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ギルフォーン

投稿日:2001年3月19日

JP Reporter
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ギルフォーンは、ゲートトラベルとテレポート呪文の研究にかけての第一人者として世間に名を知られていた。これまでにも「最後のゲート」や「ゲートトラベルとモダン社会」などの著書を発表しているだけでなく、ムーングロウの街に設置されているタウンテレポーターやジェロームの地域テレポーターの仕組みを解明したことでも知られている。また、ギルフォーンはこれらの仕組み利用して、ムーングロウの秘薬屋で見られるような小型テレポーターの設置も実際に行い、買い物客でごった返す店の整理にも一役買っている。恐らく、誰でもが一度はギルフォーンの設置したテレポーターの恩恵にあずかっているだろう。

このような業績とはうらはらに、ファセットと付随するファセットゲートの発見への想いは、彼を完全に魅了していた。一歩踏み出したその先が別世界になることを考えれば、ゲートを開き秘薬屋へ飛ぶことさえ、彼にとっては至って単純にも思えたのだ。過去の歴史を振り返っても、別世界へのゲートが具現化したとされているのは、モンデインを討伐するために謎の人物をこのソーサリアへ運んだとされる伝説のSiege Perilousゲートだけだった。ギルフォーンは、ゲート生成に関する古文書の公開をニスタル(Nystul)へ何度も嘆願していた。ニスタルは、最終的にギルフォーンを個人的に訪ねて、ゲート生成の記録は一切見つかっていないことを直接説明しなければならなかった。ただし、ギルフォーンはこのことを一切信じず、ニスタルは真実を述べていないと公に声明を出してしまったのだ。しかし、その気持ちを理解できる者も多くいるだろう。ファセットゲートは実際のところスキルも必要とせずに、たった一つのムーンストーンで実現できてしまうのだから。地面に置かれたムーンストーンは、やがて地中に埋もれ、相対する別世界へとファセットゲートを開く。ムーンストーンは、かつてミナックス(Minax)がブリタニアへ降り立ったときから人々の目に触れるようになったが、恐らくはミナックスが自らのファセットから我々のファセットへ入り込んだことで、何らかの作用が働いて生み出されるようになったものなのだろう。そして、臭気の強いヘッドレス(headless)と呼ばれるモンスターは好んで、あるいは何かの勲章であるかのようにムーンストーンを集める習性があるようだ。

ギルフォーンは一般的なムーンゲートの生成方法に関する古文書の研究を進めていた。「それは固定的なもの:到着地はソーサリアを周期する二つの月の位相に依存する。」しかし、ムーンゲートに関する魔法とムーンストーンのすべての組み合わせを試しても、開いたゲートの爆発により怪我を負ってまでも、未だに固定ゲートを完成するには至っていなかった。

その夜もまた、ギルフォーンは夜更けまで古文書の研究を行っていたが、やがて本を閉じると身体を休めようとベッドに横たわった。即座に睡魔に襲われた彼は眠りに落ちて夢を見ていた...。

そこはムーングロウの市民センターだった。澄んだ夜の爽やかな風がギルフォーンの頬を撫で、星は満月の双子月に照らされるかのように瞬いていた。ウィスプ(Wisp)が姿を現すと、ギルフォーンを招いているように見える。彼はそれに従い、街の南門を出てムーンゲートの方角へ輝くウィスプの後を追った。突然、ウィスプは姿を消してしまった。ゲートを見ると、これまで目にしたことのない、いつもとは異なる輝きを放っている。そのときだった。情景に相応しいとも言える、自然に幾重にも重なった声々が闇から彼を包んだ。

