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ローカルニュース

静けさを破る叫び

投稿日:2004年1月31日


全日本シャード
金色に輝く建物の一室で男はニヤリとしながら目の前に積まれた金色のコインを数えていた。

「ヤツにはまだまだ稼いでもらわないとな、何しろこちらも元手がかかっているんだ。」

そんな中、静かな夜の空を切り裂くように悲痛な叫びが聞こえてくる。

『オロローン』

「ったく、毎晩うるさいヤツだ。餌なら十分くれてやってるだろうがっ!おいっ、ヤツは腹が減ってるらしい。」

「かしこまりました。」

飼育係と呼ばれたもう1人の男は血のしたたる生肉を檻の前まで運んできた。

「お前も気の毒だなぁ、せめて生肉だけはたくさんお食べ。と、言ってもここんとこめっきり量が減ったな。」

檻の中の生き物は差し出された生肉には目もくれようとせず、相変わらす叫び続けるのであった。

「おーい!うるさくて仕事にならん、静かにさせるんだ。」

先ほどからコインを数えるのに忙しい男はヒステリックに言った。

「ですが、こいつは腹など減っていないようですが?」

「お前は飼育係だろ?相手が動物だろうがモンスターだろうが環境に慣らすのがお前の仕事なんだ。」

「かしこまりました。」

飼育係は皿に盛られた生肉を手でつかみ檻の中の生き物へ差し出しながら言った。

「なぁ、ちょっとでもいいから食え。お前にも家族とかあるかもしれんがな・・・俺の家族はお前らみたいなモンスターってやつの餌食になったんだ。何の因果かな、はっはははは」

飼育係は力なく笑い、その手の中にある生肉は生き物が手をつけることはなかった。



ブリタニアの夜は今宵も更けてゆく・・・。
その声はいつまでも闇の中に響いていた。
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