図作成の書物にしか興味のないドリッド(Drid)を連れ出して冒険とは驚いたもんだ。』

『Mordemus?!』ゲルトンは叫んだ。『村を出てから誰も行方知らなかったんだぞ!こんなところで何してるんだ?』

『久しぶりじゃないか!俺の教えた魔法は訓練しているか?』ドリッドも姿を現した。

『あぁ、村を出てからはHaland the Blueを師に仰いでの見習いさ。彼はかつて魔道士評議会の一員でな、魔法を習うために俺はMoonglowへ引っ越さなきゃならなかったんだ。かれこれ長いこと修行を積んださ。それでおまえさんたちは夜中にここで何をしていたんだい?』

『トレジャーハンティング。』ドリッドは顔をしかめると、今ではばらばらになってしまったキャンプファイアーのような宝箱の残骸を指差した。『それで、おまえは何故このYewでドラゴンに追っかけまわされているんだ?魔法は本を読むよりは簡単に覚えられるはずだぜ?』

『実はある仕事でGraffを訪ねたのさ。』Mordemusはローブに付いた埃を払いながらそう言った。

『Graff?"親指"Graffのことか?あれだけ不器用な奴も珍しかったな。奴はいつも言っていたような動物使いになれるとは到底思えないし、そもそも主人を噛み付くのを絶対に止めないあの犬はどうなったんだ?』ゲルトンが言った。

『あぁ、奴は動物使いだったよ、ものの数分前まではな。今ではニックネームも"親指"だけにした方がいいだろう。オークに腹を立てた奴のドラゴンが一切言うことを聞かなくなってな、奴の片方の腕を残してひと飲みにしちまったもんだから、残ったのはまさに親指だけだったよ。』

ドリッドは燃えつづけている宝箱の破片にシャベルで土を掛けて炎を消しながら言った。『Graffと仕事の話だって?奴が魔法使いを助けることができるとは思えないんだが。』

『おれもそうは思えないが、奴は俺の師匠が求めていた情報をつかんでいたのさ。Halandはレアな魔法アイテムを研究するために評議会を辞任したんだが、Graffは奴の爺さんからこのYewのある地点を示した古代の巻物を持っていたんだ。100年ほども前に存在した魔道士Trandfel the Remarkableが残したと伝えられているワンドに関連した情報としてな。』

ドリッドは燃えかすを消し終えると崩壊した宝箱の端に腰掛けた。再びトーチに火を灯すと、飛び火した草を足で踏み潰した。『思い出したよ。Graffの爺さんは魔法を道楽にしていて、俺達がまだ子供の頃、よく魔法の手品を見せてくれたよな。それでGraffはその巻物をどこにしまってあったんだ?』

『残念なことに巻物は奴のドラゴンが腹を空かせていたときも奴のバッグの中に入っていたんだ。』Mordemusは両手を空に伸ばした。『Halandは激怒するに違いない。永遠に葬り去られてしまったんだからな!エーテル界の謎を解くかもしれないレアな魔法アイテムは、このあたりの地中に埋まっているはずなんだ。そう…おまえの下にな!』

『悪いな、Mordemus。出来れば手伝ってやりたいが、Yewは広すぎるし穴を掘るには……何?今何と言った?Mordemus、どこを指差しているんだ?』ドリッドはゆっくりと辺りを見回すと、宝箱の埋まっていた地面の穴に視線を落とした。小さなワンドが爆発による埃をかぶることなく、トーチの明かりにゆらゆらと照らされていた。ドリッドは穴に手を伸ばすとワンドをつかんで持ち上げた。その表面は冷たく、思ったより重量が軽く感じられた。

『それだ!』Mordemusが叫んだ。『ドリッド、まさにそれだよ、おまえは天才だ!100年もの間眠っていたワンドをおまえが探し当てたんだ!ワンドにTrandfelの名前が刻印されているだろう!』

ゲルトンはその人工物をまじまじと見つめた。『確かに魔法がかっているようだな。』

『おまえにはエールの入ったカップのがよっぽど魔法がかっているんじゃないか?』ドリッドは鼻息荒く言った。

『エールの入ったカップは魔法のようさ!』ゲルトンは笑った。『それでそのワンドは何をしてくれるんだ、Mordemus。』

そのときだった。赤い身体のドラゴンが巨大な4本の足で着地すると、同時にドリッドの後ろで燃えかすとなった宝箱に、身体が半分になったオークの死体が直撃した。ドラゴンの目に睨まれながら何でも切り裂いてしまうような牙を目の当たりにすると、3人は恐怖でその場で凍りついてしまった。熱い息が彼らの髪をなでていた。