『これまでよく頑張ってきた...その努力は決して無駄にはならぬだろう...さあ、ゲートを見るのだ。』

風が強まり、ギルフォーンは渦を巻くようなゲートを凝視した。

『おまえは誰だ?何故私の夢に入り込んできたんだ?』

『我等は賢者、そして助けを求めている...。』

『目にしたことない...おまえの望み...我等が叶えてやろう...。』

その言葉にギルフォーンの凝視が崩れた。『ただほど怖いものはない。その知識と引換えに何を失わなければならんのだ?魂か?』

『代償など必要ない...一切だ...。そのゲートから学ぶがよい...。』

彼は再び目の前にある不思議なゲートに視線を戻した。そこには馴染みのある不規則な文字の組み合わせがねじれ、そして揺らぎながら浮かんでいる。

『単純かつ明解...そして、摩訶不思議...。』

『さあ、ゲートをくぐるのだ...。』

ギルフォーンは足を踏み出すとゲートに入っていった。

彼は興奮と共に目を覚ました。身体は震え、汗にまみれながら、自分自身を取り戻すのにたっぷりと時間が掛かった。夜の空はまだ暗く澄んでいた。夢...ウィスプ...ゲート...そうゲートだ!ギルフォーンはベッドから飛び起きると研究室へ急いだ。

彼の思考は光り輝く文字と神秘の呪文に集中していた。あわただしく研究室の秘薬をかき集めると、頭の中は多少なりとも狂気じみた思考に取って代わっていた。秘薬の準備を整えたギルフォーンは、これまで聞いたこともない詩的とも呼べる呪文節の詠唱を始めた。

『init kal vas gres』
『trak sek-de ter-mer..』
『re in ew tu-tim in-ten』
『re grav beh』
『i trak-por』

最初は何も起こらないと思えた。次の瞬間、秘薬は爆発エネルギーの光となって研究室を強烈に明るく照らし、床に秘薬と共に置いたムーンストーンがゆっくりと地中へ埋もれて行った。明るい光に視力を半分奪われたギルフォーンのその目に、床から姿を現した渦を巻くゲートが飛び込んできた。それはまさに夢の中に出てきたゲートと同様のものだ。もちろん、ギルフォーンは砂時計をひっくり返すことを忘れなかった。

彼はゆっくりとゲートを眺めた。その向こうにあるものは見えない...。彼はじっと時を待ったが、砂時計のガラス容器の中で、砂は驚くほど遅いペースで時を刻んでいた。いつものゲートが閉じる時間となったとき、彼は当惑した。それは閉じなかったのだ!ギルフォーンは、時間の経つのがこれほど遅く感じたことはなかったが、ゲートは一時間を過ぎても消えることはなかった。どうやら固定ゲートの生成方法を遂に手に入れたようである。もちろんまだ大切な試験が残されている。この中へ足を踏み入れても大丈夫だろうか?向こうにあるものはまったく見えない...。その不思議なゲートを前に、彼はさらに時が過ぎるのを待ち、そして夜が明けようとしていた。ギルフォーンはこのまま朝を待ち、評議会へ固定ゲート生成の発見を伝えるべきかを悩んだ。しかし、ゲートの向こうにある世界を見てみたい、そしてゲートが完全に機能するのかどうかを確かめたい、彼はその衝動に勝つことができなかった。そしてゲートに一歩、足を踏み入れた。

衝撃的な感覚はなかった。これまで何度も通ってきた一般のゲートをくぐった時と同様の感覚で、何の苦労もなく彼は別世界に立っていた。しかし...何かが大きく異なっている...。そう、それはフェルッカではなかったのだ。

ギルフォーンは朽ち果てた石の建造物そばに立っていた。最初はそれに気付かなかったが、やがて明確に意識に入り込んできた。アンクだ!目の前にあるのは、紛れもない荒石を積み重ねたアンクだった。そして石の残骸に半分埋もれているのは、信じがたいことに確かに徳の印章だ。天秤のマーク:正義の印章。これが正義の神殿なのだろうか?もちろん、彼の知っている正義の神殿とは似ても似つかない。驚くべきその光景に、ギルフォーンは興奮を覚えた。意識をゲートへ戻すと、それが消えてしまうのではないかという気持ちに襲われた。魔道士評議会へ一刻も早くこの事実を伝えなければならない。この世界を詳しく調べたいという後悔を残しながら、ギルフォーンはゲートを使って研究室へ戻った。ゲートはまだそのままだ。夜明けの近い空の下、彼はこの大発見を伝えるべく、アノン(Anon)のもとへと急いだ。

虚空間の最も暗い次元で、三つの影が不気味な笑いを浮かべていた。

それは始まったのだ...。


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