『Mordemus!』ドリッドは食いしばった歯の隙間から囁いた。『このワンドはどうすりゃ働くんだ?』

『奴に向けて祈るんだ!』彼は赤いばけものから目をそらさずに囁き返した。

ドリッドはゆっくりと腕を上げてワンドをドラゴンに向けた。ドラゴンは瞬きをすると怒りをつのらせて息を吸い込んだ。ドリッドはこのまま炎の息で命を落とすことになると確信して目を閉じた。だが、次の瞬間何も起こらなかった。3人は互いに目を合わせるとドラゴンをまじまじと見た。奴は炎で3人を焼き尽くそうと首を曲げた状態のまま、静かな水面のようにじっと動けずにいた。

『う、うまくいったぞ!』ドリッドが声を上げた。

『残念ながらそれは違う。そいつを止めたのは私だ。』Haland the Blueはちょうどムーンゲートから身体を現し、長い青みがかった杖をドラゴンに向けて構えていた。『さぁ、そこを離れなさい。』3人はまだ恐怖に怯えながら彼を見つめた。魔道士の杖が輝きを増し、氷のような青いオーラが飛び出したかと思うと、あたり一面を凍りついた。Halandが音を発するその杖を回し始めると、彼の空色のローブと白いたてがみのような髪がたなびき、ドリッドは杖が唸りにも似た大きな音をあげるのを聞いた。そして、老人の神秘的な呪文が耳に入ると森に雷が落ちたかのような音がとどろき、ドラゴンは地面に倒れこむと最期の身震いをしてみせた。

Haland the Blueはドラゴンの首を辿って歩き、3人が腰を降ろしている近くの頭部にきたところで立ち止まった。『ドラゴンとて同じモンスターだな。さぁ、そのワンドを渡してくれ。』

Mordemusはワンドを地面から拾うと、たった今使った魔術のために過度の疲労を背負ったであろう師匠に手渡した。杖からの音はほぼ収まっているようだった。彼はワンドにしばし集中していた。『これだ、これそこまさにTrandfelのワンドだ。』そう言うと彼はワンドを背後の暗闇に投げ捨ててしまった。

『マスター?!』Mordemusが叫んだ。『な…なぜ?それが私たちの捜し求めていたもの…大切なものではないのですか?』

『騒ぐでない!実はな、価値のあると思われていたワンドは、捜し求めるには値しなかったようだ。だからこそ、こうしておまえを迎えに来たわけだ。ほんの少し前、私はTrandfelの記録を翻訳し終わったのだが、奴は単にとんでもなく気が狂っていただけだったのだよ…。奴は使い切ったワンドをこの方面の森の中に埋めたが、それはチャージの切れたワンドを死んだものとして葬っただけのこと。かつては鑑定のパワーを持つワンドであっても、チャージが切れてしまえばただのゴミ。つまり、おまえ達はご苦労にもワンドの墓場を掘り起こしていたというわけだ。』彼はくすくすと笑うと続けた。『さぁ、ゲートをくぐって家に帰るぞ、Mordemus。明日からは新しい研究を開始しよう。今晩はもう充分に楽しんだだろう。』

『マスター』Mordemusは言った。『これは私の知り合いです。彼らがワンドを見つけてくれたのです。』

ゲルトンとドリッドは暖かい笑みを見せる年老いた魔道士の前に歩み出た。『どうやら報酬を与えるべきは、運の悪いGraffではなく君達のようだな。』彼はそう言うとゴールドの詰まった袋をドリッドに手渡した。『これはモンバットの骨ではないが、それにも変身できるものだよ』彼はウインクしてみせた。

青い杖を持ち上げると、HalandはMordemusに身振りを示してゲートへと姿を消した。

『また会えてうれしかったよ。次は街で会おう。では!』Mordemusは古い友人と握手と交わすと、師匠を追いかけてやがて地面に消えていくゲートをくぐった。

再び森には静寂が戻り、ドリッドのトーチがゆらゆらとゲルトンを照らした。やがて、ドリッドはゴールドの袋を持ち上げると相棒に振り返った。2人は息の絶えたドラゴンを見つめた。

『おまえはどうだかわからないが、俺はまだ笑えそうだよ。』ドリッドが言った。『さぁ、パブへ行こうぜ。』

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